韓国大統領選:誰が勝っても少数与党、国政のカギは「協治」(朝鮮日報)
 誰が当選しても、少数与党・多数野党の国会という状況を抱えて発足することになる韓国の次期政権。この特性のため、各候補が掲げる「統合政府」「共同政府」などといった「協治」構想が注目を集めている。専門家らは、「統合」「協治」を選挙用のスローガンとして活用するだけで、当選後は「コード」「敵味方の弁別」に陥る場合、弾劾による政治的対立に再び火が付いて混乱に陥りかねないと指摘した。 (中略)

 全ての候補が統合・協治を強調しているのは、中道・浮動層の票を吸収するための戦略という側面がある。しかし今回は、国会の議席の構成上、国政運営のためには避けられないというだけでなく、むしろうまく活用しさえすれば、「巨大単一野党」と対峙しなければならなかったかつての政権とは異なり政権発足当初から能率的な国政運営を期待できる。 (中略)

 韓国の次期政権は、民主党が120議席、自由韓国党が94議席、国民の党が40議席、正しい政党が20議席、正義党が6議席という状況で国政をスタートさせる。単独では過半数にすらならない。しかし、100議席以上を占める野党第一党が反対しても、ほかの政党との協治さえうまく引き出せば180議席を作り出せる構造だ。韓国外大の李政熙(イ・ジョンヒ)教授は「弾劾による社会対立が最高潮に達している状況で発足する新政権は、国会運営の首位に統合を掲げなければならない。最初の試金石は、首相など内閣の人選になるだろう」と語った。
(引用ここまで)
 どの勢力も法案成立に必要な180議席には遠い状況。
 この状況の中でどのようにしてムン・ジェインは国政を行っていくのか、という話なのですが。
 朝鮮日報では「首相指名等の内閣人選がどのようなものになるか、そこでムン・ジェインの国政運営の方向性が決まってくるだろう」とあります。

 同意ですね。
 ただし、朝鮮日報の記事が望んでいるような、あるいは選挙戦中にムン・ジェインや他の陣営が言っていたような「国民統合」が行われる可能性はゼロです。
 内閣に共に民主党以外から登用されることはないでしょう。もともと同じ政党だった国民の党から……というような話もちらほら見えていますが、むしろ党を割ったという怨念のほうが強いでしょう。

 共に民主党の国会議員ではない民間人が首相指名される可能性もあるでしょうが、その場合でもパク・クネ政権でさんざん共に民主党側がやってきた嫌がらせの意趣返しをされることでしょう。
 あいつの父親は親日派だの、本人や息子の兵役忌避だのが出てきてもめにもめて、けっきょくは清廉なれども無能みたいな人物になるというこれまでのパターンを踏襲します。間違いなく。

 けっきょくこれまで通りの国会運営が続けられる。いや、むしろ悪化するでしょうね。
 韓国社会をそのまま反映するかたちで分断が続けられて、本当に必要な法律も通らなくなる。ぐだぐだの国会運営を見せつけられることになりますよ。
 ちなみに次の国会の総選挙は2020年。

 ちなみに最初に180議席と書きましたが、韓国の国会は一院制で300議席。まともな国会、議会であれば過半数で法案は通過するのですが、韓国では「国会先進化法」というものがありまして、これによって6割の賛成がないと法案が通らないようになっているのです。
 つまり、6割の賛成を必要とするのであれば与野党が話しあいの結果として法案を成立させるようになるだろう=法案の採決の際にチェーンソウを持ち出したり、催涙弾を使うような馬鹿がいなくなるだろう=国会が先進化するだろう=国会先進化法なんだそうですよ。
 一味違うな、ってことです(笑)。

ま、分断はいま世界のトレンドですから。
欧州危機と反グローバリズム 破綻と分断の現場を歩く (講談社+α新書)
星野眞三雄
講談社
2017/1/19