皮肉ると非国民扱い それが韓国型「ロウソク民主主義」だ (産経新聞)
 最近の朴槿恵(パク・クネ)大統領退陣要求の集会やデモで興味深い経験をした。

 何しろ街頭での大群衆だから、渦中にいるとよく人にぶつかる。ところが日頃学生街ではぶつかってもろくに反応しない若者たちが身を引いてよけ、ぶつかると頭を下げる。これは何なんだ? 韓国人がよくいう「ウリ(われわれ)」という仲間意識からか。

 また、集会やデモが終わるとみんなでゴミを集め、街をきれいにする。このパフォーマンスは2002年のサッカーW杯時の愛国大キャンペーンだった「100万人街頭応援」に由来するが、こうしたある種の“よそ行き”スタイルは日常的にぜひ定着してほしいと思う。

 今回の秩序正しい「100万人ロウソクデモ」をマスコミや識者は「広場民主主義」「ロウソク民主主義」「市民革命」などと呼び、「韓国人の成熟した民主主義であり、素晴らしい市民精神の発露だ」と自画自賛している。

 その現場である都心の光化門広場には、セウォル号沈没事故真相追及を叫ぶ反政府団体のテント村ができている。広場の裏通りの日本大使館前には、これまた無許可の慰安婦記念像が設置され、不法な集会やデモが常時行われている。

 セウォル号問題では責任のある関係者はすでに裁判で有罪になり、犠牲者補償も終わっているのに、まだ真相究明という。ひたすら朴大統領を非難するためだ。もう2年以上、韓国の表玄関であるあの広場に勝手に十数個のテントを張って座り込んでいるのだ。

 セウォル号問題は国内問題だから好きにやってもらってもいいが、日本大使館前での行為は国際問題だ。慰安婦像は外国公館に対する非礼、侮辱であり、国際法違反である。ああいう非常識はほかの国にはない。

 韓国ではこれまで、国際的常識にはずれていることでも相手が日本というと黙認されてきた。日本相手なら何をやってもいいという日本への「甘え」あるいは「反日無罪」の心理だが、そのことを韓国社会がおかしいと感じない限り、「成熟した民主主義」も「素晴らしい市民精神」も反政府運動のための“よそ行き”にすぎないだろう。

 以前、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が記者会見した際、「秩序ある国際都市ソウルを目指し、日本大使館前や光化門広場の不法施設を整理してはどうか?」と質問した。答えは「人びとが自分の意見や立場を自由に表現できる都市にしたい」で、法秩序には無関心だった。

 この朴市長も野党陣営の次期大統領候補の一人で「100万人ロウソクデモ」をしきりにたたえている。今、韓国ではロウソクデモを批判したり皮肉ったりすると非国民扱いされる。それが韓国型「ロウソク民主主義」である。(ソウル・黒田勝弘)
(引用ここまで)

 ウリ同士であればぶつかっても会釈する。
 そうでなければ塩対応。
 とりあえずパク・クネを下野させるという目標を共通項目として持っていたので、ろうそくデモ参加者同士を大きなくくりでウリ認定していたということなのでしょう。

 そして、ろうそくデモによって「市民革命」を成し遂げて、それに異を唱える者は「非国民」扱い。
 実際、「君たちがこうしてデモに参加している間にも働いている人がいるのだ」と言っただけで不買運動まで起きています
 絶対不可侵の聖域と化したのですよ。
 セウォル号の遺族会も、慰安婦関連項目も同様に。
 もともとは慰安婦に関して特別扱いを許したことからはじまっていると思うのですけどね。

 「あれが特別であるというのなら、これが特別ではない理由はないだろう」となってしまう。
 だから、法治による秩序というものは大事なのですが、韓国ではそれが徹底されなかった。財閥の会長であれば罪を犯しても特赦、大統領の側近や親類であっても同様。
 4兆円以上を海外に持ち逃げしても放置。
 帰国して逮捕されて有罪であったにも関わらず1兆円以上の追徴金を払わない。それでも特赦
 サムスンの会長に至っては「犯罪を犯した事実そのもの」が抹消される特別扱い

 そんなことをやり続けてきたのだから、そりゃ国民のすべてが特別扱いされる機会を狙うに決まってます。
 それが今回のろうそくデモの正体であるとも言えると思います。
 待ちに待った「特別扱い」の日が一般国民の下にもやってきたのですよ。
 でも、実際には特別扱いに伴う利点はなにもなく、そのあたりからこの「名誉革命」とやらは破綻すると予想しています。

韓国大統領列伝 権力者の栄華と転落 (中公新書)
池東旭
中央公論新社
2002/7/25