国民の税金で埋め合わせる韓国の最低賃金7530ウォン (中央日報)
政府が資金をばらまいて賃金を補填するのは世界に類例のないポピュリズムと言える。15日に開かれた最低賃金委員会会議で、ある委員は「税金で賃金を補填すればその恩恵の最大受恵者は外国人労働者になるだろう。国民がお金を納めて外国人労働者の賃金を補填するのをじっと見ていられるだろうか」と反論したりもした。

青年求職者が好む公務員も最低賃金に満たなくなった。9級公務員1号俸は月139万5880ウォンだ。ここに職級補助費12万5000ウォンを加えると月給は152万880ウォン水準だ。これは来年度最低賃金の月給換算額157万3770ウォンに届かない。公務員は最低賃金制を適用されないが、今後公務員の月給を引き上げるべきとの声が出てくる可能性が大きい。

結局今回の政策で国の資金事情を悪化させるだろうという懸念が出ている。文在寅大統領は2020年までに最低賃金を1万ウォンに引き上げるという公約を出した。来年以降も最低賃金の急激な引き上げは避けられない。西江(ソガン)大学経済学科のナム・ソンイル教授は「最低賃金引き上げ分を財政で支援し続けるのは不可能だ。零細自営業者と中小企業などの人件費負担が拡大し結局雇用縮小につながりかねない」と話した。

自営業の構造調整を妨げることになるとの声も提起される。明知(ミョンジ)大学経済学科のチョ・ドングン教授は、「事業性が落ちる自営業主は適正水準に減らしていくべき。税金を使う臨機応変式の政策ではない、質の良い雇用創出に集中しなければならない」と話した。
(引用ここまで)

 前半は来年の最低賃金とその支援を国家予算でやるという例の話なのでスルー。

 んで、この九級公務員の話がひどいなー。
 まず前提で韓国の九級公務員の話でも。
 九級公務員の仕事内容は役所の受付のような末端のもので、いってみればコンビニのバイトとそんな変わりはありません。むしろコンビニバイトのほうが大変かもしれない。
 というわけで、初任給は記事中にもあるように最低賃金レベル。
 ただし、韓国でもいろいろと手当はつきますし、昇給は確実にあるので長い年月を務めればそれなりの給料になります。まあ、どっちにしてもそれほど高いものではありませんが。
 そしてなによりサオジョン(45歳実質定年制)もなければ、52歳の平均退職年齢も問題なく過ごし、60歳定年を迎えることができるのです。早期退職してやりたくもないチキン屋をやらなくてもいいのですね。
 さらに土日祝日完全休日。
 おまけに年金が完備されているので、バッカスおばさんにならなくてもいいと韓国においてはかなりの厚遇。
 前回のソウル市では九級公務員は815人の募集に対して8万1393人が応募してきて約100倍の倍率。
 七級のほうが倍率はひどいのですが、これは募集人数が少ないからですね。

ソウル市公務員筆記試験、平均競争率なんと86倍=「デフォルトになる国は公務員偏重の現象が共通して現れる」「正常な状態じゃない」―韓国ネット(レコードチャイナ)

 ちなみに学歴、性別等では募集区分されていないために統計はないとのことですが、もはや九級公務員ですらほぼ全員が大卒なのだそうですよ。
 そして就活生の35%が公務員になりたいと考えている。ひどいときには倍率は1000倍まで行ってしまう。
 ついでにいうと学歴、性別の他に年齢制限も10年ほど前に撤廃されているので、40代のサオジョンで退職してきた人も公務員を目指してしまう(笑)。

 そんな韓国の公務員ですが、それを81万人増員するのがムン・ジェインの公約だったりするのです。
 記事中には「公務員は最低賃金の適用外」とありますが、左派であるムン・ジェイン政権の性質上、放置することはあり得ないでしょう。
 つまり、2020年には時給10000ウォンの九級公務員が81万人増える。
 ……恐ろしいわ。
 3月の時点で「ギリシャ化待ったなし。しかも観光資源のないギリシャ」って書いていましたが、それがそのまんま実現されそうですね。
 どれだけ国家予算増額する必要があるのか、計算すら恐ろしい。

ユーロ危機とギリシャ反乱 (岩波新書)
田中 素香
岩波書店
2016/1/21