【社説】国難の最中でも政争に余念がない韓国の政治家たち(朝鮮日報)
 韓国文化放送「MBC」の金張謙(キム・ジャンギョム)社長に対する逮捕状が出されたことに抗議し、保守系の最大野党「自由韓国党」は国会での日程を全てキャンセルすると発表した。これに対して与党「共に民主党」の議員らは「もう帰ってくるな」とあざけっている。現職の地上波テレビ局の社長に対し、不当労働行為を理由に逮捕状が出るなど前代未聞で、誰が見ても無理があり感情的だ。MBCとKBS(韓国放送公社)を意のままに掌握しようとする与党の動きが現実になったものと言えるだろう。公権力が私的な暴力行為の道具に転落してしまったのだ。

 一方のMBC側にも問題はあった。MBCの大株主である放送文化振興会の高永宙(コ・ヨンジュ)理事長は先日法廷で「文在寅(ムン・ジェイン)大統領は共産主義者だ」と複数回にわたり主張した。文大統領が左翼的な経済観、社会観を持っているのは事実かもしれないが、しかし暴力革命を目指す共産主義者というのは言い過ぎだ。このような常識外れの主張に対して与党が「逮捕状」という形で報復した可能性があり、これが野党の国会登院拒否を招いている。議員たちに対して合理的で穏やかな国会運営を期待することさえもはや無理な話だろうか。

 MBCとKBSの労働組合は今日から経営陣らの辞任を求めて同時ストに突入する。またすでにストを行っているKBSの記者らは、北朝鮮が6回目の核実験を行ったことでニュース制作への復帰を求める声をも無視している。彼らは社長の辞任と出国禁止が先だと主張しているわけだが、これが本当に地上波テレビ局の職員がやることだろうか。外では敵から危険な武器を突き付けられているが、国内はバラバラで国民や政党同士が互いに相手への敵意をむき出しにしているのが韓国の現状だ。
(引用ここまで)


 「国難にあってはまず内乱」 というのは韓国の歴史的なパターン。
 もはや伝統といってもいいほどのものですが。
 国難にあたっては弱点をさらけ出すことになるのですよ。韓国でウリではない人々はその弱点を攻めまくる。
 それによって国力そのものが低くなる。秀吉の朝鮮征伐でもそうでしたし、李朝末期でも同様。何度も何度も繰り返しています。

 この記事で出ているコ・ヨンジュという人物が「ムン・ジェインは共産主義者だ」と最初に述べたのはパク・クネが大統領選に勝利したときで「彼は共産主義者で勝つことがあったら大変だ。まだ韓国には国運が残っていた」というような発言をしたのですよ。
 これに対して2015年にムン・ジェインは名誉毀損で訴えていたのですが、なぜかその捜査がはじまったのが先月のことだったのです。
 パク・クネが大統領であった時期はなにもせず、ムン・ジェインが大統領になったらいきなり捜査がはじまった……というわけですね。
 それ以前にもこのふたりにはいろいろと確執があって面白いので、そのあたりが気になる方は産経新聞の記事もどうぞ。

「金日成奨学生」韓国司法界に浸透 元公安検事は断言「文在寅は共産主義者」(産経新聞WEST)

 で、先月31日に行われたその名誉毀損の法廷でさらに「ムン・ジェインは共産主義者である」と発言したわけです。
 その報復としてMBS社長に逮捕状が発行されたのではないか、という。

 MBS、KBSの社員たちがストライキをしているのは、パク・クネとチェ・スンシルの国政介入疑惑について報道を手控えていたからという理由でして。
 社長や経営陣はその責任をとって自認しなければならないとの主張。
 これもまた内乱です。
 いま強くなっているのがパク・クネの反対勢力であるムン・ジェインだからこそできるわけです。

 ちなみにムン・ジェインは自著で「前政権に容赦なく加えられる報復の歴史は必ず終わらせなければいけない」と記していました。
 報復しかしてませんけどね。
 ムン・ジェインも理念としては「報復の応酬を終わらせるべき」と思っているのでしょうし、あるていど本心なのでしょう。
 でも、こうして周囲がそれを許さない。「報復の権利を使わせろ!」という声を抑えるようなことがあれば、その声は自分に向かいますからね。
 これはムン・ジェインだけに限らず、歴代政権がずーっとそうだったということですが。

 韓国の歴史というのはこうして紡がれていくのです。
 ちょっと哀れに思いますね。

本当は怖い韓国の歴史 (祥伝社新書)
豊田有恒
祥伝社
2013/1/25