韓国大統領選 洪候補とのインタビュー 発言要旨(毎日新聞)
日韓関係「安保と歴史は分離」 大統領選候補・安哲秀氏(朝日新聞)
日韓関係の悪化は避けられない?韓国大統領候補全員が「慰安婦合意の再協議」を宣言(レコードチャイナ)
大統領候補ら、初めての討論会で朝鮮半島の安保・THAADめぐり攻防(ハンギョレ)


 韓国の大統領選挙まであと2週間ちょっと。
 公約がざっくりとですが見えてきたのでチェックしてみましょう。まずは日本にとって気になる部分、すなわち「慰安婦合意」「日韓GSOMIA」「THAAD配備」といった主たる外交案件について。

ムン・ジェイン(共に民主党・64歳)
 慰安婦合意  ×
 日韓GSOMIA △
 THAAD配備   △

アン・チョルス(国民の党・55歳)
 慰安婦合意  ×
 日韓GSOMIA ○
 THAAD配備   ○

ホン・ジュンピョ(自由韓国党・62歳)
 慰安婦合意  ×
 日韓GSOMIA ○
 THAAD配備   ○

 実際には5人が候補として立っているのですが、有効な候補者というのはこの3人までではないでしょうかね。
 一応、それぞれの立ち位置を書いておきましょうか。

○ムン・ジェイン
 ノ・ムヒョンの盟友。弁護士時代から共同事務所を開くなどしていた。当然、極左と呼べるレベルの左翼。野党第1党である共に民主党前代表。今回の大統領選挙の大本命。

○アン・チョルス
 野党第2党である国民の党前代表。日本では中道とされているが、実際には「新政治民主連合」の共同代表をしていたくらいなのででリベラリスト。大統領選を見据えて新政治民主連合から離党し、国民の党を設立した。中道左派とはいえるかな。というかどちらかというと典型的な風見鶏でポピュリスト。セキュリティソフトのアンラボの創業者。保守系の支持を一部受けている。

○ホン・ジュンピョ
 与党の自由韓国党(旧セヌリ党)からの候補者。保守系候補としては最大の支持を得ているが、そもそも今回の選挙は保守を叩くための選挙なので当選の目はほぼない。
 さらにセヌリ党から離脱した正しい党からも大統領候補は出ているけど、泡沫すぎて話にならないレベル。

●慰安婦合意
 慰安婦合意については全員がなんらかの形で反対。
 ムン・ジェインは「交渉の経緯を明らかにしてから再協議」で×。
 アン・チョルスは「破棄」を主張で×。
 ホン・ジュンピョは再協議もなにもない、一方的破棄で×。

●日韓GSOMIA
 日韓軍事情報包括保護協定については意見が分かれています。
 ムン・ジェインは「軍事情報のやりとりを見て、1年毎の更新時に延長か否かを決める」で△。少しヘタれました。
 アン・チョルスはこのままの維持を主張。
 ホン・ジュンピョも同様に維持。

●THAADミサイル配備
 ムン・ジェインは延々と「次政権で決定する」という話をしてきましたが、最近になって北朝鮮によるミサイル・核問題がクローズアップされるようになって配備容認の発言をするようになりました。
 アン・チョルスは年初あたりから容認に転じています。
 ホン・ジュンピョは当初から容認を党是としている自由韓国党からの候補なので当然容認。

 今回の半島有事を受けてムン・ジェインが若干ですがヘタれはじめました。以前からの話では日本に対してはすべて否定、THAADも「次期政権に任せる」と言いながらも実質的には拒否の姿勢だったのですが、容認しつつあります。
 それ以前にアン・チョルスは保守側からの支持を受けるために、保守受けする政策にシフトしていました。パン・ギムンを外交特使として扱うなんていうのもその一環ですね。
 さすがにここからの大きな方針変更はないと思いますが、どの候補が当選しようとも慰安婦合意に関しては破棄、もしくは再交渉となっています。
 ……できたらいいですね。

 次回は経済政策について見てみるとしましょうか。これはアン・チョルス対ムン・ジェインの形にします。このふたり以外の経済公約がほぼ無視されているので。