前のめりの韓国、最低賃金アップで文在寅がダウン(ニューズウィーク)
あちらを立てればこちらが立たず──。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今、経済政策の難しさを痛感していることだろう。

文は大統領選中から、雇用促進と所得格差の改善を掲げてきた。格差是正に向け、手始めに打った政策が最低賃金のアップ。だが早速、この政策が雇用を失うことになりかねないとして大論争が巻き起こっている。

7月15日、文政権は来年度の最低賃金を現行から16・4%引き上げ、時給7530ウォン(約750円)とする方針を決定した。これに産業界が猛反発。文は格差是正どころか、企業が国外脱出して雇用そのものがなくなるというジレンマに陥っている。

象徴的だったのは、創業100年を超える韓国の老舗繊維企業の京紡が、国内工場の一部をベトナムへ移転する決定を下したこと。同社の金ジュン会長は24日、工場移転で従業員が職を失う恐れに「心が痛む」としつつも、最低賃金の上昇によるコスト増に耐える余力がないと語った。 (中略)

企業ばかりではない。今回の決定は治安にも影響しそうだ。京郷新聞によれば、首都ソウルのあるアパートの入居者たちは警備員を雇うコストを減らすために、その数を現状の20人から12人にする案を入居者会議で提案。こうした動きは、地方都市でも見られている。

意外なことに、本来は賃金上昇で恩恵を受けるはずの若者たちですら、文政権の決定に疑問を呈している。大学生でつくる韓国大学生フォーラムは、最低賃金が1%上昇すると雇用が0.14%減るとする研究結果を発表。中小・零細企業への負担増を政府が補填する政策についても疑問を呈し、「政府が市場を予測し、制御できるとする傲慢な発想」と論破する始末だ。 (中略)

前のめりになる文だが、今のままでは勢い余って大きく転倒しかねない。その原因は、最低賃金問題にしろ、北朝鮮問題にしろ、周囲の反応を読み切れていないところにある。

「ヘル(地獄)朝鮮」の言葉に代表されるように、韓国経済における格差問題は確かに深刻で、対策が必要だ。一方、緊張が高まり続ける半島情勢においても緩和措置につながる動きが必要だろう。ただ、そうした政策の実現には、すべからく「ステークホルダー」たちとの擦り合わせが不可欠だ。文は理念が先行し過ぎるあまり、現実的なプロセスを避けているきらいがある。

「国民の大統領」を標榜し、市民に寄りそう政権運営を掲げる文だが、今のところはかなり唯我独尊的だ。
(引用ここまで)

 2ページ目の北朝鮮への対話路線のこれまでの失敗はざっくりとカットしています。
 読みたい人はリンク先へどうぞ。

 1ページ目の経済関連はよく整理できていると思います。
 とにかくすりあわせをしようとしないのですよね。
 現状、経済は崩壊しているわけでもなく、国民ひとりあたりの所得は2万ドル後半という水準まできている。
 つまり、それなりの経済構造が完全にできているにも関わらず、「歪みを修整するのだ!」とばかりにすべてをぶっ壊そうとしている。
 壊そうとしているつもりはないのでしょうが、結果的にぶっ壊れかけてますわな。

 最低賃金を100円も上げるような大きな変化をつけるのであれば、対応も大きくならざるを得ない。
 記事中にある京紡は最新の設備込みでベトナムへ海外脱出
 小売店は無人化で対応
 非正規雇用の正規化も同じことで「それじゃあ、非正規そのものを少なくすればいい」となる。
 かえって雇用を大きく減らしています。
 一定以下の規模の企業については、政府からの支援が3兆ウォンほど出ることになっているのですが京紡は中小企業ではないですからね……。

 北朝鮮への対話路線も、ムン・ジェインの個人的経歴から見れば理解できない話ではないのですが。
 現在の国際情勢でなにを言っているんだおまえはってなる。
 経済にしても外交にしても、国にその力がないのに根本から変えようとしてしまっている。その副作用をまったく鑑みずに。

 愛嬌のないノ・ムヒョンであり、より話を聞かないパク・クネであるようにしか見えません。
 つまり、これまでの韓国における最高の大統領になるということですかね。
 楽韓Webはムン・ジェイン政権を応援しています!

応援する力
松岡修造
朝日新聞出版
2013/12/13