【社説】サンタクロース気取りの文在寅大統領(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は選挙戦の際、高齢者に支給される基礎年金の引き上げに加え、児童手当制度の導入も公約として掲げていたが、韓国政府はこれらの政策を来年から実行に移すと発表した。具体的にはまず5歳以下の児童を対象に月10万ウォン(約1万円)の支給を開始し、その額も将来にわたって段階的に引き上げる方針だという。また国政企画委員会は一昨日、65歳以上の高齢者のうち所得が中下位の階層に支払われる基礎年金の額を、現在の月20万ウォン(約2万円)から来年は25万ウォン(約2万5000円)、2021年には30万ウォン(約2万9000円)にまで引き上げると発表した。

 高齢者の貧困問題と少子化問題は今なお解決の兆しが全く見えてこない。このような状況で所得の補填と育児の支援が必要であるとの指摘には誰も反対しないだろう。ただ福祉政策が全てそうであるように、問題は財源をどうするかにある。基礎年金の引き上げには今後年間4兆ウォン(約4000億円)、児童手当の導入には2兆ウォン(約2000億円)の予算が新たに必要になる。これは社会保障関連予算である36兆ウォン(約3兆5000億円)の17%に相当するが、政府はその財源については何も語っていない。与党「共に民主党」からは「防衛産業不正」や「崔順実(チェ・スンシル)関連予算」を減らせば問題ないとの意見も出ているが、まともに取り合う価値もない話だ。だとすればこれら一連の政策を実行に移すには、増税あるいは財政赤字を覚悟し無理して予算を捻出するしかない。ただでさえ国の借金は雪だるま式に膨れ上がっているが、政府はここからさらに借金を上乗せしてでも現金をばらまくつもりだろうか。

 新政権発足から1カ月が過ぎたが、その間に政府は財源無視の様々な政策を次々と発表してきた。まず文大統領は費用対効果無視で脱原発を宣言した。次に文大統領はある小学校を訪問した際、全ての小中学校に粒子状物質測定器を設置すると約束した。これだけでも必要な予算は数百億ウォン(数十億円)だ。しかし粒子状物質の測定は各地域ごとにすでに行われているため、この問題で金を使うなら測定ではなく低減の方ではないか。

 公務員の増員や非正規社員ゼロ、最低賃金の引上げなど雇用や福祉関連の政策も全て巨額の費用がかかるため、最終的には国民の負担として跳ね返ってこざるを得ない。基本的にバラマキ政策を行う場合、恩恵を受ける側は具体的に誰だとわかるが、負担する側は特定のしようがない。バラマキはまさにこの隙をねらっているのだ。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権になってからこっち「あれもやる、これもやる」とばらまき政策を実行に移しています。
 微粒子状物質対策で古い石炭火力発電所は止める、すべての小学校に微粒子状物質計測装置を設置する、公務員を81万人増やして雇用を増やす、公社からは非正規社員を一掃して正規雇用のみにする。
 2020年までに最低賃金を1万ウォンにするっていうのもその一環ですね。
 で、今回は子供手当と老人向けの基礎年金増額。

 どこにそんな予算があるのかと尋ねたら「チェ・スンシルに流れていた予算と防衛産業不正に流れていた予算を止めれば捻出できる」んだそうで……。
 ますます日本の民主党政権時にそっくりになってきたなぁ。
 腹案、財源なしの福祉予算増加、そして埋蔵金。
 ノ・ムヒョン政権を継いでいると書いてきましたが、民主党政権時代をまんま踏襲している感じもありますね。

 けっきょくは増税と赤字国債発行でまかなうのでしょう。
 それ以外の手立てはありませんから。
 実現しないという可能性はありません。なにしろムン・ジェインの言葉は「聖公約」ですから。  サムスンやヒュンダイといった財閥が特別に受けている免税措置を取り消して、法人税を通常に戻すという姿勢を見せてもいます。
 それをやったら工場の国外脱出がなおのこと激しくなって雇用が減っていくだけじゃないかって気がするのですが。
 まあ、そのあたりはなにか我々が知るよしすらない素晴らしい対応策があるのでしょう。きっと。
 埋蔵金とか。無尽蔵に(貴金属の)金が出てくる魔法の杖とか。触れたものがすべて金になる手とか。

 サヨクのパターンとして「我々が政権奪取をしたらこんな素晴らしい未来が待ち受けていますよ」って叫ぶだけ叫ぶのですが、その素晴らしい未来へかかる費用とかどういう段階を経たらそうなるのかといったことがさっぱり分からないのですよね。

民主党政権は、なぜ愚かなのか (扶桑社新書)
辻貴之
扶桑社
2011/3/1