韓国に事前通知せずに米国が北朝鮮を攻撃できない3つの理由(朝鮮日報)
(1)韓米同盟軍の統帥体系上、両国大統領の事前協議が必須

(2)北朝鮮が反撃のため首都圏砲撃なら駐韓米国人にも犠牲者

(3)全面戦に備え米の戦闘機移動なら韓国軍に分からないはずない (中略)

 国防部(省に相当)の文尚均(ムン・サンギュン)報道官は11日の記者会見で、米国が北朝鮮に対して先制攻撃をする際、韓国が事前に知ることができるかどうかについて、「それ(先制攻撃)は韓米間の緊密な共助に基づいた堅固な韓米連合防衛態勢の下で行われることだ」と述べた。

 米軍が北朝鮮を攻撃する際に、在韓米軍を活用しないのは難しい。しかも現在の韓米同盟軍統帥体系は、両国大統領・国防長官・合同参謀本部議長からなる国家統帥・軍事指揮機構(NCMA)−>韓米安保協議会議(SCM)−>韓米軍事委員会(MCM)−>韓米連合司令部という系統を踏むようになっている。先制攻撃は両国大統領・国防長官らの事前協議と指示の下に実行するしかない。 (中略)

 韓半島(朝鮮半島)周辺の空母戦団の戦闘機や在日米軍、グアム基地から出撃した戦略爆撃機が北朝鮮を攻撃する場合も、在韓米軍の対北朝鮮偵察監視や作戦態勢が強化されるので、韓国軍に伝えるしかない。全面戦並みの戦争拡大に備えるには、米国は少なくとも3つの空母戦団と数百機の戦闘機を韓半島周辺の在日米軍基地に派遣しなければならないと見られるが、これもまた秘密裏に行うことは不可能だ。20万人を超える韓国国内の米軍と米国人の避難の動きは、米国の先制攻撃が実行されるかどうかを判断する決定的な兆候とされる。
(引用ここまで)

・「体系上、事前協議があるはずだ」
・「ソウル在住のアメリカ人にも被害」
・「在韓米軍の動きで丸わかり」

 うーん。
 開戦5分前にホットラインで電話がきても、「事前協議」とはいえるでしょうね。
 ただ、これが韓国を巻きこんだ戦争ではなく「アメリカと北朝鮮の戦争」であればまた別。
 在韓米軍を(当初は)使わないという手もある。空中給油機があれば余裕で日本から飛び立てますし、空母もある。
 開戦するなら空爆が最初で、陸軍は全面戦争後の備えとすべきですし。
 北朝鮮が韓国に対して反撃してきたのであれば、またそこから協議でもなんでもすればいい。
 韓国は「北朝鮮も韓国の一部」という建前を繰り広げるでしょうが、国連に加盟している国を「自国である」とする韓国の論理で国際社会は納得しないでしょう。
 むしろ「アメリカ本土を攻撃をする」という声明を何度も出している(そして安保理決議違反を何度も犯している)北朝鮮をアメリカが叩いたとしても国際社会は納得するでしょうよ。

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写真はパトリオット PAC-3

 アメリカ人に被害……アメリカ人捕虜がいるのが分かっていても原爆を落としたのがアメリカ。「現在の被害よりも未来の被害が少なければそうする」という大義を一度掲げた以上、それと同じことをやるでしょう。
 昔から在韓アメリカ人家族の動向が鍵になるという話はありますが、その流れで分かったところで韓国政府が公式になにかできることなんてない。
 アメリカ政府にしてみたら「民間人の帰国」になんの問題があるんだっていう話ですから。

 在韓米軍が慌ただしくなっても「大規模な訓練である」とされれば終わり。
 そもそも治外法権である在韓米軍に対して、韓国政府は監査じみたことができるのか、と。

 ここで挙げられている3つの理由はそのまま「事前協議なしでも開戦できる3つの理由」になり得るのです。
 というか、そこまで事態は逼迫している。
 トランプの「中国が北朝鮮圧力を加えないのであれば、『独自に事態を解決する』だろう」という話はまさに「独自に解決する」、つまりこの件に関しては中国とアメリカだけが対処可能な国であり、韓国は黙っておけっていう宣言であると思うのですがね。
 現状は中国側にボールが行っている、と見るべきではあるのかな。

 なお、19日に予定されていた日米地域交流行事は中止されましたが、これに関して在日米軍司令部からペンス副大統領の空母ロナルド・レーガン訪問に伴うもので世界情勢による決定ではないとの公式なアナウンスが行われています。


 って感じで、なにもかにもが予兆に見えてしまうのですよね。特殊部隊支援船が沖縄に寄港したとか。
 大型のバンカーバスターを搭載できるB-1Bが韓国にあるからとか。
 空母カール・ビンソンがオーストラリアに行く予定を変更させた、とか。
 ……ちょっと数が多いかな。

週刊ニューズウィーク日本版「特集:北朝鮮 新次元の脅威」〈2017年3/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/3/14