韓国の「脱原発代案」 LNG確保対策もなし(中央日報)
政府の計画によると、現在全体発電量の20%水準のLNG発電比率を2030年に37%まで高める方針だが、LNG調達案は決まっていない。特に昨年のLNG輸入量の29.2%に相当する約1000万トンのLNG供給契約が2020年代半ばに満了するが、代わりの供給源を確保していないことが確認された。天然ガスは生産国と鉱区が制限的であるうえ、石油と違って現物市場の取引量がほとんどなく、長期供給契約が国際的な慣行となっている。

こうした中、炭素排出量削減努力の一環として中国・インド・東南アジア諸国連合(ASEAN)などを中心にLNGの需要が急増し、世界各国でLNG争奪戦が繰り広げられている。 (中略)

一方、韓国の場合、朴槿恵(パク・クネ)政権以降、韓国ガス公社など国内関連機関が大型ガス田長期プロジェクトに積極的に参加していない状態だ。政府は文在寅大統領の大統領選挙公約でもある韓露ガスパイプライン事業を通じて突破口を開くという構想だが、専門家らは実現の可能性は低いとみている。北朝鮮の核・ミサイル挑発のため国際社会の高強度の対北朝鮮制裁が続く状況で、北朝鮮を経由するパイプライン事業を本格的に進めるのには限界があるからだ。

政府がより現実的な代案として進める米国産LNG導入の場合、価格が問題だ。日本経済新聞によると、液化費用と輸送費を含む米国産LNGの北東アジア導入価格は現在1MMBtuあたり約8ドルにのぼる。ライバル地域のLNGの平均価格は5ドル水準という。

匿名を求めた国策機関の関係者は「このままだと2020年代半ばに数百万トンのLNG不足事態が発生する」とし「米国産LNGに依存する場合は価格競争力が落ち、国民の負担が増えることになる」と指摘した。
(引用ここまで)

 昨日のLNG火力と再生可能エネルギーに電量供給源を代替する韓国の未来というエントリを書いている時に見つけた記事。
 ムン・ジェイン政権は火力の中でもNOx/SOx排出がほぼなく、CO2排出も少ないというメリットのあるLNG火力にご執心であるという話をしています。
 ちなみに日本の火力はすでにLNGが主力になっていて、NOx/SOx排出量は先進各国の中でも最低という状況。
 ディーゼル規制もあって、ここ数年で東京の空気はかなりきれいになったとのことです。知り合いの園芸家が「これまで大気の汚染に敏感で咲かなかった種類の花が東京でも咲かせられるようになった」という話をしてて「へえ」と思ったわけですが。

 閑話休題。
 で、そのご執心のLNG火力に必要となるLNGの確保をまったくしていなかったとのこと。
 手当していないのか……。
 いや、なんとなくそのあたりは予想していたのですが。
 とりあえず言ってみただけというヤツでしょうかね。
 日本の入手価格もようやく一時期の狂乱的な価格からまともな価格に落ち着きつつあります。

 イ・ミョンバクの資源外交でカナダ・オーストラリアのガス田に投資したのですが、ざっくり半額になって帰ってきたなんてこともありました。ちょうどLNGが高止まりしていたころに投資したのが原因だったのですが。
 それとイラクのアッカスガス田にも投資していたのですが、こちらは長らくISの統治下に置かれていましたっけ。アルカイダに襲撃されてイラク人技術者が死亡するなんて事件もありました。
 ちなみにアッカスの場所はイラク西部のシリアとの国境が北上する形で曲がっているあたり(地図を見れば言いたいことは分かるはず)。
 こちらが解放されるようなことがあれば韓国にとっては福音となるかもしれません。

 それでもやっぱり「気分がしたので言ってみただけ」なんですね。未来予測がどうとか、そういう部分はほぼゼロ。
 あのノ・ムヒョンの後継者だもんな。そりゃそうだよな……。

石油と日本―苦難と挫折の資源外交史―(新潮選書)
中嶋 猪久生
新潮社
2015/5/29