【社説】朴大統領弾劾審判の日、韓国国民全てが自重と自制を(朝鮮日報)
 朴槿恵(パク・クンヘ)大統領弾劾審判の結果が10日午前11時に宣告されることが決まった。憲法裁判所の8人の裁判官が8日に評議を開いて決定した。昨年12月9日に国会で弾劾訴追案が議決されてから、準備の手続きを含む20回の審理を経てついに結果が言い渡される。このニュースが伝えられると、弾劾に賛成するキャンドル集会と反対する太極旗集会の両陣営はいずれも憲法裁判所周辺で大規模集会を開くと表明した。とりわけ太極旗側は総動員を呼び掛けており、8日から11日まで4日連続で集会を行うという。これに対してキャンドル側も宣告前日の9日に光化門、当日の10日は憲法裁判所前で集会を開くとしている。これまで両陣営の集会は光化門広場とソウル広場に別れて行われていたが、憲法裁判所周辺は双方の間隔を確保する空間は不十分だ。

 宣告前日となる今日も一瞬たりとも警戒を怠ることはできないが、宣告後の方がむしろ大きな問題になりそうだ。最近の世論調査によると、回答者の44%が「自分の意向に反する判決が出た場合は承服しない」と答えている。すでにキャンドル側は「弾劾が棄却されれば革命」、太極旗側は「弾劾が成立すればアスファルトに血が流れる」と表明しており、またパクサモ(朴槿恵大統領を愛する会)の会長はネットに「自分は十分に生きた」と書き込み、死ぬ覚悟ができているかのように伝えている。非常に危険な状況だ。(中略)

結果を承服しないということはすなわち法治を崩壊させ、この国を無政府状態にするということだ。これは絶対に容認できない。 (中略)

朴大統領はもちろん、与野党の大統領候補者たちもまずは全員が憲法裁判所の決定に承服することを表明し、支持者たちにも承服を呼び掛けてほしい。宣告の日時が決まってから集会を開いて支持者を刺激するような政治家がいれば、彼は国のためにならない政治家として非難されなければならない。
(引用ここまで・太字引用者)

 このエントリにピックアップしたのは朝鮮日報の日本語版だけですが、韓国メディアの多くは似たような危惧を抱いています。
 先月にはパク・クネに対して収賄があったと発表したパク・ヨンス特別検察官に対して、自宅が掲示板でさらされていて「野球のバットを持って集合!」という「野球バットデモ」がありました。
 「ろうそくデモ」の一部は、最近になって集会中に松明を掲げています。
 言ってみれば「大分断」が起きようとしているのですね。
 憲法裁判所前はどのような判決が出ようとも、混沌の渦に巻きこまれることでしょう。

 今回の判決について憲法裁判所は8人の判事全員が、どのような理由で弾劾に対して賛成したのか、もしくは反対したのかを述べるという方式になっています。
 さらにテレビカメラが入って生中継するのだそうですよ。もちろん、インターネットでも生放送あり。
 韓国の放送局は朝から特別編成でスペシャル番組を放映するとのこと。

 つまり、全国民に対して「私はなぜこの判決に賛成(反対)したのか」を述べなければならないというプレッシャーの中で判決言い渡しが行われるという。学級会での突き上げみたいですね……。
 これで弾劾成立させなかったら個別に狩られること間違いなしですわ。
 ちなみに韓国ギャロップによる世論調査では弾劾賛成が77%、反対は18%。

“朴槿恵弾劾賛成”は77%…“反対”は18%(ハンギョレ)

 この圧倒的な民意の中、いわば国民情緒法によって結論がすでに定められている中、憲法裁判所がそれに逆らうような判決を出せるのか。
 とても無理だと思います。

 光化門広場でムン・ジェインは高らかに勝利宣言をするでしょう。
 そこから500メートル離れたソウル市庁前広場でパクサモは怨嗟の声を挙げるでしょう。
 ここから最低でも5年間、そして長ければ13年間の保守派弾圧の時間となるのです。
 13年というのはムン・ジェイン政権下で憲法改正されて大統領任期が4年になり、2期までできるであろうという予想に基づきます。

 そして韓国には「大分断」が訪れるのです。東韓国・西韓国は冗談にしても、意識的にはそれと同レベルの分断が起きるでしょうね。
 持つものと持たざるもの。
 高齢層と青年層。
 左派と右派。
 地域対立も強くなるのかなー。

 いいことなんてなにもなさそうに見えますが、それでも「敵」を叩かなくてはいられない韓国人の習性からこうなってしまうでしょうね。

終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ (集英社新書)
木村元彦
集英社
2005/6/22