安哲秀氏猛追なぜ? “反文在寅”で保守、無党派層の支持獲得(産経新聞)
韓国大統領選で「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)元共同代表が支持率を急速に伸ばし、「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表を猛追している背景には、文氏が党公認候補に決まり、同党の他候補を支持していた“反文在寅”勢力が安氏支持に回ったことがうかがえる。

 文氏は3日、安氏は4日にそれぞれ党大会で党公認候補に選ばれた。共に民主党では文氏よりも左派傾向が薄い安煕正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が文氏に次ぐ支持を集めていた。韓国紙、中央日報は公認決定で「安煕正氏の支持の相当数が安哲秀氏へ移った」とみている。

 文氏は先月までの世論調査の支持率では独走を続けていた。半面、親北朝鮮・反米色の強い文氏を敬遠する世論も強い。文氏は支持率トップを維持する一方、不支持が支持を上回る状態が続いた。

 それほど韓国では文氏を嫌う世論も多い。特に文氏に対抗できる保守系候補がいない中、文在寅政権誕生だけは何としても阻止したい保守層や無党派層の支持が安哲秀氏に集まっているとみられる。
(引用ここまで)

 これまで保守派の支持を受けてきたアン・ヒジョンが共に民主党内の予備選挙で落選したことを受けて、中道とされている野党第2党の国民の党所属のアン・チョルスが支持率2位に躍り出ました。
 パン・ギムンが撤退したときに「なんとアン・チョルスが保守派側として扱われるのではないかという事態に」と書きましたが、まさにその状況。
 中道とされていますが、そりゃムン・ジェインと比べたら中道でしょうよ……。

 アン・チョルスの政治的方向性は「風見鶏」です。
 基本的には左派なのですけど、ポピュリストである疑念が拭えない人物です。

 前回の大統領選挙ではムン・ジェインと競っていたのですが、公示前にはムン・ジェインに一本化……というか大統領選を放棄。
 ムン・ジェインはパク・クネに惜敗したのですが、その際にムン陣営からは「アン・チョルスが応援してくれたら当選できたのに」という恨み節があったそうです。
 一応、選挙戦中盤からはムン・ジェイン支持を言明していたのですが、投票日前には渡米してましたね。

 その前のソウル市長選挙に出馬するのではないかという噂もあったのですが、このときもパク・ウォンスンに出馬を譲る形で辞退していました。
 どうも諦めが早いというか、放り投げるクセがあるのではないかなぁ……と感じます。

 んで今回、アン・チョルスが支持率2位になっているのにはふたつ理由がありまして。
 まず、保守派といえども今回はパク・クネのいたセヌリ党系列の「自由韓国党」 と「正しい政党」には投票できそうにもないということ。
 そして、記事にもあるように「なにがなんでもムン・ジェインだけはいやだ」という層が左派にも少なからずいること。
 ノ・ムヒョンアレルギーとでも言うべきかもしれません。あの時代にだけは戻りたくないという考えはまあ理解できます。ムン・ジェインは弁護士時代、ノ・ムヒョンと共同で事務所を設立していた仲ですからね。
 パク・クネのいた政党は無理。かといって、ムン・ジェイン(≒ノ・ムヒョン)はなおのこと無理。第3の選択肢としてアン・チョルスにならざるを得ない、という消極的な事情なのです。

 これで見えることはムン・ジェインはなおのこと過激な言説を捨てられなくなってきたということ。アン・チョルスを裏切り者として吊し上げるくらいの物言いをするようになりますかね。
 そして、アン・チョルスは左派からの支持を得つつ、保守派の支持もキープするという綱渡りをし続ける必要があると。
 うーんなかなか難しそうな事態ではありますが。

 それでも大統領はムン・ジェインではないかとは見ています。少なくとも現状では。