統一部長官、対北朝鮮先制攻撃論に否定的な反応(YTN・朝鮮語)
米国の対北朝鮮先制攻撃の可能性についてホン・ヨンピョ統一部長官が国家安全保障と国民安全にどのような影響を与えるのかを見て、米国と協議するとしながら否定的な立場を示しました。

ホン長官は、ソウル三清洞南北会談本部で記者懇談会を持って「先制打撃の目標は北核解決であるが、私たちの立場では先制打撃がもたらす他の多くの問題を考慮しなければならない」と言いました。

米国が北朝鮮を先制攻撃する場合、北朝鮮が韓国に軍事的に報復する可能性を念頭に置いた発言で、一部で提起されている米国の対北朝鮮先制攻撃の可能性に否定的な見解を表明したものと解釈されます。

ホン長官は、米国と私たちの立場が異なっているのは当然ではあるが、米国との協議は充分に行っているともコメントしています。

イ・ドクヘン統一部スポークスマンも定例ブリーフィングで、米国の北朝鮮先制攻撃論と関連して「韓国政府は、すべての問題を平和的に解決するという立場であり、大きく心配する必要はない」と明らかにした。

最近、米国がシリアをミサイルで爆撃したのに続いて空母カールビンソンを韓半島周辺海域に展開しながら、北朝鮮先制攻撃を検討するという観測が一部で提起されており、ソーシャルネットワークSNSは「4月北爆説」を主張するソース不明の文章が出回っています。
(引用ここまで)

 新月となる4月26日〜27日の夜に北爆があるのではないかという話が日本のブログで提唱され、韓国でもその話題が広がっているとのこと。元ネタはシンシアリーさんところから。
 シリアに行ったような巡航ミサイルではなく、北朝鮮の地下司令部を狙ってバンカーバスターでの爆撃をするのであればB-1BやB-2を飛ばすのでしょう。
 それであれば新月に行われるというのは定石といってもいいやりかた。
 韓国では「ステルス機なら新月である必要ない」という反論が出ているのですが、それは日付を否定するだけで北爆の可能性の否定にはなっていないのですよね。
 そう、何度も書いているように、これは「可能性の問題」なのです。

 産経新聞でも同様に北爆の可能性と、邦人待避のために長嶺大使が帰任したのではないかという記事が出ていますね。

今、朝鮮半島では戦争小説でも表現できぬ恐ろしい事態が起きようとしている 邦人脱出計画の立案は間に合うか(産経新聞)

 現在、韓国には3万人以上の邦人がいる。
 ボーイング747-400を70回以上飛ばしてもまだ間に合わない人数。
 ……どうするんでしょうね、これ。

 ようやく日本のメディアも「北爆あるかも。駐韓大使帰任はその備えなんじゃないの」という楽韓Webの話に追いついてきたというべきか。
 井沢元彦氏のいうところの「言霊に縛られて具体的な軍事的予備行動に出られない日本」をやめたのは頼もしく思いますけどね。

 その一方で韓国政府、統一部はそれを一蹴するコメントを出すしかない。
 これで毫ほどでも可能性を認めたら、もはや戦争になることを認めたも同然。
 まあ、政治的には完全否定するしか手はないのですが……。

 ここで面白いのは「統一部の長官」が4月北爆説に対して出てきてコメントしていること。
 長嶺大使が帰任時に面会要求したのが「大統領代行、国防部長官、統一部長官」でしたね。
 対北戦略についてはやはり統一部の領域であるというのが分かります。
 そして、長岡大使がそれらに面談拒否をされてから会ったのが在韓米軍司令官と在韓アメリカ大使代理
 そしてそれをリークする日米の外交筋。
 さらにはその後に空母カールビンソンが韓国に派遣されることが決まっています。

 ありとあらゆる矢印が北爆の可能性を指している状況と言っても過言ではないでしょう。
 最小でも「アメリカは北爆を選択肢として捨てておらず、いつでもできるように準備をしている。日本政府はそれを知って慌てて駐韓大使を帰任させた」とは言えるんじゃないでしょうか。
 その帰任に対して面談拒否を貫いた韓国政府は蚊帳の外となっているのではないかというのも、充分にあり得る話ではあります。

 今回の統一部長官によるコメントもどこか他人事っぽいのですよね。緊迫感に欠けるというか。
 実際のところは数年後に明かされるであろうマティス国防長官あたりからの回顧録をお楽しみにってところですか。

「ノ・ムヒョンはちょっと頭のおかしい人物だった」としたゲー ツ元国防長官の回顧録がこちら。
イラク・アフガン戦争の真実 ゲーツ元国防長官回顧録
ロバート・ゲーツ
朝日新聞出版
2015/11/20