ファクトチェック:「不可逆的」な韓日慰安婦合意は破棄できるのか(朝鮮日報)
李仁済(イ・インジェ)元党最高委員、金鎮台(キム・ジンテ)国会議員らほかの候補たちが「前政権が結んだ協定を破棄することは、韓日関係に大きな傷を残す」と反論したのにもかかわらず、洪準杓氏は慰安婦合意を韓日間の「裏取引」と言い、破棄を主張した。果たして本当に「国家間協定」を破棄できるのだろうか? (中略)

 両国政府は発表時、再び慰安婦問題を取りざたしないという意味で「不可逆的合意」と述べた。しかし、韓国国内の元慰安婦たちが「合意の効力」を問題視する訴訟を起こすと、ソウル中央地裁は昨年12月2日、この合意について、「『外交的修辞』でなく法律的にどのような意味があるのかもう少し具体的に説明ほしい」と要求した。

 これに対して政府も今年1月と3月17日に裁判所に提出した準備書面で、「法的拘束力のある合意に該当せず、相互間の信義に基づいた政策遂行上の合意」「法律的なものではなく、政治的または道義的なもの」と述べている。国家間の法的拘束力を持ち、国会の批准を求める「条約(treaty)」とは距離がある。

 日本はさらに1965年の韓日基本条約と共に締結された4協定の一つ、韓日漁業協定についても、排他的経済水域(EEZ)が12カイリから200カイリに変わり、両国漁業紛争が激化したことから、1998年1月に一方的に破棄している。

 韓日従軍慰安婦合意は「政治的宣言(statement)」なので、次期政権で破棄できる。国際法上の制約を受けたり訴訟を起こされたりする可能性はほとんどない。しかし、いずれにせよ韓日両政府間で「合意」したことなので、「破棄」「再交渉」をするにしても慎重なアプローチが必要だという意見もある。
(引用ここまで)

 以前のエントリとほぼ同じ感じではありますが、もうひとつ「日韓漁業協定(旧)を一方的に破棄した」というエクスキューズをつけていますね。
 これは記事にもあるようにEEZが200海里であるという国連海洋法条約が1994年に発行されたから。つまり、EEZでのは200海里であるという概念が上位にくるものなので、12海里設定の旧協定は存続し得ないものだったのですよ。

 「このように一方的に破棄できる」としても、その後には日韓漁業協定を新たに結び直しているわけで。
 じゃあ、慰安婦合意を破棄してそのあとにどうするのって話なのですが。
 再交渉であっったとしても、再交渉に日本側が応じなかったときにはどうするのっていう。
 言ってみれば「その先」がミリほども見えていないのですよ。

 今後の日韓関係は慰安婦合意があるという前提でしか動かない。
 それを釜山の総領事館前に慰安婦像が建てられたときに、「大使の一時帰国」させた上で3ヶ月が経過しても帰任させようとしないという強硬な対抗措置を執ることで韓国側に今後の日韓関係はどういうものであるのかを見せているのです。
 それじゃあ、韓国はどうするのと。
 一方的な破棄なり、再交渉を主張しているけど具体的にはどうするのって話なのですが。
 まあ、拒否されるなんてことを端から考えていないという可能性もありますけどね。
 慰安婦問題で「道徳性で上位に立っている」つもりでいるので、日本側は韓国の言い分をすべて聞かなければならないと考えているのですよ。
 その構造を覆させたのが「慰安婦合意」だったので、ここまで反発しているというのが実際のところなのです。

 いや、しかし本当にどうするつもりなんでしょうかね。
 政府間レベルでは完全な没交渉になりますよ?