【時視各角】慰安婦合意は破棄するべきか(中央日報)
最近、2年前の韓日慰安婦合意が乙巳勒約((第2次韓日協約)並みの反民族行為だとして罵倒される雰囲気だ。破棄運動が広がり、60%前後だった再交渉賛成世論は85%まで高まった。本人の意思も尋ねず合意したのは明白な誤りだ。21日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が韓日議員連盟代表団に会った席でもこの問題が取り上げられた。しかし被害者の多数が合意内容に反対しているかのように導くのも間違っている。文大統領は6月、ワシントンポスト(WP)のインタビューで「慰安婦合意は韓国国民が情緒的に受け入れられず、特に被害者が拒否する」と述べた。

果たしてそうだろうか。合意履行のために設置された和解・治癒財団というものがある。あまり知られていないが、これまで接触した被害者47人のうち36人が慰労金1億ウォン(約1000万円)を受け取ったり受けることを決めたというのが財団側の説明だ。また1人あたり平均4回ずつ受け入れ意思を確認し、強要・懐柔によるものでないことを証明するために録画することもあったという。韓国挺身隊問題対策協議会(挺身隊対策協)側は「正確な合意内容を正確に知らせることもなく資金を受け取るようにするのは不当な措置」と指摘する。しかし多数の被害者が合意を拒否しているとは言えない。

過去の政権の作品であっても外交的な合意を覆そうとするのは大きな問題だ。後に新しい妥協案を引き出す時、「今回は破棄しないとどうやって信じればよいのか」と尋ねてくればどうするのか。

合意があった2015年末には「韓日関係の改善が急がれる」というのが世論の大勢だった。当時、韓日関係について韓国人の67.2%、日本人の67.8%が「望ましくなく、改善されるべき」と答えた。さらに平均90歳の被害者が少しでも補償を受けるには一日も早く解決策が出てくるべきだという緊急性も合意を催促した。

迅速な韓日関係改善および被害者補償、そして国民100%が満足する日本側の謝罪および措置という2つの選択肢のうち前者を選んだからといって非難できるかは疑問だ。

20世紀最高の法学者ハンス・ケルゼンはこのように指摘した。「2つの価値が衝突する時、どちらがより重要かは、合理的な認識で決めることはできない」と。相反する価値が存在する時は何が正義かは誰も断言できないということだ。

慰安婦合意に胎生的な欠陥があるのは事実だ。それでも完全になかったことにするかは別の話だ。韓日関係の専門家らは「今の雰囲気ではより良い解決策を引き出すのは不可能」と口をそろえる。

もちろん再交渉の声が高まるのは安倍政権の責任も大きい。安倍晋三首相から謝罪の誠意が感じられない。昨年10月、日本の国会で慰安婦被害者に謝罪の手紙を送る考えがあるのかという質問が出ると、「毛頭ない」と答えたのが端的な例だ。このため従来の合意を土台に首相の謝罪手紙の伝達など補完策を添えるのが望ましい。北朝鮮と核ミサイル問題で対立する状況で非常時支援基地になる日本と協力するどころか戦線を形成するほど非理性的なこともない。
(引用ここまで)

 比較的冷静な「慰安婦合意」に対する韓国保守派側からの提言。 
 これも保守派からの断末魔の叫びのひとつでしょう。これまでは経済関連でのそれが多かったのですが、外交政策でも同様の声が聞かれるようになってきましたね。

 アメリカとの外交関係をどうするのか、中国とはどうするのか。そして日韓関係をどうするつもりなのか。
 ムン・ジェイン政権の外交政策からは具体的な方向性が見えてきていない。
 この情勢の中で韓国をどこに向かわせようとしているのか。
 あえていうならアメリカとは距離を取り、北朝鮮とは対話路線継続という感じですが。
 それによってどこへ韓国を持っていこうとしているのかが不透明なので不安を持たれているのですね。

 で、日韓関係を象徴するものが慰安婦合意。
 安倍総理が「ゴールポストは動かない」と発言したように、日本側が慰安婦合意を日韓関係の大前提としているのは間違いないところ。

  つまり、中央日報は「慰安婦合意を覆してもいいだろう。ただ、ムン・ジェイン政権はそのあとの日韓関係がどうなるのか理解しているのだろか」という話をしている、ということなのですよ。
 よくて崩壊寸前、悪くすれば崩壊という状況に追い込まれることになるが、その覚悟はあるのか、事後策はあるのかと問うているわけですね。
 外交政策でも不安要素満載なので。

 まあ……これまでのやりかたを見るに事後策とかないでしょう。
 ろうそく革命を主導した勢力、そしてなによりも韓国の最高権威者である慰安婦とその地上における権威代行者である挺対協が反対している。
 とりあえず現状は「慰安婦合意を韓国国民は受け入れられない」「被害者を優先しなければならない」という発言に留まっています。
 しかし、先月末に発足した慰安婦合意対策タスクフォースが、どのような経緯で合意が結ばれたのかという結論を出せば遠慮なしに再交渉、破棄といった方向性を打ち出すことでしょう。

 そして、当事者である前外交部長官ユン・ビョンセは高く吊されることになるのでしょうね。
 チャ・ウンテクと同様の姿となって……。