【取材後談話】「ポートマック川沿いのソメイヨシノも済州島産」(週刊朝鮮・朝鮮語)
数百種の桜の中でも最高挙げられるのは、王桜です。ソメイヨシノを置いて韓国と日本は100年以上の起源の戦争を繰り広げています。 (中略)

週間朝鮮2442号にソメイヨシノと蜜柑の父であるエミール・タケ神父の話を紹介しました。

記事が出た後、ソメイヨシノの専門家であるチョン・ウンジュ江原大教授からの「記事に問題がある」との連絡を受けました。日本は桜を政治外交的に活用してきました。1912年、米国の親善の意味で桜の何千本を送信します。ワシントンポートマック川沿いに植えられたソメイヨシノです。そのソメイヨシノの故郷を置いて韓日間済州島産という主張と日本で取り入れたという主張が結論のない戦いを繰り広げています。記事でチョン教授の言葉を借りて、韓日桜の議論の顛末を説明しながら、「ポートマック川沿いのソメイヨシノも済州島産」と伝えた部分が問題でした。「ソメイヨシノは正しいが、済州島産である」という言葉はありませんでした。

韓国の学者の間でもその問題についての意見はそれぞれ違うし。チョン教授は、「ただでさえ日本側の攻撃に悩まされて死ぬほどである」と訴えをしました。一言、間違ったあとは膨大な抗議が殺到するということです。それほど日本人にソメイヨシノの起源は、敏感な問題です。国内も「ソメイヨシノグローバル化に乗り出した」という声が遅れて出てきています。両国で発見されたソメイヨシノは遺伝的に同じです。韓国にはソメイヨシノの自生地があり、日本はいまだに自生地を発見しませんでした。それにもかかわらず、「さくら外交」に出てきた日本がソメイヨシノの起源が韓国だということを容易に認めていないようです。
(引用ここまで)

 今年も春ということで、「ソメイヨシノ韓国起源説」が出てまいりました。
 韓国側の主張はざっとこんな感じ。

 ・ソメイヨシノの自生地は済州島である。
 ・日本はソメイヨシノの自生地を発見できていない。
 ・ソメイヨシノと済州島の桜の遺伝子は同一。

 その他にもワシントンの桜祭りでアメリカ人が眺めている桜はすべて韓国産なんていうのもありましたね。
 この記事はそれを否定する教授がいるということですが。

 もう、今年の1月にすべての科学的な結果は出てしまっているのですよね。
 こちら、本日の読売新聞から。

「ソメイヨシノ」はどこからやって来たのか(読売新聞)
 済州島のエイシュウザクラはソメイヨシノの起源だとする昔の説が韓国では今も信じられており、勝木さんは韓国のメディアからその件で取材を受けたこともある。学界でも、エイシュウザクラにソメイヨシノの学名「プルヌス・エドエンシス」をそのまま使ったうえで、同じ仲間ながら少しだけ違うソメイヨシノの「変種」と位置づけていて混乱していた。

 そこで今回の論文では、済州島の現地調査と形態学的な検討を踏まえ、エイシュウザクラはエドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種と位置づけ、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種(ソメイヨシノ)とは厳格に区別した。勝木さんによると、国際組織の専門誌に論文を掲載したことで、学問的には「ソメイヨシノとエイシュウザクラは別物」ということが決着し、ソメイヨシノは純日本産であり、まさに「日本の桜」だと位置づけられるという。
(引用ここまで)

 森林総合研究所からのプレスリリースがこちら。

‘染井吉野’など、サクラ種間雑種の親種の組み合わせによる正しい学名を確立(森林総合研究所)
ポイント
・4つの種間雑種の学名を、エドヒガン等の親種の組み合わせで整理しました。
・Cerasus × yedoensis という学名は、エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種名として用いるべきことを示しました。
・韓国済州島のエイシュウザクラは、‘染井吉野’と異なり、エドヒガンとオオヤマザクラの種間雑種(C. × nudiflora)であることを明らかにしました。
(引用ここまで)

 ……だいぶ研究者もむかついていたんだなぁ。
 TAXONというジャーナルに論文が掲載されたそうです。
 門外漢なのでTAXONの位置づけが分からないのですが、「植物分類の命名に関する専門誌」ということで学術的には完全終結といってもいい状況ですね。

 ただし、フォークロアとして韓国国内に蔓延る「ソメイヨシノは韓国起源」は消えることはないでしょうけども。
 これは「日本人が最愛のソメイヨシノであるが、その起源は韓国にあるのだ」というマウンティングしたいがためのものであって、事実がどうであろうと関係ないのですよ。
 というわけで来年のこの時期もまた、「ソメイヨシノの自生地は済州島」といういつものアレを見ることになるでしょう。

 楽韓Webの「韓国のソメイヨシノの自生地を訪れてみた」レポートもごらんください。

桜 (岩波新書)
勝木 俊雄
岩波書店
2015/2/20