<水泳>「五輪出場不可」朴泰桓、スポーツ仲裁裁判所に提訴していた(中央日報)
 朴泰桓のマネジメント会社チームGMP側は14日、大韓体育会国家代表選抜規定をめぐり先月26日にCASに提訴した、と明らかにした。チームGMPの関係者は「21日以内に提訴しなければいけないというCASの規定に基づき26日に書類を伝えた」と説明した。

大韓体育会は先月6日、第1回スポーツ公正委員会を開き、朴泰桓のオリンピック(五輪)出場の可否を決定できる国家代表選抜規定を改定しないことにした。こうした内容が公式に発表された日は翌日の先月7日。朴泰桓側は21日以内に提訴しない場合、機会を完全に失うかもしれないと判断し、CASに提訴した。しかし2日後の先月28日、CAS側に直ちに仲裁中止を申請し、現在、関連の案件は進展していない状態だ。

大韓体育会は「朴泰桓がCASに仲裁の申請をしたのは事実。大韓体育会と大韓水泳連盟を相手に提訴した。12日夜にCASから関連公文書を受けた」と関連内容を認めた。
(引用ここまで)

 スポーツ仲裁裁判所へ仲裁を依頼するというのはまあ常道。
 いつぞやペナルティを取られて優勝をふいにした韓国人女子ゴルファーがいきり立って「CASに提訴する!」なんて言っていましたが。
 けっきょくはやりませんでした。

 というのもCASへの提訴(仲裁申し立て)にはものすごい金額がかかるのですよ。
 元サッカー日本代表選手の我那覇和樹(当時川崎F)が受けた点滴がドーピングではないことを証明するためにCASへ提訴して、結果「正当な医療行為であり、ドーピングではない」という結果を勝ち取りました。
 このとき、たしか数千万円の費用がかかったと記憶しています。
 弁護士への依頼やらなんやらでめちゃくちゃ費用がかかるので、我那覇やJリーグ選手会もサポーターへの寄付を募っていましたね。

 今回の「とりあえずCASに提訴したけども、停止している」というのも、提訴の期限だけではなくそういう経済的な面があるからなのでしょう。
 んでもってこの裁判の行方ですが、分からない……としか言いようがないのですね。
 WADA規定による出場禁止処分がすでに終了しているにも関わらず、処分明けから3年間は代表選手として出場できないという大韓体育会の規定は二重処罰ではないかという話があります。
 原則として二重処罰は禁じられていて、出場させないということはできないはず……なのですが。

 実際にアメリカで陸上選手がWADAの出場禁止が明けた選手もオリンピックに出場できないという規定を作っていたIOCを相手取ってCASに提訴し、「二重処罰は無効であり、オリンピックへの出場を認めなければならない」という判決を勝ち取ったことがあります。
 ただし、パク・テファンの場合、大韓体育会が禁じているのはあくまでも「韓国代表選手としての活動」であって、オリンピックや世界水泳への出場ではないのですよ。
 たとえば他の国に移民するというような方法でオリンピックに出場できないとは言い切れない。
 なので、自由裁量の範囲内と言えなくもない……。微妙。
 まあ、以前も書いたように「出場させないこと」こそが、かつての金メダリストに対する温情だとは思いますけどね。

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