現代・起亜自の販売台数 今年700万台割れの見通し(聯合ニュース)
 現代・起亜の関係者は10日、「今年は700万台販売も厳しい状況で在庫が約200万台に上る」と説明した。内部の予想通り、今年の販売台数が700万台を割り込む場合、2011年以来の低水準となる。

 両社の販売台数は09年が464万台、10年が574万台、11年が660万台、12年が713万台、13年が756万台、14年が800万台、15年が801万台、昨年が788万台だった。

 中国市場での販売台数はさらに深刻だ。現代と起亜の中国生産施設の生産能力は265万台だが今年の販売台数は生産能力の半分にも満たない130万台を下回る可能性が高いという。

 また、米国市場では販売台数の減少だけでなく、収益性の悪化が最大の問題として浮上している。今年上半期(1〜6月)の両社の海外販売台数は、中国が前年同期比46.7%減、米国が同8.6%減となった。欧州は同6.5%増加した。
(引用ここまで)

 去年までにヒュンダイ・キア自動車は海外工場を増強して年間900万台以上の生産設備を整えていたのです。
 北米向けのメキシコ工場ができ、中国には4つの工場が稼働している状態。
 中国にはさらに第5工場まで着工していたはずで、これが今年完成予定だったかな。

 記事中にあるように2014年には800万台を売り上げ、ヒュンダイ・キア自動車は我が世の春を謳歌しいていたのです。
 ヒュンダイ自動車の本社ビルのための広大な用地を確保したのもこの頃でしたね。
 楽韓Webではこれを「ヒュンダイ自動車会長のチョン・モングによるソウルへの凱旋式だ」と評していたものでした。
 2015年にも2年連続して800万台を記録していましたが、去年は788万台に下落。
 そして今年は700万台を割り込む見通しとなったと。

 なぜこれほどまでに海外工場の建設を急いだのかというと、まず第一には量の作用が欲しかったということが確実にあるでしょうね。
 同一品の量が取れる企業は強い。アップルがスマートフォン業界で強い発言力を持っているのと同じことです。
 値引き額にも生産量にも大きく口出しできるわけです。
 もうひとつの大きな理由は、韓国国内で工場を建てるわけにはいかなかったから。
 労組が強く、生産効率の悪い国内工場は半ば放置した形で、海外工場の建設に固執せざるを得なかったわけです。

 でも、それは販売台数が右肩上がりになるという前提でしか成立しない計算だったのですね。
 中国ではTHAADミサイル配備で半ばボイコットされる状態で販売台数が46.7%減。北米では8.6%減。
 2012年頃は「ヒュンダイ・キアとサムスンだけが好調でKOPI平均株価が上昇しているように見える」と言われるほどでした。
 現在は半導体関連企業だけがひとり勝ち
 しかも、スーパーサイクルに入っているという季節要因が大きい。
 とはいえ、まだまだヒュンダイ・キア自動車が営業赤字を記録することにはならないでしょうが、たかが2年で販売台数を100万台以上減らすというのはなかなかの事態ですよ。
 自動車産業は建設関連産業ほどではありませんが、裾野の広い経済効果の高い業界です。
 その最大手が縮小するというのはかなり厳しい。
 海運の最大手が消滅し、造船が全体として縮小し、自動車が販売台数を減らす。儲かっているのは人手をそれほど必要としない半導体関連企業だけ。
 そりゃ、たとえソウル大学の新卒であってもまともな就職先が見つからないなんて事態にもなるわけですわ。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:チャイナ・リスク」〈2015年 7/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2015/7/14