【社説】米利上げ、韓国経済悪夢の始まりか(朝鮮日報)
韓国、米国の金利引き上げを恐れる理由(中央日報)
 米国の中央銀行に相当する連邦準備理事会(FRB)は14日、政策金利の誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、0.50-0.75%とすることを決定した。また、来年の3回の追加利上げを示唆するなど、金融引き締めの姿勢を明確にした。低金利時代に供給した資金を回収しても経済が順調に推移すると判断したためだ。イエレンFRB議長は利上げについて、「米国経済に対する自信の表れだ」と述べた。経済に対する自信を失った韓国にとっては、まるで別の世の中の話だ。

 韓国経済は景気のてこ入れが必要な状況で米国発の利上げ圧力を受けることになった。景気回復には利下げを行い、資金供給を増やすことが必要だ。しかし、韓国だけ低金利を維持することはできない。米国をはじめ他国の金利が上昇すれば、外国の資金が高金利を目指し、韓国から流出する危険性が高まる。

 既に外国人の資金流出が始まっている。11月にソウル株式市場では外国人が1兆ウォン規模の売り越しを記録した。債券市場でも外国人が韓国債を売っている。米国の利上げが本格化すれば、資金流出のペースが速まり、金融市場の不安につながる懸念がある。景気浮揚と資金流出防止という2羽のウサギを追いながら、薄氷を踏まなければならない状況だ。

 その上、1300兆ウォンに上る家計債務がいつ爆発するかどうか分からない時限爆弾として存在する。「借金してでもマイホーム購入を」と促した不動産市場浮揚策の結果、家計債務は3年で30%に膨らんだ。今後貸出金利が0.25ポイント上昇しただけで債務者の利子負担が年間2兆ウォン以上増える。利子負担は返済能力が低い低所得層をまず直撃し、家計が揺らぐ可能性がある。これに住宅価格の下落が重なると、マイホーム購入者が返済不能に陥る最悪の事態も懸念される。
(引用ここまで)
しかし、韓国企業の評価によると今年6月基準で韓国内の12の都市銀行の家計貸し出し70.2%が変動金利でそれだけ韓国内の家計負債は金利上昇のリスクに脆弱な状況だ。韓国開発研究院(KDI)は家計所得が5%下落して、金利が1%上昇する衝撃が発生すれば、家計の平均元利金償還額が1140万ウォン(2015年基準)から1300万ウォンに14%増えると推算した。増えた負債は消費中心の韓国の内需景気を萎縮させるほかない。

また、不動産情報業者「不動産114」によると今月2日基準でソウルの高層住宅売買価格は約2年ぶりに下落傾向に転じた。最近、韓国国会予算政策処が住宅価格が20%落ちれば銀行券が最大28兆8000億ウォンの損失が出る可能性があると推定したため懸念は高まっている。
(引用ここまで)

 実はアメリカの利上げは韓国にとってトリプルパンチなのです。
 まず、最大の問題は家計負債に対して直接的に効いてくること。韓国では大半が元利分離で、かつ変動金利を選択しているとのこと。
 元利分離の割合は2015年の新規貸出で70-80%
 変動金利は記事によると70%ほどとのこと。
 多くが被っていると判断すべきでしょう。 記事中にも「金利が0.25%上がれば年間負担2兆ウォンの利子負担増となる」とあります。
 単純に支払額が増えるのは間違いない。しかも、負担が増えても元本は減らない。これが最初の影響。

 そして、利上げはそのまま不動産市場を直撃することになります。
 現状で韓国の経済成長の半分以上を担っている不動産販売、建設業を弱めることになるのですよね。
 中央日報にはソウルの住宅価格が2年ぶりに下落傾向になったとあります。
 この2年、つまりパク政権が不動産バブルを誘導しだしてから……ですね。

 そして最後にいわゆるゾンビ企業にも問題は波及すると思われます。
 不思議なのは、記事にゾンビ企業に関する言及がまったくないところ。
 韓国でいうところのゾンビ企業というのは「事業によって出た利益で、借入金の金利すら払えない」企業のことをいうのですが。その状況が3年間続いている、も条件だったかな。
 金利が上昇すれば、このゾンビ企業がまた一層増えるのも当然のこと。

 これまで「史上最低の低金利」によってごまかせていた部分が、ついに白日の下にさらされるというわけです。
 かといって、追随利上げしなければ外資が利率の高い(そして確実な)ドルに向かうのは間違いないわけで。
 詰んでるなー。
 あ、それでもアメリカの利上げでウォン安になって貿易にはいいんじゃないですかね?(棒読み)

ついに来るべきものが来たってとこ。想定よりは半年遅れくらいですかね。
世界がおびえる中国と利上げ (週刊エコノミストebooks)
週刊エコノミスト編集部
毎日新聞出版
2015/11/6