韓国の家計負債が過去最高…悪性の借金が急増(中央日報)
「総規模と増加速度、質的側面で、どれも『赤信号』が灯り始めている」〔韓国開発研究院(KDI)の宋仁豪(ソン・インホ)研究委員〕

昨年末の家計負債総額が1344兆3000億ウォン(約133兆7600億円)と集計されたことを受けて上がっている懸念の声だ。昨年2月に政府が首都圏を中心に融資を強化する与信審査ガイドラインを施行したが、家計負債の増加を封じることはできなかった。

21日、韓国銀行によると、昨年の家計負債は141兆2000億ウォン増となり、昨年10−12月期だけで47兆7000億ウォン増えた。規模や年間・分期別の増加額どれをとっても過去最高だ。

昨年10−12月期だけを見ると、与信審査ガイドライン規制が銀行圏だけに適用されたことから、保険・相互金融など第2金融圏の融資が増える「風船効果」が現れた。銀行圏の家計融資増加幅は昨年7−9月期17兆2000億ウォンから10−12月期13兆5000億ウォンへと勢いが失速した。半面、保険会社や相互貯蓄銀行など第2金融圏と貸付業者の融資増加額は同じ期間19兆8000億ウォンから29兆4000億ウォンへと大幅に増えた。相対的に金利が高い第2金融圏の融資が増えたということは、それだけ借金の質が悪くなったという意味だ。金利が本格的に上がればこれに耐えられなくなる家計が増える。韓国金融研究院家計負債研究センターのイム・ジン院長は「元金を毎月分割償還する家計の負担が高まり、家計の消費が手控えられるようになる」としながら「特に、低所得・脆弱階層が償還延滞に陥るなど困難にぶつかる可能性がある」と述べた。

家計負債が増える速度も問題だ。家計借金増加率は2014年6.5%、2015年10.9%から昨年には11.7%へと加速している。金融委員会の都圭常(ト・ギュサン)金融政策局長は、21日の記者会見で「内部的に見ていた数字より増えた」と話した。予想に反して家計負債が急増したということだ。これを受けて金融当局は21日、「第2金融圏の家計融資懇談会」を緊急招集し、第2金融圏を密着点検することにした。金融監督院は上半期中に70カ所の相互金融組合に対する特別点検を実施する。家計融資規模が大きく増えた保険会社も点検対象に入れた。第2金融圏に向けた警告も忘れなかった。鄭恩甫(チョン・ウンボ)金融委副委員長は「第2金融圏の行き過ぎた家計融資拡張により、銀行圏から非銀行圏へとリスクが転移するおそれがある」とし「過去のクレジットカード問題の経験から、第2金融圏は拡張よりもリスク管理に努力しなければならない時」とけん制した。

ただし、金融当局は市場金利の上昇と融資規制強化によって、ことし家計負債の増加は一段落するものと見ている。増加率を一桁台で管理するという目標も立てた。都局長は「先月、銀行圏の家計融資増加額が0となり、すでに安定局面に転じた」とし「第2金融圏も来月から与信審査ガイドラインを本格施行すれば融資増加に歯止めをかけることができると判断する」と話した。(中略)

しかし、すでに積まれている1344兆3000億ウォンの家計負債によるリスクは無視できない。国民一人当たりが背負っている借金は2600万ウォンに達する。金融当局の希望通り、ことし家計負債の増加がおさえられるかも不透明だ。(中略)

家計負債の増加と景気鈍化への対応を政府がためらっているうちに、さらなる大波が押し寄せてくるという警告も出てくる。国会予算政策処の黄鍾律(ファン・ジョンニュル)経済分析官は「米国の利上げのような対外条件の変化による苛酷な借金調整過程を避けることはできない」としながら「内需沈滞現象が持続し、日本式長期不況に陥らないように対応策を用意しなければならない」と提案した。現代経済研究院のチョ・ギュリム研究委員は「まだ余力のある政府が財政を動員して家計・企業の心理を盛り上げていくべきだ」と述べた。
(引用ここまで)

 景気浮揚を目的として韓国中央銀行の政策金利が史上最高の(最低の?)低金利となったために、韓国では近年にない不動産投資ブームが訪れました。
 韓国では投資といえば不動産なのです。
 韓国政府も不動産投資規制を緩和してその波に乗ったのですよね。
 不動産は材料から建設から売買まであって、緩和の効果が大きいのが特徴です。
 この場合は緩和による景気浮揚というよりも実際には需要の先取りに過ぎなかったのですが。
 その結果、去年の第2四半期および第3四半期は経済成長率のほとんどが建設・不動産関連になるほどの過熱ぶりとなったのです。

 しかし、その加熱度合いが尋常じゃないということで、韓国政府は去年から都市銀行などの第一金融圏からの貸し出しを制限しました。
 なにしろ経済成長率が2.7%なのに、家計負債の増加率は11.7%。制限せざるを得ない状況です。
 その制限された分がそのまま第二金融圏に移動したという感じでしょうか。
 第一金融圏は比較的利息が低く、日本でいうところの消費者金融のような第二金融圏は利息が高いという特徴があります。
 つまり、金利負担が大きく上昇しているわけですね。

 よく「日本政府の借金である国債は日本国民ひとりあたり○○万円!」とかいう煽りがありますが、あれは別に日本国民が背負っている借金ではないのですよね。
 でも、家計負債はまんま韓国人が背負っている借金なのです。
 武藤元駐韓大使が語ってた「この国の格差がすごい(のでこの国には生まれなくてよかった)」って姿がなおのこと強調されつつある、ということです。

 で、対策として「第二金融圏に対しても規制をかける」としているのですが……。
 そうしたらさらに金利の高い第三金融圏に向かうだけだと思うのですけどね。

 今年はアメリカの利上げが予想されています。それに伴うキャピタルフライトに耐えて低金利を続けるのか、それとも金利を上げて「不動産爆弾」の導火線を最短のものにするのか。
 どっちにしても向かう先は地獄なわけですが。

中国の景気減速リスクもあるんだよなぁ……。
中国不要論(小学館新書)
三橋貴明
小学館
2017/2/6