【社説】文在寅氏が「ノー」と言うべきこと、言うべきでないこと(朝鮮日報)
 大韓民国の大統領が強い態度で「ノー」と言うべき問題が幾つかある。それは北朝鮮による核とミサイルによる挑発、北朝鮮に住む同胞への人権弾圧、国連による対北朝鮮制裁に違反する行為などだ。これらは絶対に容認できるものではない。さらにわれわれの主権を無視しTHAAD(米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル」)配備の取りやめを求める中国の干渉にも「ノー」と言うべきであり、日本の歴史問題、独島(竹島)領有権問題も見過ごすことはできない。さらに米国による不合理かつ行き過ぎた通商圧力にもノーと言うべきだ。

 一方ですでに韓米間の合意を経て配備され、稼働に向けた最終段階に入ったTHAAD、そして「最終かつ不可逆」として国家間で合意し署名した韓日慰安婦合意については話は別だ。これらを今から「ノー」と言って拒否すれば同盟国との葛藤を引き起こし、国際的な信用を失墜させてしまうため、大韓民国の国益という観点からも深刻なマイナスとなってしまう。われわれはかつての盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権内部が「対米自主派」と「韓米同盟派」に別れて対立し、米国との関係をいたずらに悪化させたことを思い起こさねばならない。文氏は「当選すれば直ちに開城工業団地と金剛山観光を再開する」と明言している。これらは国連による制裁に違反するのはもちろん、北朝鮮・朝鮮労働党の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の息を吹き返させ、米国とも深刻かつ無用な対立を引き起こすだろう。この状況を最も喜ぶのは他でもない、金正恩氏だ。

 ところが文氏はこの指摘に対しては一言も説明しようとしない。国民の多くは文氏が米国に「ノー」と言うべきでないことに「ノー」と言い、北朝鮮と中国には逆に「ノー」と言うべきことに「ノー」と言えないのではないかと今から心配しているのだ。
(引用ここまで)

 昨日のエントリで「弾劾で勝利した気分になっているのはいいけど、そのあとはどうするのよ」と書きましたが。
 その後の韓国はこんな感じの国になるという輪郭が、ムン・ジェインの発言から見えてくるのではないでしょうかね。
 というわけで、これまで明らかになっているムン・ジェインの公約を見ていきましょうか。
 まだ大統領選への出馬宣言をしていないので公約でもないのですが、まあこれまでの発言をなぞるという意味で。

慰安婦合意  再交渉
THAAD配備   次政権が合理的に判断
日韓GSOMIA  破棄
最初の訪問国 北朝鮮
開城工業団地 再開
金剛山観光  再開
公務員雇用  81万人(131万人)増
徴兵期間   18ヶ月へ短縮

 「ザ・ヒダリ」って感じの公約しか並んでいませんね。
 公務員雇用は公共部門で81万人、それ以外で50万人増やすということで最大131万人増なのだそうですよ。
 その他にも発言を聞いていると、「財閥を懲らしめる」「中小企業を育成する」といった声が聞こえてきます。大企業偏重の韓国経済の構造を変更しようという意思を持っているのは間違いないですね。
 それがうまくいくかどうかは別にして、その構造改革の中途では相当な数の犠牲者が生まれるのではないでしょうか。
 韓国が迎えるはずの「ろうそくに照らされた輝かしい未来」はこんなものになる可能性が高い、ということですね。

 なにしろあのノ・ムヒョンの系譜を継ぐ人物なのです。
 大統領に就任したらまともな政策を打ち出すだろうなどという期待はしないほうがいいですね。
 室谷克実氏は先日、「ムン・ジェイン政権による対馬侵攻すらありえる」と書いていました。
 実際にそこまでするかどうかはともかく、「ノ・ムヒョンの系譜を継ぐ」というのはそういう政策を執る可能性のある人物であり得るということなのですよ。

「ムン・ジェインが反日に走れない理由」は正常性バイアスだと思うなぁ……。
週刊ニューズウィーク日本版「特集:北朝鮮 新次元の脅威」〈2017年3/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/3/14