<大リーグ>李大浩、マルチ本塁打でもベンチに…監督の固執?(中央日報)
シアトル・マリナーズのスコット・サーバイス監督(49)はいつまで我を張ることができるだろうか。

李大浩(イ・デホ、34、シアトル)は12日、米ワシントン州シアトルのセーフコフィールドで行われたテキサス・レンジャーズ戦の先発メンバーから外れた。前日、2打席連続本塁打(今季9、10号)を放って7−5の勝利に貢献した李大浩はこの日、テキサスの先発が右腕投手コルビー・ルイスだったため先発から抜けた。

李大浩は1−1だった延長10回裏、一死一塁の場面で代打で登場した。シアトルのホームファンは起立拍手で李大浩を迎えた。マウンドには4月14日に李大浩にサヨナラ2ランを浴びたテキサスの左腕投手ジェイク・ディークマンがいた。しかしテキサスは李大浩が代打で出てくると、ディークマンに代えて右腕マット・ブッシュをマウンドに送った。李大浩はボールカウント1ストライクからブッシュの2球目のスライダー(145キロ)をライト前に弾き返した。しかしシアトルは一死一、二塁のチャンスを生かせず、延長11回の末、1−2で敗れた。

シアトルタイムズのライアン・ディビシュ記者は「この日の試合前、サーバイス監督は『すべての韓国人はおそらく私のために幸せでないだろう』と語った」とツイッターで伝えた。本塁打2本を打った選手を翌日にベンチに座らせることに対する監督の申し訳ない気持ちを伝えたのだ。リップサービスを十分にする代わり、サーバイス監督は自分の起用法を変えなかった。

サーバイス監督は一塁手にプラトーンシステム(似た実力の2人の選手を交代で起用)を徹底的に適用している。相手先発が右腕投手の場合は左打者のアダム・リンド(33)を、左腕の場合は右打者の李大浩を一塁手に起用する。プラトーンシステムは両選手が監督の起用法を受け入れてこそ維持できる。選手の成績に大きな差が生じれば、選手と監督の間に葛藤が生じる。 (中略)

しかし李大浩はモンテロに実力で勝ち、リンドに対しても記録で上回っている。12日現在、李大浩は42試合で104打席に立ち、打率3割0分8厘、本塁打10本をマークしている。メジャーリーグ本塁打1位のマイク・トランボ(ボルティモア・オリオールズ)は61試合・240打席で20本塁打だが、李大浩はトランボに劣っていない。右腕投手を相手にしてより多くの機会(48試合、158打席)を得ているリンドは打率2割4分7厘、本塁打8本。この程度の成績の差なら正一塁手と控え選手に分けてもおかしくない。

さらに李大浩は左腕投手を相手に6本塁打、打率2割9分8厘、右腕投手を相手に4本塁打、打率3割1分9厘をマークしている。もともと李大浩は左・右腕投手を気にしない打者だ。リンドは右腕投手から7本塁打を放っているが、打率は2割4分1厘にすぎない。左腕を相手にした打率(2割9分4厘)より右腕相手の記録が良くない。それでもサーバイス監督はプラトーンシステムを維持している。これほどになるとサーバイス監督が愛用するプラトーンシステムの根拠は「記録」ではなく「固執」だ。
(引用ここまで)

 残念ですが、 プラトゥーンシステムっていうのは「左投手相手に通用したから対右も任せてみよう」とかいうあやふやなものではないのですよね。
 対左用の打者と対右用の打者、両方を足してそれなりの成績になっていればそれでよし、という考えかた。
 もちろん、左右どちらでも苦にしない打者で走塁も守備もできればそれが一番なのですが。
 そういう野手はどうしたってお高い。

 そこでベンチ入りできる選手が最大で25人という部分を活かして、ニコイチでなんとかしようというのがプラトゥーンシステム。セイバーメトリクスの応用方法である「年俸の低い選手をなんとかして使える選手とする」手法のひとつなのです。
 で、シアトルのファースと担当であるリンドとイ・デホの成績を合わせてみると……

  イ・デホ  108打数 32安打 10HR 24打点 打率.296 出塁率.333 長打率.574
アダム・リンド 158打数 39安打 8HR 25打点 打率.247 出塁率.286 長打率.424
  合算   266打数 71安打 18HR 49打点 打率.256 出塁率.323 長打率.485

 率ではイ・デホが圧倒しているように見えますが、100打数ていどなので実際にはレギュラー選手の1ヶ月ちょっと分の成績です。数試合でけっこう上下してしまうので率をどうこう言うのはナンセンス。

 参考としてア・リーグのファーストとしてOPS1位の選手をピックアップしてみましょう。

エリック・ホズマー 236打数 75安打 12HR 38打点 打率.318 出塁率.375 長打率.530

 アダム・リンドとイ・デホをフュージョンすれば今年最強クラスのファーストともいえますかね。
 セーフコフィールドはかなりせまくなって、ヒッターズパークと化しているので単純比較は危険ですが。
 4月頃のアダム・リンドはかなり不調だったので、そのころに目の覚めるような活躍をできていればまた別だったのかもしれませんけど。

 ふたり合わせてこの成績であれば、どこにもプラトゥーンシステムをやめる必然性はありません。合理的な決定ですよ。
 シアトルマリナーズのゼネラルマネージャーはセイバーメトリシャンとして有名なジャック・ズレンシックですし。まあ、どちらかに怪我がなければこのままでしょう。

 で、「チームが最下位だからローテーション1-3番手を当てられるのが不調の原因だ」とされている韓国の50本男ことパク・ビュンホですが、案の定低空飛行で定着。規定打席を満たしているDHとしては最低の20打点。そして1位の68三振。
 なんらかの弱点があって、それを突かれて対応できていない。4月だけの選手でした、というオチになりそうですね。球団側にマイナーに落とすことができる権利があるはずなので、オールスター前後で終了かな……。

 1試合で負傷者リストに舞い戻ったチュ・シンスは今日復帰してホームランを打ったそうです。

この作者はマネーショートの作者でもあったのだな。
マネー・ボール〔完全版〕
マイケル ルイス
早川書房
2013-05-09