【社説】韓国を軽視・無視、日本と中国の異常な動き(朝鮮日報)
1月の韓国機増便認めず、中国がTHAAD配備に揺さぶり(朝鮮日報)
 韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)が締結されてから1カ月が過ぎた。北朝鮮の核の脅威に対処するのに必要な情報を得られることから、韓国政府は国内の激しい反発を抑えてこの協定を締結した。しかしこの協定は日本が隣国を侵略し、数百万人の命を奪った過去と絶縁した国になったという仮定の上に成り立つものだ。そのような前提を日本側も知らないはずはない。ところが今回、防衛相が靖国神社参拝を強行した。このように最近、日本では韓国を軽視、あるいは無視する態度がたびたび見られるようになった。韓国が感情的な対応から抜け出せないからだろうか。

 このような状況で韓国の民間団体が釜山の日本領事館前に慰安婦少女像を設置した。釜山市東区庁は28日、今回の少女像の設置が許可なく行われたことから、当初はこれを撤去した。しかし文在寅(ムン・ジェイン)前共に民主党代表が東区庁を「親日」と非難し「釜山市民による少女像の設置は真の独立宣言だ」などと反発したため、設置を阻止しないことにした。法律に沿って対応した東区庁長は「謝罪する」と発言した。韓日関係が今後非常に厳しい状況になる徴候がここでも表面化し始めたようだ。

 これとは別に、中国外交部(省に相当)の陳海・アジア局副局長が26日に韓国を訪れ、政界や経済界の関係者と接触していたことが29日までにわかった。陳海氏は中国外交部で米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題を担当する人物だ。大統領選を前に韓国国内でTHAAD配備反対の世論を高めるのがねらいだろうか。一国の外交官が他国に一方的にやって来て、その国の外交当局と接触もせず勝手に行動するとなれば、これはその国と外交関係があると言えるだろうか。

 日本と中国によるこれら一連の動きは、直接的には韓国の国政マヒによってもたらされたものだが、より大きな観点からみれば、これまでの対中、対日外交の失敗を示すものとも言えるだろう。中国と日本の異常な動きはこれから起こる出来事の何らかの前兆と考えるべきではないだろうか。
(引用ここまで)
 チャーター機運航は通常1カ月単位で申請するもので、運航の前月20日ごろに各航空会社が中国民航局に申請して許可を得る。中国民航局が不許可の方針を知らせてきたのは今月28日夜のことだった。翌29日に航空各社がそれぞれ国土交通部に報告したことで多数の不許可が明らかになった。 (中略)

 この期間は、中国外務省でTHAAD問題を担当する陳海アジア局副局長が、韓国政府が思いとどまるよう伝えたのにもかかわらず一方的に訪韓し、韓国国内の政財界関係者に接触した時期と重なる。26日から30日までだった陳海副局長の訪韓は、THAAD反対世論を高めるのが目的だったと見られている。中国政府がチャーター機運航を不許可にすることで、陳海副局長の訪韓効果を最大限引き出し、「THAAD配備が続く限り報復する」と警告しているのだ。
(引用ここまで)

 釜山の慰安婦像とその設置の経緯に関してはもう何度も書いているので割愛。
 ちょっと面白かったのは、中国外交部から副局長がやってきてTHAADミサイル配備に関して野党側国会議員や経済界と接触していたという話。
 もはや韓国政府を交渉相手としては見ていない、ということですね。

 ついでに中国政府から「春節(旧正月)の韓国向けチャーター機は申請却下」というアシストも得て、THAADミサイル配備……というか、Xバンドレーダーの配備をなんとしてもやめさせるという不退転の決意が見て取れます。
 その交渉相手は現在の政府ではなく、次期政権である野党であったり、経済界であったりするわけですね。
 実務的だなぁ……。

 韓国からは幾度となく「韓中関係はビジネスパートナーであって、安保政策に対して中国からの一方的な制裁などありえない」という話が出ていましたね。でも、いわゆる韓流制限、そして韓国への渡航制限。そして稼ぎ時の春節でチャーター機の運行不許可。
 韓国側からは「大国である中国がこんな制裁をするなんて!」っていう恨み節が出ていましたが、これこそが中国のやりかたそのものですわ。

 実際にはTHAAD配備だけではなくて、一度自分の陣営にきた国が裏切ってブルーチームに戻ることについての制裁も含まれています。
 恭順には報酬を与えるのが冊封制度ですが、裏切りにもそれなりの対価がついて回るということでしょう。
 一度は天安門でスリーショットを撮らせるくらいの高い席次を与えたにもかかわらず、THAADミサイル配備を決定した。 
 これを許してしまっては他の国に面子が立たないし、同じように冊封体制から離脱する国も出かねない。 

 「うちらを裏切ったらこうなるんやでー」 という見せしめにちょうどよかったということでしょう。

習近平はいったい何を考えているのか 新・中国の大問題 (PHP新書)
丹羽 宇一郎
PHP研究所
2016/10/14