開城工業団地・金剛山観光「新政府で再開」期待(ハンギョレ)
【社説】文大統領は盧武鉉政権の再現ではなく新たな統合と協治を示せ(下) - (朝鮮日報)
 10日、開城工業団地企業協会は論評を出し「過去9年間、保守政権で南北関係は途方もない退行に陥った」として「開城工業団地の再開は、朝鮮半島平和経済の出発点だ。早急な開城工業団地再開を訴える」と新政府に要請した。開城工業団地は昨年2月に全面中断・閉鎖され、入居企業125社は為す術も無く財産を失った。協会は開城工業団地の全面中断により、建物・機械装置など投資資産(5900億ウォン=約590億円)や原材料などの流動資産(2400億ウォン=約240億円)、納品業者に対する違約金(1400億ウォン=約140億円)、1年間の営業損失(3100億ウォン=約310億円)、合計約1兆5千億ウォン(1500億円)の被害をこうむったと推算する。一方、政府の支援金は4800億ウォンに過ぎなかった。協会は「入居企業は今、生死の岐路に立っている」と明らかにした。

 2008年7月の中断から9年目を迎えた金剛山観光の開発事業者である現代峨山(アサン)も観光再開のために準備中だ。現代峨山のイ・ジェヒ部長は「南北間に対話局面がはやく造成されるよう新政府が努力することを期待する」として「苦しい時期を耐えてきたが、故鄭周永(チョン・ジュヨン)会長が南北協力事業のために現代峨山を設立しただけに、金剛山観光事業を放棄することはできない」と話した。 (中略)

 しかし、北朝鮮の核を巡る緊張局面で、開城工業団地・金剛山観光の再開は容易でないだろうという見通しもある。文在寅キャンプの非常経済対策班で活動したある要人は「新政府が対北朝鮮交流協力に積極的に取り組むという期待が高いが、北東アジア情勢が侮れず新政府が突然に北朝鮮に開城工業団地と金剛山観光の再開について対話しようと、先に立って提案することは困難な状況と見る」と話した。
(引用ここまで)
「公務員の81万人増員」の公約も注目を集めているが、これも結局は税金で雇用を増やすことに他ならず、一度職員を雇ってしまえば数十年は雇用を保障しなければならない。新政権によるこれら一連の福祉、あるいは雇用関連の公約が本当に実現した場合、韓国経済は果たして今後長期にわたり持ちこたえることができるだろうか。文大統領は自らの公約実現には年平均35兆6000億円(約3兆6000億円)、5年で178兆ウォン(約18兆円)の費用がかかると試算しているようだが、専門家はこれでは不十分と反論する。そのためこれらの政策も社会的な合意の上で実行に移さなければならず、もしそれがなければ国と社会全体に深刻な後遺症を残してしまうだろう。

 福祉と分配という一方の政策だけでは韓国経済は前に進めない。経済分野で文大統領が最初に取り組むべき課題は国の経済成長に向けた行動計画を示すことだ。韓国経済は現在、成長率が2%台にとどまっているが、この状況が続くようでは雇用を増やすことも、あるいは福祉に必要な財源を確保することもできない。選挙運動の際、文大統領は第4次産業革命と景気の活性化に何度も言及したが、いずれも抽象的な感は否めなかった。持続的な成長を実現するための大きな課題はやはり構造改革と規制の撤廃しかない。つまり共に民主党が今掲げる政策とは異なった方向に進まねばならないのだ。
(引用ここまで)

 個人的には若干、飽きがきているムン・ジェインの政策関連エントリ。
 まあ、たぶん当選に伴う未来予測という意味では最後になるんじゃないでしょうか。もしかしたら、防衛関連でもうひとつくらいあるかもしれませんけどね。
 さて福祉を厚くするというのは以前からの公約でした。左派のムン・ジェインですから、当然そのような方向性には向かうのでしょうが。
 実際にはその予算をどこから持ってくるんだって話になっているわけです。

 具体的に言えば「増やすと公約している公務員81万人分の給料」をどこから持ってくるのか。
 一度公務員にしてしまえば、ざっくりと今後40年以上の国家による雇用が続くわけで。
 ひとりにかかる経費が1000万円ほどであるとしても、年8兆円の予算が必要。
 経費を半分に見積もるとしても、年4兆円。

 現在の韓国の国家予算(歳出)が386兆7000万ウォン。
 ムン・ジェインが国家予算の10-20%以上をぽんっと増やすことのできる魔法のスイッチを持っているのでなければ、全額赤字国債発行となるわけです。

 法人税率優遇措置をやめるのではないかという話もありますが、それで多少の税収があったとしても4〜8兆円増えるとはとても思えません。
 パク・クネが大統領としての給料から2割をつぎこんでいた、就職支援財団の青年希望ファンドなんてものがありましたが。あれはどうするんでしょうかねー。

 そしてもうひとつは「北朝鮮国民を安く働かせてたんと儲けようプロジェクト」こと開城工業団地再開と、財閥としてのヒュンダイにとって最後の希望の光、金剛山観光の再開。ちなみにヒュンダイ財閥からヒュンダイ重工業とヒュンダイ自動車は離脱しているので、財閥には関係ありません。

 このふたつを大統領として再開させるようなことがあれば、アメリカとの国交すら危ぶまれる状況なのですが。
 それを理解しているかどうか。
 ムン・ジェインの目の前には地雷がいくつも埋まっているような状況なのですが、それを踏まずに5年間を過ごすことができるのか。
 なお、地雷は地表に出ていて充分に視認可能です。それでもあえて地雷を踏みに行く可能性があると言わざるを得ない。なぜなら彼はノ・ムヒョンの後継者だから。

地雷処理という仕事 ――カンボジアの村の復興記 (ちくまプリマー新書)
高山良二
筑摩書房
2010/3/10