防産不正KAI、採用にも特恵疑い... ハソンヨン側近幹部3人の子供勤務(中央日報・朝鮮語)
防衛事業不正疑惑で検察の捜査を受けている韓国航空宇宙産業(KAI)の中核部門にハ・ソンヨン(66)前社長の側近たちの子供たちが採用されて働いていることが確認された。25日KAI関係者によると、同社のオ某(62)・キム某(57)専務とキョン某(56)常務らの子供は、2013年を前後して新入社員の公開採用を通じて採用された。これら韓国型戦闘機(KF -X)関連部門と購買本部などで働いている。 (中略)

匿名を要求したKAI関係者は「役員の子供らが入社願書を出す時から知る人はすでに分かっていた採用で特恵の噂も回った」と主張した。検察は、家族が採用された経緯も調べる計画だ。

これに対してKAI側は「該当役員の子供たちはすべて公開採用で入社した。1、2次面接では「ブラインド」処理され、役員子供であることを知ることができなかった」と釈明した。 (中略)

検察はハ前社長の側近と関連した疑惑で、親しいパートナーに近道で仕事量を運転与えた疑惑も調査中だ。KAIパートナーの関係者は「競争入札をしたかのように書類を企てたが、事実上は随意契約で特定の業者に仕事を与えた」と主張した。
(引用ここまで)

 スリオン、T-50(F/A-50)を開発し、次期韓国空軍の主力戦闘機となるであろうKF-Xを製造主体となるKAI(韓国航空宇宙産業)がぐっだぐだです。
 日本にはそれほど伝わってきていませんが、すでにハ・ソンヨン社長は引責辞任済み。
 スリオンは欠陥だらけで納入中止
 T-50については経費を水増ししている疑惑。
 で、今回は側近の子供をコネ入社させた件と、社長に近しい企業に優先的に仕事が廻るように便宜を図っていたのではないかという疑惑が持たれている……と。

 KAIは韓国政府がIMF管理下に置かれていた当時、ほぼ死にかけていた韓国の複数の民間航空関連企業を税金投入して再編成させた公企業なのですね。
 その公企業の従業員が自分の子供を入社させるとは何事か、というような話なのですが。
 ちなみにT-50の水増し疑惑はその差額でパク・クネ政権に対してロビー工作が行われていたのではないかというものでして。
 ええ、もちろん前政権に対する攻撃材料のひとつとして取り上げられているだけです。

 というか、このていどの不正は韓国のどの公企業でもやっているようなことですからね。
 これまで楽韓Webではこういったコネ入社とかの話題をほとんど取り上げていないのですよ。
 韓国ではあまりにも普遍的でありすぎて、取り上げる価値を見いだすことができなかったというべきか。
 これまで取り上げたのはソウル市響の指揮者が関係者をコネで就職させたり、息子のピアノ教師を楽団に勤務させたり……というニュースくらいですかね。
 これも指揮者と楽団代表がバトルした結果として暴露された話、ということが面白かったのでピックアップしたものでした。

 サムスン電子副会長のイ・ジェヨンの逮捕状請求を棄却した裁判官に対して「息子がサムスン電子に就職しているらしい」なんてデマが拡散したことがありました。
 「権力者に利益が供与されたことに対しての報酬はコネ入社」というのは韓国では一般的であるということがこんなところからも理解できるわけです。
 ちなみに件の裁判官には息子はいないのですけどね。

 ま、そんなこともあってコネ入社云々の話をひとつ取り上げたいなということがあったのでピックアップしてみました。
 あと、この余波でKF-X計画が座礁するのではないかという危険性があるので……。
 KF-X計画は本来であればほとんど意味がないものです。
 金大中政権の頃に提唱されたものが細々と命脈をつなぎ続けてきたもので、なぜかパク・クネ政権下の2013年頃から本格的にプロジェクトがスタートしたもの、ですからね。
 それもKAIがコンセプトとしてKFX-Eを提唱してからですから。

 ムン・ジェインは前政権への報復を激しく行っているために、KF-X計画そのものにもメスが入るのではないかなぁ……と思われるのですよ。
 その一方でムン・ジェイン政権の提唱する自主国防にKF-Xはハマるので、形を変えてなんとかなるのではないかなとも思うのですが。
 まあ、前政権への報復としてKF-X計画が潰れたとしたら、それはそれでおいしいのですがネタの賞味期限が短くなるなぁ……という危惧は持っています。
 なんとか実現させてほしいものですが。

半額はおそらく今日まで。
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青木 謙知
SBクリエイティブ
2016/12/15