【コラム】三流政府が二流企業に指図する韓国(朝鮮日報)
 先週末北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した際、人々を戸惑わせたのはむしろ韓国政府の豹変(ひょうへん)だった。それまでTHAADに否定的だった政府が突然「追加配備」へと態度を転じた。結果は明らかなのに手続き的正当性だの環境影響評価だのと言って、配備に道を開いた。流れに逆行していた政府がICBM1発で態度を180度変えると、人々はその軽薄さに驚いた。アマチュア政府だという心証がさらに固まった。(中略)

 新政権の国政を見るにつけ、「サプライズショー」という言葉しか見つからない。3カ月間、国民を驚かせるような政策を次々と繰り出した。脱原発に始まり、最低賃金、非正社員の正社員転換など国の骨格を変えるほどの重大事だ。どれだけ検討や討論を重ねても足りない政策をまるでショーでもやるかのように展開した。即興的で過激な処理方法はプロの手法とは程遠かった。企業ならばこんな経営陣は即刻クビだ。

 新政権の経済哲学は「所得主導」の成長だ。表現は壮大だが、実態は政府主導、税金主導だ。政府が先頭に立ち、経済を成長させ、パイを拡大しようという考え方だ。税金を投入して、所得を創出し、雇用も生み出すというわけだ。経済の枠組みを変えようという「時代精神」は評価に値する、問題意識にも拍手を贈りたい。しかし、方向も処方もことごとく誤った。「無能で真面目なリーダーが最悪」という経営のことわざがある。意欲あふれる政府の混乱ぶりを見て、その言葉が浮かんだ。(中略)

クラウディングアウト効果という経済学理論がある。政府が支出を増やすと、金利が上昇し、民間の投資や消費が減少する減少を指す。同じ資金を政府よりも民間が使った方が経済にはプラスだ。ところが、新政権は歳出を大幅に増やすという。効率的でも戦略的でもないアマチュア政府がカネをもっと使うと言っているのだ。 (中略)

真の問題は文在寅政権が自分たちの実力を知らないことだ。三流であることも知らずに企業を指導しようとしている。非正社員をなくせ、性別、年齢、学歴、名前を伏せて選考する「ブラインド採用」を推進しろと圧力をかける。大統領と政権幹部は企業に「国政哲学の共有」を迫っている。言う通りにしろと命じ、反発すれば既得権集団だとして批判し、気合いを入れる。(中略)

任期5年のアマチュア政府が企業のコーチを務めるというのは傲慢に近い。そうした傲慢が生まれるのは政府の視野が国内にとどまっているからだ。どうか外に目を向けてもらいたい。他国がどうやっているかを見れば、「自分たちに従え」という発想はできないはずだ。このまま5年間、アマチュア国政に苦しまなければならないとすれば本当に悪夢だ。
(引用ここまで)

 韓国の保守派からはもはや断末魔の叫びとも受け取れるような嘆きが聞こえてきていますね。
 ムン・ジェインの就任からまだたった3ヶ月なのに、韓国経済の向かう先は確実な一方向だけとなっているのでそれも当然ですけどね。

元から低くもない法人税率アップ
最低賃金を3年で1.5倍にジャンプアップ
非正規雇用はすべて正規雇用に転換
労組はすべて正義
借金は徳政令カードで帳消し

 これまで経済学でさんざ実証されている「政府からどれだけ助成金を垂れ流しても、実効経済には金額の半分も影響を及ぼさない」というような話もまったく無視。
 15%という大幅な最低賃金の上昇にも政府から支援金。
 増税もしないのに福祉は異常なほどの大盤振る舞い。

 まあ……あるていどは経済成長に対してプラスの効果があるとは思いますが。
 問題はこの助成金、支援金をどこまで継続させるのか。
 たとえば最低賃金を100円以上増やしましたが、これに対応できない中小企業を支援するためという名目で3000億円規模の支援金が出ることが決まっています。
 ムン・ジェインの聖公約は2020年までに最低賃金を1万ウォンにすることでしたから、来年も再来年も15%ちょっとの賃上げをしなければなりません。
 つまり、来年には支援金は6000億円、再来年には9000億円規模で支援が必要になるということですよ。

 そしてそれ以降も続けるのかどうか。
 助成金漬けにした中小企業がそれなしで一気に1.5倍以上になった賃金に耐えられるのか。
 最低時給が1万ウォンとなり、すべての非正規雇用がなくなり、福祉は厚くなっていく。
 「世界で10位圏の経済規模」を誇るような国が経済実験国家となるわけです。
 悪い意味で世界から韓国の経済政策は注視されていると思いますよ。
 もし、これでうまくいくようであれば、主流となっている経済理論を覆すことになるのですから。

 まあ……そんな未来は存在しないとは思いますけどね。