憲法裁所長の任命案否決=史上初、文政権に打撃−韓国(時事通信)
 韓国国会本会議は11日、憲法裁判所の金二洙所長代行(64)を所長に任命する人事への同意案を否決した。憲法裁所長人事案が否決されたのは韓国憲政史上初めて。また、5月の文在寅大統領就任後、指名人事が国会の承認を得られなかったのも初めてで、文政権に打撃となった。
 憲法裁は朴漢徹・前所長が1月末、任期満了で退任して以降、代行体制が続いており、人事同意案否決で所長空席が長期化するのは避けられない。
 可決には出席議員293人の過半数の同意が必要だったが、賛成、反対とも145票、棄権・無効が計3票で、賛成票が過半数に達しなかった。
 韓国メディアによると、保守系野党の「自由韓国党」(107議席)、「正しい政党」(20議席)が「理念的に偏向している」との理由で所長任命に反対した。さらに「同性愛を擁護した」として宗教界の一部から反対の声が出たため、こうした世論を意識した中道野党「国民の党」(40議席)の議員多数も反対に回ったとみられる。
(引用ここまで)

 このキム・イスという裁判官、1月末に憲法裁判所の所長が退任してから代行をしてきた人物です。
 パク・クネの弾劾裁判においても主導的な役割を果たしてきました。
 どのような人物かというと、記事中にあるように保守政党側から「理念的に偏向している」と言われるような人物。

 つまり、ムン・ジェインと同じ左派に属する人間で、それもかなりの急進派。
 ムン・ジェインは5月に彼を憲法裁判所所長として指名したのですが、それは自分と同じ政治意識を持つものを指名することで憲法裁判所を自分の影響下に置こうという試みであったといっても過言ではありません。
 さすがにそれを許すことはできないということで、保守派、中道派が団結して過半数に達しなかったと。

   ちなみに憲法裁判所は大法院(最高裁相当)とは異なります。
 大法院は大法院で同じように自分の息がかかった人物を長官(大法院長)にしようとしています
 大法官(大法院の裁判官)を経ずに大法院長に指名されたのは56年ぶりの出来事だそうで……。
 こちらに関しても同じように国会の同意が必要になるので、どうなるかはまだ不明。

 司法を手中に収めることができれば好き勝手がしやすいという目論見だったのですが、さすがにそこまでの権力を握らせることはできないという良心が働いたのか、はたまたただの嫉妬か。
 とりあえず民主主義国家としてはぎりぎりの体面を保って踏みとどまった……というところですかね。

黒い巨塔 最高裁判所
瀬木比呂志
講談社
2016/10/27