サムスン副会長、きょう宣告…サムスン側「証拠と法理だけで判断を」(中央日報)
李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の賄賂供与容疑などに対する1審宣告が25日(午後2時30分開始)に下される。李副会長が拘束されて189日ぶりだ。裁判を引き受けたソウル中央地裁判所院刑事合意27部(部長判事キム・ジンドン)の決定により生中継は行われない。

李副会長の容疑は大きく4つだ。朴英洙(パク・ヨンス)特別検察官チームは事件の本体である賄賂供与の他に、賄賂供与の手段に当たる資金調達(横領)、チョン・ユラ氏への乗馬支援契約(犯罪収益隠匿)、海外送金(財産国外逃避)などの過程で個別的な容疑を適用した。7日、特検チームは懲役12年を求刑した。

2015年9月〜2016年2月のチョン・ユラ氏への乗馬支援、ミル・Kスポーツ財団と冬季スポーツ英才センターなど非営利法への支援に入った資金の全額〔298億ウォン(約28億9000万円)〕が朴槿恵(パク・クネ)前大統領がサムスングループの経営権「継承作業」を助けることに対する包括的な代価だというのが賄賂供与容疑に対する特検チームの公訴事実だ。2014年11月、ハンファとの防衛産業をめぐるビッグディールから2016年サムソンバイオロジクスの上場まで一連の事案がいずれもサムスングループの支配権を「継承する作業」という主張だ。 (中略)

サムスン系列会社のある役員は「李副会長が最後の弁論で『三人成虎(3人が虎が現れたと話すと、すべての人が信じることになるという意味)』を言及した。裁判は世論や雰囲気でなく証拠と法理によって厳格に行われなければならない」と話した。
(引用ここまで)

 このサムスン電子副会長の裁判、パク・クネや加藤達也氏のそれほどではないにしても、日本でもそれなりに注目すべき裁判ではないかと。
 主たる容疑は贈賄。
 その理由は「元気だけども死の淵にあるイ・ゴンヒから一刻も早く権力委譲をしなければならない」ということが挙げられているのです。
 なにしろ、いまイ・ゴンヒが死んでしまうと相続税は6000億円以上になるとのことなので、権力委譲を急いでいたのだろうと。
 かなり無理矢理だった企業合併を韓国の年金機構に賛成させてまで行ったのはこのあたりが原因で、そのためにチェ・スンシルに贈賄を行ったとされているのです。
 チェ・スンシルが牛耳る乗馬協会に多額の寄付を渡し、その娘には3億円の馬を与えた。
 その結果、大株主であった年金機構が企業合併に対して賛成に廻ったのだ、と。

 そう、この事件はチェ・スンシル関連事件なのですね。
 つまり、「ろうそく革命」によって打倒された旧政権である悪の権化、パク・クネ政権を傀儡としていた女帝チェ・スンシルに贈賄することで多額の利益を得ようとしていた、イ・ジェヨンが裁かれるターンなのです。
 ……というのが検察の描いているこの裁判に関する容疑なのですが。
 まあ、正直なところ無理筋。最初の逮捕状請求は裁判所から棄却されたほどに無理筋。
 その棄却の判断に対して韓国民が立ち上がり、初回の棄却判断をした裁判長のプライベートをひとつ残らず暴き、息子のサムスン電子への就職というデマまで拡散されたおかげで、2回目の逮捕状請求ではめでたく逮捕、そしていまだに拘留が続いています。

 国民感情としては完全に有罪。
 そして、パク・クネ政権を否定するために生まれたムン・ジェイン政権としても有罪。

 ムン・ジェインが大法院長官の指名をここまで遅らせてきたのは、この判決言い渡しにあわせてきたんじゃないかと思われる部分もあるのですよね。
 この裁判の裁判長に「我々の意向を受け入れるなら地裁の所長クラスで、最高裁判官の経験がなくても大法院長官になれるのだ」と見せつけるため。
 そのためにサムスン電子副会長は半年間拘留され続け、さらにはムン・ジェイン政権の公取委員長までが裁判に参考人として出席している
 有罪にする気満々。

 日本からの注目点は、まさにこれ。
 韓国の裁判官はこの無理筋(本来であれば逮捕状請求すら棄却されるレベル)の裁判、しかし、国民と政権からは有罪を下すことを期待されている裁判に対してどのような判断を下すのか。
 日韓関係を破壊することができる徴用工裁判にも波及する判決なのですよ。
 注目の判決は午後2時半から言い渡されます。

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麻生みこと
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2008/3/5