THAAD:韓国国会で批准同意に向けた動きが本格化(朝鮮日報)
【社説】THAADのみ国会で審議、韓国与党は理由を説明せよ(朝鮮日報)
 韓国大統領府と与党・共に民主党は17日、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題と関連し、国会で同意を得る手続きを進める方針を明らかにした。

 共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表はこの日、平和放送の、あるラジオ番組に出演した際、THAAD配備について「法的手続きに不備な点があれば、(米国に)送り返す問題を含め検討しなければならない」と発言した。 (中略)

韓国大統領府で外交・安全保障タスクフォース(特別チーム)の団長を務める鄭義溶(チョン・ウィヨン)氏も本紙との電話インタビューで「(16日に米国政府関係者と面会した際)THAAD配備の必要性とは別に、配備に向けた民主的手続きの問題を大統領が指摘していることと、それがわれわれの基本的な考えであることを説明した」と明らかにした。
(引用ここまで)
文大統領は選挙戦の際「国会での同意を得ること」と「米国・中国との交渉」によってTHAAD問題を解決する考えを示していた。また文大統領は腹案があるとも語っていたが、その内容は現時点では明らかになっていない。

 THAADは朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領と米国のオバマ前大統領が韓国での配備に合意し、現在はすでに運用が始まっている。今月14日に北朝鮮が試験発射を行った中距離弾道ミサイルもこのTHAADレーダーが捕捉していたという。そのため今になってTHAADを撤去するなど普通に考えれば到底不可能だ。もし新政府が国会での同意を推進する場合でも、それは「THAADを配備するのかしないのか」という同意ではなく、「THAAD配備を追認するもの」とならざるを得ない。それが常識というものだ。

 ただしこの「追認」という形の国会での同意も、問題はそう単純なものではない。韓国軍に新たな装備を導入する際、韓国の国会で同意を得る手続きを経た前例がない。例えばかつて在韓米軍が運用していた戦術核兵器でさえも、国会での同意など必要とされなかった。そのためTHAADに限ってその配備に国会での同意が必要となるなら、その理由を明確に説明しなければならない。 (中略)そう考えれば政府と与党が国会での同意を得ようとする理由はただ一つ。中国が反対しているという一点だけだ。だとすれば今後も中国が韓国軍の装備に反対の意向を示すたびに、国会で同意を得る手続きを進めるのだろうか。これは軍事主権を中国に渡すことに他ならず、その発想にはただ驚くばかりだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 おや、国会での採決は「すべてを満足させる腹案」ではなかったのですか。
 ということは、THAAD関連ではまだまだ楽しめるということかなぁ。
 しかし、対応というか泥縄というか。面白いものですね。

 政府が決定すべき、軍装備の決定をなぜか立法府である国会に任せる。
 ということは、これからすべての外国製兵器の導入について国会審議を経るんでしょうかね。
 これからF-35もP-8もあるでしょう。大半の航空機はアメリカ製なのは間違いない。宇宙開発も大半は外国製でしょうし。
 部品単位だったらもっととんでもないことになるでしょうね。先日のK-2に搭載する「韓国製パワーパック」のはずがなぜかドイツ製部品が入っていましたし。あれもうたい文句は「純国産」だったんだよなぁ……。

 しかし、不思議なのは前回の「国会でTHAAD配備の是非を問う」って言い出したときに楽韓Webで指摘した「これは政治家による責任放棄だ」という話が、韓国マスコミからまったく出てこないことです。
 朝鮮日報や韓国経済新聞は多少の批判はしていますが、どことなく及び腰。
 「完全無欠のムン・ジェイン大統領様」を非難すると、どこからともなく韓国版紅衛兵が沸いてきて「こいつは反ろうそく革命だ!」って糾弾でもされるようになったんですかね。
 ……なってるか
 じゃあ、しょうがないかな。

 問題は「国会で配備賛成が多数」であったときに、中国が「それじゃあしょうがないね」といって許してくれるのか。
 あるいは「国会で配備反対が多数」であったから、在韓米軍に配備撤回を命令できるのかってことなのですが。
 どっちにしても、そんなものを聞き入れる必要性が米中ともにないと思うのですけどね。
 どちらかといったら配備差し止めを云々できる権限があるのは司法だしなぁ……。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:韓国外交の暗雲」〈2017年5月23日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本語版編集部
CCCメディアハウス
2017/5/16