ここ10年の韓国人の「生活の質」向上、GDP成長の半分にも及ばず(ハンギョレ)
 国民の生活の質を数値で表現した統計が15日、初めて公開された。2006年以降10年間、韓国社会の経済的富(GDP)は28.6%増加したが、生活の質の総合指数は11.8%増に止まった。何のための経済発展なのか振り返らなければならないというシグナルと受け止められている。

 統計庁が15日に初めて公開した国民の生活の質の総合指数は、2015年に111.8を記録し、基準年である2006年(100)より11.8%増えたことが分かった。同期間1人当たりの国内総生産(GDP)が28.6%増加したことに比べ、半分にも満たない幅の上昇だ。統計研究院政策指標研究室のチェ・バウル室長は「2000年代に入り、経済成長が続いても主観的なウェル・ビーイング(well-being)がそれに伴わないという認識が生まれ、量的成長から脱しようという議論が国内外で続いた」とし、「韓国人と韓国社会に焦点を合わせた関連指標を生産するようになった」と説明した。国民の生活の質の総合指数は、教育、安全、所得・消費、市民参加、住居、雇用・賃金、家族・共同体など12領域の80の指標を合算して作成された。統計庁は、国内総生産中心の量的経済指標の限界を克服し、質的な社会発展を測定するため、2009年から「韓国生活の質学会」と共同で指数の開発を研究してきた。

 領域別では、家族・共同体と雇用賃金、住居部門で生活の質の向上がゆるやかであることが分かった。雇用賃金領域の生活の質の指標は103.2を記録し、総合指数(111.8)を大幅に下回った。また、住居領域指標は105.2、健康は107.2を記録した。特に家族共同体領域の生活の質の指標は2005年より1.4%減少した98.6を記録した。この10年間の生活の質が最も急速に改善された領域は、教育(123.9)、安全(122.2)などだった。 (中略)

 しかし、指数の体感度に対する論争は当分続くものと思われる。「ヘル朝鮮」という用語から見られるように、国民の生活の質の体感度はもう落ちるだけ落ちた状況だ。勢いに乗っている各種の生活の質の指標について、疑問が提起されざるを得ないということだ。キム教授は「総合指数は客観指標と主観指標を混合して抽出したもの」とし、「総合指数の体感満足度を高めるため、主観指標に加重値を付与するなどの補正作業が当分続くしかないだろう」と話した。
(引用ここまで)

 この「生活の質総合指数」という指標自体が韓国政府によって作成されている指数なので、恣意的な部分が少なからずあるとは思いますが。
 それでも韓国人にとって統計で出されている経済成長率ほどに生活が楽になっていないというのは実際のところでしょう。

 子供ひとりを成人にするまで私教育費(塾や習い事の費用)が異常で、可処分所得を引き下げているほど。
 いや、もちろん教育費は可処分所得から出されているのですが、どこもかしこも塾通いをさせているので、実質的な可処分所得が低くならざるをえないのです。
 なにしろ子供の数は年に3%以上減少しているのに、私教育費はわずかながらも増加しているとかいう状況なのですよ。
 あまりにも多くの子供が塾通いしているので、交通事故死数が圧倒的に少ないなんて統計もありましたね。

 そして高齢者福祉はバッカスおばさんを生産し、高齢層の自殺率世界1位を誇る状況。
 儒教をバックボーンにしているので老人に優しい国であると自慢するほどなのにね。
 「漢江の奇跡」を起こして、世界最貧国から「世界10位圏内の経済大国」になったはずなのに、行き詰まり感がすごい。
 所得上位層だけはぬくぬくと財産を増やし続けてきたというのが実際で、社会全体が豊かになったのかと問われたら確実に違うと答えられるのが韓国の実情でしょう。
 なにしろすでに格差はアメリカ並みですからね……。

 ま、次期政権ではその所得上位層を狙い撃ちにするような政策がばんばん打たれることになるのでしょう。
 そして全体が縮小していくという様を見ることになると思いますよ。
 がんばれ、ムン・ジェイン。社会格差がなくなるその日まで!

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2016/8/2