【取材日記】半導体の超好況の中で「生産が減った」という韓国統計庁(中央日報)
「生産が減るには設備が減るか、以前には稼動していた工場が今は休んでいなければならないのではないですか。注文が数カ月間滞って忙しく工場を稼動しているのに生産が減る可能性があるのでしょうか」 (中略)

私だけがおかしいと感じているわけではなかった。企業らも驚いたという。統計庁の6月産業活動動向のことだ。7月28日に発表されたこの統計は6月の半導体生産が前月より3.9%、昨年同月より12.4%減ったと発表した。ちょうどSKハイニックスが四半期の営業利益3兆ウォン(約2649億円)を史上初めて突破し、サムスン電子の半導体部門が4−6月期に8兆3000億ウォンの営業利益を上げたという実績が発表された、まさにその時点だった。

業界は超好況だが、生産が減ったという産業統計。なぜこのような結果が出たのだろうか。 (中略)

「会社が提出した生産金額に韓国銀行の生産者物価を反映して実質生産の増減幅を計算する。我々は手続きを充実に履行した」と一貫した。それでは、半導体価格の調査が間違っているのだろうか。韓銀も口をかたく閉じている。「どの製品価格をどのような割合で調査したのか、具体的に明らかにすることはできない。会社別に営業機密が流出する可能性がある」ということだ。

問題はこの統計が重ねられて国内総生産(GDP)という経済指標が出ているということだ。GDPは景気変動がどうであるか、経済成長がうまくいっているのかを把握する国家的核心指標だ。金利を引き上げるかどうか、追加補正予算を確保するかどうかを決める最優先尺度だ。

さらにもどかしいのは沈黙だ。統計数値が合っているかどうかをめぐる議論も、おかしいという数値は一度確認してみるという意欲もないように見える。実状を誰よりもよく知っている半導体業界も沈黙している。韓国半導体産業協会関係者は「おかしいが、政府統計を公に批判することも難しい」と打ち明けた。

だからこそ恐ろしい。万一、半導体生産統計だけが実状を反映していないのでなければ、多くの産業生産統計が実際とは違って作成されていれば、どうなるだろうか。野村金融投資のチョン・チャンウォン・リサーチヘッドは「体温を測り間違えると、熱が下がっている患者に解熱剤を投じることになるように、GDPを計り間違えるととんでもない経済政策が出る可能性がある」と懸念した。
(引用ここまで)

 うむ、そうなのですよね。
 いま半導体関連業界はとんでもないことになってます。
 4-6月期はサムスン電子、SKハイニックスは好決算。もちろん、海外も日本も半導体関連企業は好決算連発中。信越化学工業の半導体シリコン部門は営業利益45%増、東京エレクトロンは営業利益148%増。
 関連株も一度下落があったのですが、そこでさらにうちは買いをつけたくらいで。けっこうな額を半導体関連株につっこんでいます。
 おそらく、このサイクルは2018年まで続きます。
 そこからさらにこの好況が拡大するかどうかは分かりませんが、IoT関連にしろAI関連にしろ半導体が必要とされるシーンは拡大し続けることに間違いありません。
 サムスン電子が異様な好決算をつけたのも当然といえば当然。

 なので、この統計を目にしたときには頭の上にはてなマークが浮かんだのですよ。統計としてありえない。
 前年同月比で12.4%減。ありえない。
 スポット市場価格を見てもNANDフラッシュメモリもDRAMも高止まり中。
 確かに半導体関連工場というのは雇用に貢献するかといったらそんなことはないのです。ゴミの元となる人間はできるだけ排除して、無人にしたいというのがこの業界の常識。
 なのでそういう意味での貢献がないというのであればまだ理解できなくもないのですが……。

 韓国政府の出してくる統計数字には時折「なにこれ?」みたいなものがあって、今回の数字はその象徴のようなものです。
 1-3月期のGDPもプラス1.1%のポジティブサプライズだったのですが、その伸びのほとんどが建設関連の伸びだったという話で、好況を予想していた「半導体はどうしたの?」って気になったのですよ。
 うーん、これが「半導体業界だけ」の統計値のミス(?)であればよいのですけどね……。

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2016/2/13