サード葛藤後の暴風... 韓・中通貨スワップの運命は(マネートゥデイ・朝鮮語)
去る2月THAAD配置決定後、両国関係が急速に冷却された影響で、10月に満期が到来する韓・中通貨スワップ延長が不透明になった。通貨スワップの終了時点が二ヶ月余り残っているが、交渉が進展をせずにいる。

7日、企画財政部と韓国銀行によると、韓中通貨スワップは来る10月10日、3年の満期到達となる。現在、両国実務レベルでの延長交渉を進めているが、具体的な成果はない。
先月、ドイツで開かれたG20(主要20カ国)の会議でムン・ジェイン大統領と習近平国家主席が会ったものの外交懸案に押されて通貨スワップ延長についての議論はなかった。

通貨スワップは、異なる通貨をあらかじめ約定した為替レートに基づいて交換することができる協定で両国は世界的な金融危機直後の2008年12月に初めて通貨スワップを締結した。外貨流動性危機時、韓国は人民元を、中国はウォンを契約限度まで融通して使うことができる。これまで小規模な貿易決済のみ活用した。
最初に約定された為替レートは、1800億元/ 32兆ウォン規模であった。2011年の再交渉では限度が3600億元/ 64兆ウォンと2倍に拡大され、2014年の交渉では3年間の延長で合意した。

韓・中通貨スワップは、韓国が締結した二国間通貨スワップ協定の中で最も規模が大きい。今年初めに3年間延長契約が成立したオーストラリア(100億オーストラリアドル/ 9兆ウォン)、マレーシア(150億リンギ/ 5兆ウォン)などの6〜10倍以上の金額だ。
現在、韓国は他の国と締結した通貨スワップの規模は、米国ドル換算時1220億ドル水準である。このうち多国間で締結されているチェンマイイニシアティブ(CMIM)のみ384億ドル限度に直接ドルを融通することができる。残り通貨スワップは、契約当事者間の通貨のみの交換が可能である。

キム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官とイジュヨル韓国銀行総裁は、これまで「両国の経済に役立つという論理で協議していく」との立場を明らかにしてきた。政治と経済は分離してアクセスするという、いわゆる「政経分離」の原則である。
しかし、最近THAAD葛藤局面がより悪化し、原則論は力を失う雰囲気だ。王毅中国外交部長は6日、韓中外相会談で「韓国政府が7月28日THAADの(追加)配置を決定し、両国関係に水を差した」と遺憾を表明した。
これに対して韓国銀行関係者は「まだ有効期限が2ヶ月程度残っているので下手に結果を予断するのは難しい」とし「交渉過程で韓国側の立場を十分に伝え、理解を求めるだろう」とした。

専門家は慎重なアプローチをとの提言を出している。ソン・テユン延世大経済学部教授は「人民元通貨スワップは米国ドルとは異なり、流動性危機の状況下で実質的には大きな助けとはなることができない」とし「中国と通貨スワップ延長が失敗に終わる可能性に備え、国内外貨準備高を安定的に運用して、他の主要国との新しい通貨スワップ締結も心配すべき状況」とした。
アン・ドンヒョン資本市場研究院長は「THAAD配置問題で中国との通貨スワップ延長が失敗に終わった場合、このような点を今後米国とのFTA(自由貿易協定)などの経済交渉の過程で積極的に知らせ実利バランスを合わせる努力が要求される」とした。

通貨スワップは原則として米国、日本、欧州など基軸通貨国と締結することが効果的であるものの、現実は簡単ではない。米国とは2008〜2010年において300億ドル規模の通貨スワップを締結したが、世界的な金融危機に対応した一時的措置であった。日本とは最大700億ドル規模の通貨スワップ契約を締結したが、外交葛藤で徐々に規模が縮小され、2015年2月に全面終了した。韓日両国は今年初め通貨スワップ再開を協議したが、日本側が慰安婦少女像の設置を問題視し、一方的に交渉終了を通知して失敗した。
(引用ここまで)

 中韓通貨スワップが本格的に終了する場合、ひとつの懸念があるのです。
 それは本格的に韓国の立ち位置が日本・アメリカ側に戻ってくるのではないかというもの。
 現在のところ、日本もアメリカも「韓国なしでの対中包囲網構築」をきっちりとしています。
 その相手としてインド、ベトナム、オーストラリアといったところを選んでいる状況。
 ですが、アメリカとしてみれば慰安婦合意という手間をかけてまで日韓関係を修復させようとしたのは、日韓間がうまくいけば対中包囲網の構築が楽になるから、なのですよ。

 逆にいえば中国としては日米韓の関係の中でもっとも崩しやすそうなところから崩した、というが実際のところ。
 つまり、それだけ日米韓で固まられるとやりにくいというのが実際なのです。
 それを勘違いして韓国は「我々はもてもてだ!」とか外交的勝利を喧伝するに至っていたのですけども。

 とはいえ、中国もここまで手なずけた韓国を外すという選択をしないとは思うのですよ。
 ここまで圧力をかけておいて、さらに中韓通貨スワップ協定まで終わらせるということは、本気で韓国を手放すという宣言ですから。
 さすがにそれはない……と見ます。額の縮小とかはあるかもしれませんけどね。
 「THAAD配備によって引き起こされる混乱から国際的経済混乱を招きたいわけではない」みたいな話をして、継続するといったところが本命ではないでしょうか。

 米韓、日韓の通貨スワップ協定がないのであれば、「中国からの施し」としては効くでしょうからね。実効的価値の有無にかかわらず。
 さらに「THAAD葛藤があるにも関わらず通貨スワップ協定を延長してくれた大人(ダーレン)こそが中国なのだ」という印象を与えることもできるでしょう。
 そのあたりの天秤の用いかたは心得ていると思うのですが。