韓国初の原発、古里1号機が永久停止へ…40年の歴史に幕(中央日報)
韓国、脱原発にカジ 新設白紙、再生エネを柱に(日経新聞)
韓国の原子力発電所の嚆矢である古里1号機が永久停止され原発の賛否をめぐる議論が拡大する見通しだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権は脱原発、親環境をエネルギー政策の基調に掲げている。現在工程率30%水準である新古里5・6号機の建設中断と月城(ウォルソン)1号機の廃炉議論が出てくる恐れがある。
(引用ここまで)
 韓国が「脱原子力発電」にカジを切る。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、原発への依存度を減らし、液化天然ガス(LNG)や再生可能エネルギーによる発電を柱にする方針を発表した。韓国では原発が発電量の3割を占める主力電源で、「エネルギー政策の大転換」(文氏)となる。 (中略)

 原子力と石炭火力という2つの主力電源への依存度を下げれば、発電コストの上昇は避けられない。電力需給が逼迫する恐れもある。産業界には懸念が強いが、文氏は「産業用電力料金を見直し、産業分野の過剰消費を防ぐ。産業競争力に影響しないよう中長期的に進め、中小企業は支援する」と語った。
(引用ここまで)

 もう、扱っているのがムン・ジェインの政策ばっかりになっています。
 だってすごいんだよ、こいつ……。
 今回はエネルギー関連政策について。

 まず、現在の韓国の電力事情を書いておきますか。
 韓国の公共料金、特に電気料金が安いのは安価な石炭火力発電所が多い(約40%)ことと、ランニングコストに優れる原発を発電のツートップとしているからなのですね。
 もちろん、供給原価割れや原価ギリギリで販売しているからという面も大きいのですが。

 ちなみにかつては5兆円クラスの巨額累積赤字で汲々としていた韓国電力公社ですが、いまやサムスン電子をも上回る優良企業になっています。
 猛暑が続いているおかげで、累進制料金制度の家庭用電力が多くの家庭で上から2番目以上のものになっているのです。ま、さすがに儲けすぎということで6段階だった累進制料金は4段階になってそれほどのぼろ儲けはできなくなったようですが。
 ついでに電力逼迫が叫ばれていましたが、昨今の不況で電力需要が落ちててそこまで逼迫していない状況になりました。
 韓国の電力事情はざっくりとこんな感じってことで。

 今回、古里原発1号機が廃炉になりましたが、この原発は全電源喪失をしたことのあるアレです。廃炉は日本にとってもありがたい話であったりするのですけどね。
 古里原発2号機は豪雨で止まったりもしてましたっけ。

 というわけでムン・ジェインのエネルギー政策は……

・粒子状物質軽減のために旧式の石炭火力発電所を稼働停止。
・建設中の工程率10%以下の石炭火力発電所は建設中止。
・火力発電所はLNGであれば新規稼働OK(PM2.5対策)。
・原発は減らしていく。古里1号機に続いて月城1号機も廃炉?
・新古里5号、6号機も建設停止の方向。
・再生可能エネルギーを可能なかぎり推進する。

 といった感じのものになっています。生ぬるい〜。
 なぜか左翼は原発大嫌いで再生可能エネルギー大好きなのですが、ムン・ジェインもまったく同様に原発を減らし、再生可能エネルギーに頼ろうとしています。

 韓国の経済政策はこれまで「安いものを徹底的に安く使う」という方向性でした。
 それによって経済成長を遂げてきたのですよね。石炭火力発電と原発へ依存してきたわけです。
 ですが、再生可能エネルギーは高コストであり、韓国の経済構造には向いていません。

 高い再生可能エネルギーを使ってもあまりある生産性があれば別なのですが、韓国の生産性は世界最悪レベル。
 彼らの考える「キレイナ韓国」を実現した時、生き残っている韓国人はどれだけいるのかってレベルなのです。
 大企業は海外工場建設を進めざるをえないでしょうね。
 かといって、ムン・ジェインがいまさら現実路線に戻るとも思えませんし。
 こんなところでも財源なしに、自分の聖公約だけを押しつけている構造があるのです。

韓国人に生まれなくてよかった
武藤正敏
悟空出版
2017/6/1