韓米FTA 「再交渉を含む可能性に備える」=韓国長官(聯合ニュース)
 周氏はこの日、ソウル市内で対米通商分野の専門家との懇談会を開き、「(韓国)政府は韓米FTAの再交渉を含む、さまざまなシナリオへの対応策を準備して綿密に備えており、これからも関連動向を鋭意注視して国益の最大化の観点から徹底して対応していく」と述べた。 (中略)

 懇談会に出席した韓国対外経済政策研究院の玄定沢(ヒョン・ジョンテク)院長は「韓国は積極的なFTA政策を通じて、米国だけでなく欧州連合(EU)や中国など52の国家と15のFTAを締結した。韓米FTAがなければ、米国企業も製造業・サービス市場で競争優位性を失う」と述べた。

 産業研究院の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)院長は、「韓米FTAが撤廃されれば、われわれの対米輸出が減少するが、米国の対韓輸出はさらに大幅に減少するだろう」と指摘した。
(引用ここまで)

 ……実際の数字も問題なのですが、それ以上に問題なのが「印象」なのです。
 米韓FTAは実際に韓国視点では「大成功」と言っていい成果を挙げています。
 アメリカ視点では「だまされた」感がもっとも強い自由貿易協定といえるでしょう。

 特にトランプ大統領にしてみれば「ヒラリー・クリントンという醜悪な魔女によってアメリカ市場が食い物になってしまった」と見得を切ることのできる話題でもあります。ヒラリー・クリントンは発行時の2011年に国務長官でしたからね。
 「アメリカをもう一度偉大にする」を合い言葉にしてきたトランプにとって、国民に向けて好印象を与えることのできる政策なのです。

 で、実際の数字を見てみてもFTAが発効する以前の2011年には116億ドルだった対米貿易黒字が、2015年には258億ドルとわずか5年で2.22倍にも急増しているのです。2016年には232億ドルと若干の減少が見られましたが、それでもきっちり2倍のレベル。
 なお、FTA発効前後でアメリカからの輸出額はまったく変化なし。435億ドル(2011年)→435億ドル(2015年)。減ったこともありましたね。
 この数字があるのに「アメリカ企業も韓国での優位性を失う」とか「アメリカの対韓輸出が減少するだろう」とか言い出すとかなんなんでしょうね。

 FTAがあろうとなかろうと、輸出額が変わらないっていうならそりゃ元に戻そうとしますわな……。