有事感覚の後退は、韓国が本格的な戦争をできないようになったからだ(産経新聞)
ただ、いつもそうだが肝心の韓国社会にはことさら緊張感も危機感も感じられない。

 韓国社会のこの雰囲気はそんな「危ない北」と長く付き合ってきたことからくる“慣れ”と同時に、北との戦争となると韓国が真っ先に被害を受けるのだから「米国はまさか韓国の意向を無視した勝手なことはやらないだろう」という安心感(?)からだ。

 北朝鮮の核問題をめぐって米国の対北軍事力行使論が話題になったのは、直近ではクリントン政権下の94年だった。この時は在留邦人の一部で家族を日本に帰国させるなどの動きはあったが、時の金泳三(キム・ヨンサム)政権の強い反対もあり“有事”には至らなかった。当時も韓国国内より日本から伝わる危機感の方が強かったように記憶する。

 韓国社会で北朝鮮との戦争という有事感覚が後退しているのは、韓国が今や本格的な戦争はできないようになってしまったからだ。

 たとえば北との軍事境界線に近いソウルの北方は、高層マンション中心の100万都市である。この新都市開発にあたった盧泰愚(ノ・テウ)政権(88〜93年)は「高層マンションは北からの攻撃に際してはソウルを守る盾になる」などといって物議をかもしたが、今や人気の住宅都市である。

 それに韓国が世界に誇るハブ空港の仁川(インチョン)空港も、機上から眼下に北が見えるほどだ。こんなに近くては戦争などできない。

 そんな中で在留邦人が朝鮮戦争時の感覚で「とりあえず南に避難」という有事対策は古いかもしれない。北から戦車で侵攻してきた昔と違って、今度もしソウル攻撃があるとすればまずはミサイルや長距離ロケット砲のようだ。とすると日本人もとりあえず韓国国民とともに近くのシェルターに避難するしかない。
(引用ここまで)

 欧米メディアが「核実験はいつ起きても不思議ではない」というように固唾を呑んで見守っている中、韓国のトップニュースは大統領選だったりします。そっちも大事なのは分かるけどね。
 もちろん、「軍事パレードで新型ICBMが公開されている」とかはやっているのですが。
 これは先日に噴出実験をしてたエンジンを搭載しているヤツかなぁ……とか思いながら見ています。

 韓国人が当事者意識を持っていないのは、失うものが多くなったからでしょうね。
 「この国はヘル朝鮮」と嘆いている若者ですら、求人のある中小で働けば世界で上位の収入が得られる(それで暮らせるわけではないにしても)国になっている。
 もはや戦争の意識がない。

 「アメリカが開戦を決意したとしても事前協議の場があるから覆せる」みたいに思っている節があるのも、見たいものしか見ていないから。
 「こんなに近代化したのに戦争なんてあるわけがない」ってどこかで思ってる。
 ここ10年の間だけでも天安艦は撃沈させられ、延坪島は砲撃されているのにね。
 今日の太陽節(金日成の誕生日)に核実験がなくても、近日中には行われるでしょう。

 それに対してアメリカがどう対応するか。
 そして北朝鮮がどのように呼応するのか。
 周辺国はその対応を問われているのに「事前協議がなくてはならない」とか寝言ですわ。

女が動かす北朝鮮 金王朝三代「大奥」秘録 (文春新書)
五味洋治
文藝春秋
2016/4/20