【社説】「経済再生」叫びながらも気に入らない財閥に圧力=韓国(中央日報)
【萬物相】「私はこんなことをするため大統領になったわけでは…」(朝鮮日報)
趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進(ハンジン)グループ会長が、政府の圧力で2018年平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック組織委員長職から退いたという報道に対し、「90%はそうだ」と認めた。「辞任の前に主務長官の金鍾徳(キム・ジョンドク)前文化体育観光部長官に会ったのは事実」とも話した。「崔順実(チェ・スンシル)氏が主導したミル財団に10億ウォン(約1億円)しか出さず、Kスポーツ財団には寄付を拒否したため、政界の実力者の憎まれて解任された」という疑惑が事実として表れたのだ。一部では「崔氏の関連会社にオリンピック施設関連の仕事を回せという要求に趙会長が反対したことも辞任圧力の理由になった」と指摘している。ちょうど韓進グループの系列会社の韓進海運はその後に債権団の支援が途切れ、法定管理(日本の会社更正法に相当)を申請した。 (中略)

あきれるしかない。政府が思いのままに企業を殺したり生かしたりするのは軍事政権や独裁政権で見られるものだ。いつも「経済再生」のために一致協力してほしいと訴えてきたのが朴槿恵政権だ。しかし裏では敵と味方を分け、気に入らない財閥トップの去就にまで触れて企業を揺さぶってきたという疑惑が強まっている。さらに大統領が7大グループのトップと単独面談をしたのはミル・Kスポーツ財団の募金のためではなかったのかという話も出ている。

企業恐喝と政経癒着は国家経済のために必ずなくさなければいけない積弊だ。非正常の極限状態でもある。検察の徹底的な捜査と企業の反省が必要だ。失墜した経済リーダーシップを復旧するための与野党の超党派的な対処も急がれる。
(引用ここまで・太字引用者)

 ……一体、いつから韓国の大統領が独裁政権でないと錯覚していた?
 いや、選挙プロセスこそ民主主義ですが、その実は独裁政権なのですよ。
 当選後は5年間、韓国国内で誰も逆らえないほどの絶対権力が与えられる。唯一、国会で2/3の議員が賛成すれば弾劾に持ち込めますが、それ以外はほぼ無敵モード。

 大統領の一言で経済政策の重点項目はいかようにも変えられる。
 やりたい放題なのですよ。イ・ミョンバクが就任したと同時に第2ロッテワールドに認可が下りたように。
 今回のミル財団、Kスポーツ財団も1日で認可が下りる。
 大統領の権威があればこそ。
 貧乏で苦学して高卒なのに弁護士資格を取ってから政治家になったという経歴を持っており、清廉であると思われていたノ・ムヒョンであってですらその軛から逃れることはできなかったのです。

 後半の朝鮮日報の記事は金泳三以降の大統領がすべて大統領になったことを後悔しているというもの。
 誰も彼もが利益供与で身内なり近しい友人なりが捕まっている。その様子を「帝王的大統領制」だからだと語っているのですが。
 こちらでも「韓国の大統領は独裁政権だ」という話になっています。

 ただし、権力が集中しているからということと、それが腐敗することはイコールではないのですけどね。
 全斗煥以降すべての大統領が腐敗しているっていうのは韓国独自の事情であって、清廉を保とうとするのであればできていたはずなのです。
 なにしろ、独裁政権なのですから。その大統領のやりたいように治世を行うことができる。
 超人的な意志がないかぎり韓国では「ウリの圧力」からは逃れられないということなのです。

世界の独裁者 現代最凶の20人 (幻冬舎新書)
六辻彰二
幻冬舎
2011/9/29