【社説】九宜駅の悲劇、既得権打破と共同体復元の契機に=韓国(中央日報)
スクリーンドア修理を担当していた下請け業者ウンソンPSDは契約によりソウルメトロ退職者を雇用し毎月422万ウォンの月給を払ってきた。下請け業者は元請け業者であるソウルメトロの圧力によりスクリーンドア修理人材125人のうち30%をスクリーンドア関連技術の有無も問わず無条件で採用した。これにより業務は月144万ウォンで働く非正規職現場作業員のキムさんに集中するほかなかった。その結果キムさんはカップラーメンひとつまともに食べる時間がないほどの業務圧迫と危険な単独勤務の中で悲劇的に人生を終えなければならなかった。

さらに衝撃的なのはその背景にソウルメトロの労使合意があるという点だ。2011年に定年延長をめぐって対立したソウルメトロ労使は「使用側が退職者の分社再就職をあっせんし処遇を保障する」ことで合意した。これに伴いソウルメトロ退職幹部が運営する下請け会社ができ、退職者が大挙就職した。彼らは非正規職員の汗の代価として特権を維持した。一企業の中に能力や成果ではなく出身に基づいて賃金と福祉が顕著に異なる「労働身分制」があるということは福祉でも、正義でも、民主主義でもない。鉄面皮な搾取であるだけだ。

労組の無理な要求を聞き入れ負担を下請け会社の非正規職に押し付けたソウルメトロは道徳的責任を負わなければならない。管理責任がある朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長がこれを知らなかったとすれば無能であり、知っていながら傍観したとすれば職務放棄だ。朴市長は謝罪とともに安全を最優先視する労働慣行を定着させる対策を出さなければならない。 (中略)

キムさんのさびしい死の前に社会的悲しみと憤怒が同時に起きている。特に若い層には巨大な共感の波が起きている。現場に貼られた多くの付箋はその強さを感じさせる。危険社会は憤怒社会につながる。これは共同体精神の解体を誘発しかねないという点でより一層危険だ。これでは韓国社会で生まれことを恨んで「ヘル朝鮮」「各自図生」を繰り返す若者たちをどのように説得できるか。

この際みんながともに生きていく共同体を復元する血の出る努力を始めなければならない。競争力にだけ没頭するより「人間中心」「安全中心」の社会を作っていかなければならない。競争力がなければ落伍するのは現実だが、競争力だけ強調してみれば弱肉強食のジャングルになる。

九宜駅事故は共同体精神より既得権主義が蔓延している韓国社会の「不都合な真実」の投影といえる。同時に既得権のために社会システムが適時になくすことができず、共同体精神が崩れれば無辜な犠牲者が生まれるという事実を新たに確認させた。これからはわれわれみんなが骨を削る自省の努力で共同体精神復元に出なければならない。
(引用ここまで)
 先日起きたソウルメトロのホームドア修理中に19歳の少年が亡くなった事故がけっこうな社会的反響を起こしています。
 実際にどういう背景であったかは記事を読んでいただきたいのですが。

 これを「普通じゃん」って考えてしまうのは、心が曇っているからですかね。
 韓国ではごくごく普通の所業。
 既得権益の甲は横暴に振る舞い、乙はそれに耐える。場合によっては命も奪われる。 
 安全を切り捨てているので、こういった乙の中の乙が犠牲になる。
 ごくごくいつものこと。
 韓国の日常ですわ。



 韓国の地下鉄のホームドアはこういうタイプなので、内側にいると逃げようがないのですね。
 東京だと南北線が同じタイプですかね。
 で、こんな風に付箋が張られているんだそうですよ。

homedoor_msg
 画像はnews1の記事から。

 この事故、日本で考えるよりもはるかに韓国で話題のニュースになっています。
 19歳の非正規職員がひとりで作業させられていて死んだ背景には記事のような甲の横暴があるということで、他人に思えない若者が多いという話しです。
 中央日報の社説もそうですが「これこそが今の韓国の姿そのものだ」 というように話題になってもいまして。
 セウォル号事件からこっち、いろいろと「韓国の姿そのもの」が出てきますね(笑)。 

 なんとソウルメトロの部署長以上の全幹部が辞表を預けて、再発防止に及び腰になったら即受理するなんてアピールをしているそうです。

ソウルメトロ幹部全員辞表提出……「革命レベルの組織再生」(聯合ニュース)

 ま、どうせひとしきり騒ぎが収まったらなにもなかったかのように、乙が命を落としていくだけなのですけどね。