開城工業団地再開には北朝鮮核状況で進展必要=韓国統一部(聯合ニュース)
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米議会上院、発議法案に開城工団再開反対を明記(朝鮮日報)
韓国統一部の李有振(イ・ユジン)副報道官は14日の定例会見で、北朝鮮との経済協力事業で現在は操業を中断している開城工業団地について、「南北関係の改善と朝鮮半島の平和醸成の過程で持つ価値を勘案すると、(操業)再開の必要性がある」と述べた。同時に、「再開のためには(北朝鮮の)非核化に向けた対話局面がつくられるなど、北の核の状況で進展が必要になるだろう」とした。

 政府高官が前日に、賃金など開城工業団地に入った資金が北朝鮮の核開発に転用されたという根拠はないと発言したのに対し、政権交代により韓国の立場が変化したのではないかという指摘も出ている。これに関し李氏は、「昨年政府が発表した時にも、開城工業団地の資金が核・ミサイル開発に転用される確実な根拠となる資料はないと把握していると申し上げた」と述べた。
(引用ここまで)
 北朝鮮が国際金融市場へアプローチするのを全面遮断する北朝鮮金融制裁法案が、米国連邦議会上院で発議された。ここで、発議を行った議員らは、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が示唆する開城工業団地再開の可能性に反対する立場を法案中に明示するという異例の措置も取った。 (中略)

 この法案は、北朝鮮に対する金融制裁を忠実に履行しない金融機関について、米国金融システムへのアクセスを全面遮断し、事案ごとに民事上の罰金を科することもできるようにした。また、海外の金融機関が北朝鮮の金融機関による国際銀行間通信協会(SWIFT)国際金融決済ネットワークの利用を援助した場合、これに対する制裁もできるようにした。

 これは、北朝鮮の金融取引を支援している中国の銀行に「セカンダリーボイコット」(第三者制裁)の警告を送り、北朝鮮を国際金融ネットワークから事実上排除して金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の資金源を圧迫するものだ。

 また同法案は、北朝鮮が核の廃棄に乗り出したり、抑留している米国人を釈放したりした場合、制裁を解除できるようにした。しかし、大統領が北朝鮮制裁を緩和する場合には議会での検討を経ることとし、北朝鮮制裁を容易に緩和することはできないようになっている。

 さらに同法案は、北朝鮮が核を含むあらゆる大量破壊兵器とミサイルなどの運搬手段を廃棄するまでは、開城工業団地が再開されてはならない、と明示した。開城工業団地を通して流れ込む現金が、北朝鮮制裁の効果を弱めるというのだ。法的拘束力のない「議会声明」(sense of congress)条項に記された内容ではあるが、開城工業団地の再開に対する米国議会の反感をそのまま表現したものとみられる。
(引用ここまで)

 大統領選挙当時から「開城工業団地を再開し、金剛山観光事業も再開する」という話をしていたムン・ジェインですので、いろいろな場面で「開城工業団地を〜」という話をはさんでくるのですね。
 統一部長官候補に記者会見で「開業工業団地を再開すべきであると信じている」なんて言わせたのも、ほぼ同じ文脈。
 おそらく、そのことによって北朝鮮が対話に乗ってこれるようにという呼び水的な話なのかな。
 いつでもその主張に乗ってこられるように、できるだけ数多く撒き餌をしておきたいのでしょう。

 14日の統一部副報道官による会見もその一環なのでしょう。
 「対話が必要だから核開発を中止しろ」とまでは言っていませんが、何度も根気強く語りかけるというのが韓国政府の基本的な立場であると。

 それを見越してアメリカから釘を刺されたというのが、今回の法案。
 アメリカの本気度が分かりますね。圧力をかけつづけるからそれに対して邪魔をするなという宣言でしょう。
 法的拘束力がない項目だそうですが、こうして明示されているだけでも韓国への(そして北朝鮮への)圧力となります。

 ただ、それでもムン・ジェインが対北朝鮮対話路線をやめるようなことはないと思いますね。
 そのために大統領になったのだといっても過言ではない人物ですから。
 「核開発はブラフで、北朝鮮は本心では対話をしたがっている」なんて言葉を大統領になってからであってですら吐ける人物です。現実よりも理念が大事であるのでしょう。

独裁国家・北朝鮮の実像 核・ミサイル・金正恩体制
坂井 隆 / 平岩 俊司
朝日新聞出版
2017/1/20