「市街戦が始まる」と悲鳴をあげた韓国紙(日経ビジネスオンライン)

 いつもの鈴置氏のコラム。
 いま、そして今後数ヶ月の韓国でもっとも恐れられているのは、左派と右派の本格的な激突。
 一応、警察の努力もあって31節の光化門広場でも大きな衝突はなかったとのこと。小競り合いはあったようですけどね。

国政介入:弾劾賛成派・反対派が入り乱れ大混乱のソウル(朝鮮日報)
 1919年3月1日に起こった日本からの独立運動「三・一運動」98周年を迎えた1日午後2時、ソウル・光化門広場に車両で巨大な「コ」の字型の壁が築かれた。警察はバス610台を動員、ソウルを象徴する光化門広場を取り囲んだ。この車の壁の外側では朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾に反対する団体の「太極旗デモ」が同時多発的に行われた。その一方で、車の壁の内側にある光化門広場では朴大統領弾劾・逮捕を求める「ろうそくデモ」が開催された。

 警察車両の壁を挟んで双方は真っ向から対立した。壁の外側の弾劾反対派が「特別検察官を逮捕しろ」と叫ぶと、壁の内側の弾劾賛成派側は「朴大統領をまず逮捕しろ」と反論した。 (中略)

 同日、「大統領弾劾棄却のための国民総決起運動本部」(以下、国民総決起運動本部)が主催した第15回太極旗デモには、過去最大の人数が参加した。国民総決起運動本部は「500万人来た」と主張した。このデモが行われた世宗大路交差点だけでなく、世宗文化会館前、ソウル市庁前のソウル広場・清渓川広場・世宗路公園など光化門一帯に合計62基の大型スクリーンが設置された。「朴槿恵政権退陣非常国民行動」(以下、退陣行動)が光化門広場で開いた第18回ろうそくデモには30万人が参加したと主催者側では主張している。
(引用ここまで)

 下の画像は韓国版朝鮮日報サイトから。

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 今回用いられた警察バスは610台。もう、そこまでしないと左右激突を防止できないのですね。
 31節だからこそここまで盛り上がり(太極旗デモ側いわく「500万人が参加」だそうです)、これが最高潮で終わるのか。
 10日、もしくは13日に言い渡される憲法裁判所からの判決で弾劾が成立したらどうなるのか。
 あるいはそこから60日以内に行われると規定されている大統領選挙でムン・ジェインが勝利したらどうなるのか。
 予断を許さない状況になっているのですよ。

 そして、「内戦」には至らなかったとしても、遅くとも大統領選挙の結果が出た時点で韓国社会は完全に分断されます。
 勝者であるムン・ジェインとろうそくデモの左派、そして敗者である保守派政治家と太極旗デモの右派。
 韓国社会で上下関係が形作られると、それは当分の間継続して覆しがたいものとなるのです。
 
 韓国で勝者は勝者としての蜜を啜り、敗者を虐げるものなのです。
 そうでなくては勝者のアイデンティティーが保てないのです。でも、今回の「ろうそくデモの側」は本当に勝者になれるのか、という疑問もありますけどね。土の匙をくわえて生まれてきた側に人生の転機は生まれるのか、という話なのですが。……まあ、これはあとで語りましょうか。

 ですが、保守派が敗者となるのは間違いありません。
 前述したように上下関係は決定し、少なくとも5年間は継続する。もはや残された手段は「上下関係そのものを破壊する」しかないのですよ。
 鈴置氏がコラムで語っている「クーデター」はそういう情勢の中であれば否定できない選択肢なのですね。

 保守革新の両者が融和して新たな韓国社会を作り上げる可能性?
 まあ……可能性としてはゼロではないですが……。
 いますぐ核融合炉が実用化されて全世界にエネルギー供給がはじまるのと同じくらいの可能性はありますかね(わかりにくい表現)。 

 もうひとつ、この話題でエントリを続けましょうか。

21世紀の不平等
アンソニー・B・アトキンソン
東洋経済新報社
2015/12/11