[社説] 少女像撤去圧迫に言いなりになる情けない韓国外交部(ハンギョレ)
 日本政府が日本軍「慰安婦」被害者を記念する少女像を撤去しろと全方向的な圧迫を加えている。そのやり方も行き過ぎるほどに高圧的で傍若無人だ。日本の圧迫に対抗して国益を守るべき韓国の外交部はどういうわけかまともに一言も言えず低姿勢で一貫している。いったいどこの国の外交部なのか分からない。(中略)

 こうした居直りは、韓国政府が自ら招来した面が大きいという点を指摘せざるをえない。韓国の外交部は14日にも、釜山市などに公文を送り釜山の日本領事館前の少女像移転を求めた。昨年12月以後すでに3回目だ。さらに外交部は、ソウルの日本大使館前に設置された少女像も移転すべきだという公式立場を出した。それでも日本政府は少女像移転の要求だけでは不充分だとし、当分は駐韓日本大使を帰任させないと脅している。日本にどれくらい弱点を掴まれれば日本政府はこれほどまで居丈高になり、韓国外交部はこれほどまでに屈辱的な姿を見せるのか、あきれるほどだ。韓国の外交部は日本政府の韓国出張所かという抗議が出るほどでもある。

 加害者と被害者の関係がひっくり返ったように、日本が道徳的優位に立って韓国政府を圧迫するのは、2015年の「12・28慰安婦問題合意」のためだ。日本から10億円を受け取り「慰安婦問題」を終わらせるという裏面合意をしたのでなければ、韓国政府が日本の総攻勢にまともに一言も反論できずに言いなりになる理由がない。外交部は今からでも12・28合意の正確な真相を明らかにし、誤りを率直に認めることを望む。こうした屈辱外交を限りなく継続することはできない。
(引用ここまで)

 この「攻守逆転の構図」に韓国はメディア、国民ともに怒りが止まらないといった様相です。
 彼らの中では「道徳性において上回っており、すべての面で上下関係が決した韓日関係」なのに、いつの間にか攻守が逆転しており、外交で攻められている。
 この構図がどうしても我慢できない様子です。

 日本側は慰安婦合意において「慰安婦問題を『最終的、かつ不可逆的に』解決した」という外交カードを持ち得るようになったわけです。
 これこそが楽韓さんが慰安婦合意を肯定した理由でもあるのですが。
 それまで日本側に外交カードはこれといって持っていなかった。その一方で韓国側は「河野談話がー」「吉田清治がー」「国連人権委がー」と言いたい放題だったのですよ。
 それだけでなく、アメリカに対して対中接近の言い訳にすら使われていました。
 いわく「米韓日で協力したいのはやまやまだが、日本は歴史認識を正そうとしていないからできないのだ」と。

 そんなものがお為ごかしであるのはアメリカも認識していました。シャーマン発言なんかはその最たるものですね。
 しかし、そうしてカードとして使われることに変わりはなく、アメリカの対中外交政策という意味で枷になっていたのもまた間違いないところ。
 そこで日米合同の……というか、半ば以上アメリカに強いられる形で慰安婦合意をまとめられることになった、というのが真相でしょう。
 日韓外相による慰安婦合意の発表直後にアメリカから歓迎のコメントが出たことがそれを端的に現しています。

 ただ、日本側は合意を形成する過程でうまくカードとして使えるように合意案を持ちこんでいる。日本側の義務を最低限に、かつ韓国側の義務を最大限にした。
 そして思っていた以上にカードをうまく使っている。
 当初から合意違反があればアクションを起こそうということは決まっていたのでしょうね。
 正直、想定していた以上の効果があると感じています。

 韓国側も完全に絡みとられたというように認識しているからこそ、「再交渉だ」だの「一方的破棄だ」だの大統領選挙の争点として扱われているのでしょう。
 ただ、アメリカを巻きこむ形で作られた合意をそう扱えるのか、そうして扱うことでなにが起こるのかまで理解しているのかはちょっと不明です。
 ただ単に韓国国民から反対の声が上がっているから、そしてパク・クネ政権下での出来事なので反対しているというだけなのでしょう。

 ちなみに室谷氏が最新刊の崩韓論の中で「実際に大統領になればまともな外交方針に転じるだろうと思う向きもあるだろうが、その見通しは甘い」と書かれていますが、うちもまったくその通りだと思います。正常性バイアスなのですよね。
 トランプが選挙中と現在で変わったかどうか見ていれば理解できそうなものですけどね。

崩韓論
室谷克美
飛鳥新社
2017/2/8