韓国企業の営業利益、10大企業除けば減少(朝鮮日報)
【コラム】文在寅政権、産業・金融政策が見えない(中央日報)
 大韓商工会議所の集計によると、韓国の上場企業494社の4ー6月期の営業利益は、全体で見ると前年同期比17%増の37兆ウォン(約3兆6200億円)だったが、10大企業グループを除くと、24%減の9兆7000億ウォンにとどまった。(中略)

 朴会頭は「統計数値の上では、韓国経済にも回復傾向が見られるが、一部の企業、業種に収益が集中する減少が続けば、経済全体に回復が行き渡るのは難しい」と述べた上で、「輸出増加傾向も半導体など一部業種がかなりの部分をけん引していることが分かった。こうした偏りを解決するため、経済の根本的なパラダイム(枠組み)を転換すべきとの点に経済界も共感している」と述べた。

 朴会頭は「二極化の解消努力とともに全産業分野に革新活動が広がることを期待する。革新を通じ、国家全体の力が強化されれば、『持続的成長』と『格差解消』という好循環も可能だと思う」と指摘した。
(引用ここまで)
今の文在寅政権はどうか。福祉政策ばかりが目立ち、これといった産業・金融政策は見えない。中小ベンチャー企業部と第4次産業革命委員会が新しく発足するが、政策の方向は五里霧中だ。今後議論しながら準備するということだ。産業政策のトップ部処である産業通商資源部は脱原発政策にオールインするようであり、新しい成長動力に目を向けていない。科学技術情報通信部も未来の産業の発掘は後まわしで、通信費を引き下げるのに血眼だ。金融政策ではカード手数料引き下げや家計負債管理案が集中的に議論される。金融を一つの産業へと発展させるという意志は感じられない。 (中略)

白雲揆(ペク・ウンギュ)産業部長官の動きが代表的な例だ。脱原発専門家として抜てきされた彼は産業政策のリーダーシップを発揮できずにいる。財界人が彼に通商圧力の衝撃のような苦衷を打ち明けると、「雇用創出に協力してほしい」と的外れな返答をする。パク・ソンジン中小ベンチャー企業部長官候補は資質問題で就任もできない。2人とも大統領選挙陣営で活動した元教授だ。 (中略)

お金のにおいに驚くほど敏感なのが企業と市場の生理だ。したがって良い政策を作るには市場との疎通能力が必須となる。しかし現実は逆だ。過去の積弊を反省して静かについてこいという態度だ。大統領は疎通の政治を約束したが、経済はすでに不通となっている。財界は沈黙モードに入っている。新政権は新産業を育成する意志も能力もないのだろうか。それとも放置しても経済はうまくいくと錯覚しているのだろうか。
(引用ここまで)

 何度か書いていますが、半導体のスーパーサイクルは本当にすごいことになってます。
 当初は今年中で終わりとも言われていたのですが、2018年もおそらく継続。NANDフラッシュがあまりにも好調で、東芝がぐずぐずとしているうちに債務どうにかなったりしてとかいう冗談が出てくるくらい。
 もともと半導体というものはそういうもので、儲かるときは異常に儲かる。そうでないときは頭を下げて嵐が過ぎ去るのを待つというようなパターンを繰り返す産業なのですが。今回は儲けの出るターンがだいぶ長く続いています。

 そのおかげで韓国企業でも半導体関連企業にだけ恩恵がきているのでしょう。
 サムスン電子の異常なまでの好決算も当然といえば当然で、DRAMにしてもNANDAにしてもどこまで行くんだろうといったところ。
 関連株も一度調整が入ったりしましたが、また持ち直しています。

 で、その半導体スーパーサイクルによる利益を取り除いてみると韓国の上場企業の営業利益はむしろ減少している。
 そもそも10大企業かそうでないかは致命的な差がある感じですね……。画像は朝鮮日報から引用。

10bigcompaniesornot

 この儲かっている10大財閥が直接雇用するのは全体の労働者の1%以下です。

 で、ムン・ジェイン政権はどんな方向性で韓国経済を牽引していこうかとしているのかというと、それがまったく見えてこない。
 とりあえず「財閥は死ね、というか殺す」という方向性だけは確定しているのですが。
 それと大統領選の頃から「中小企業振興」を方針として出してきていますが、具体策ゼロ。あえていうなら最低賃金上昇に伴う負担軽減策くらい?

 最大の問題は「実は経済政策を執ろうにも、その実力も知識もなにもない」という懸念があることなのですよ。
 外交部には外交経験者がおらず、産業部には経済に詳しい人物がいない。
 財閥主導脱却を標榜していますが、それで本当に韓国経済がうまくいくのか。
 一人あたりのGDPが2万ドル後半、3万ドルに届くのではないかという経済において中堅以上の国が、それまでの経済構造をすべてかなぐり捨てるというなかなかの大実験なのです。
 Jノミクスを生暖かい目で見守ろうではないですか。