韓経:【社説】韓国政府が耳を傾けるべき防衛産業企業の「危機の訴え」(中央日報)
防衛産業の危機を訴える企業家の声がただならない。韓国航空宇宙産業(KAI)ハンファLIGネクスウォンなどの防衛産業業者は、昨日開かれた全済国(チョン・ジェグク)防衛事業庁長との懇談会で隘路を訴えた。企業を防衛産業不正の主犯に仕立てる雰囲気や防衛産業非専門機関である検察監査院などの調査のため経営活動が大きく萎縮していると吐露した。一昨日はS&Tグループの崔平奎(チェ・ビョンギュ)会長が創業38周年行事で「自主国防の一翼を担ってきた防衛産業が重大危機に陥っている」と懸念を示した。

防衛産業従事者の士気の低下は大きな問題だ。国民税金で注文生産する防衛産業企業が不正を犯せば相応の処罰を受けなければならないということには異見はない。しかし、足りない技術と予算、ギリギリな日程の中で開発した武器体系に若干の問題が生じただけでも「欠陥だらけ」と追いやられることが日常茶飯事になっているというのが防衛産業企業の哀訴だ。防衛事業体が長期にわたり精魂込めて積み重ねた技術開発のノウハウが「できないなら結構」というような叱責と疑いのために埋もれるのは大きな国家的損失にほかならない。

防衛産業界の活力が落ち続けているという指摘が提起されて長い。なのに、改善の兆しが見られない。「最大の購買者である政府の技術開発要件が非常に厳しく、かえって防衛産業発展を遮っている」という企業の訴えばかりが続いている。下請け業者で発生した問題を元請け業者の責任として処理し、入札参加を制限する制度を変えなければならないという指摘も少なくない。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権のひとつの大きな柱となっているのが「積弊勢力の打倒」。
 言葉を代えて言うと「反抗勢力はすべてぶっ潰す」ということなのですけどもね。
 ネット上のムン・ジェイン支持派である「ムンパ」はさらに過激で、ムン・ジェイン政権と距離の近い民主労総であってですら「積弊勢力だ!」と批判したことがあります。
 「ろうそく革命に逆らう反革命勢力を許さない」という言葉を先に使ったほうの勝ち、みたいなことになっているわけですが。

 その最大の目標となっているのが防衛産業企業です。
 「リベートと防衛産業不正で多額の税金を無駄にしてきた」ということで、格好の標的になっています。基礎年金や子供手当といった福祉を充実させるための予算の財源をどこから持ってくるのかと問われたときに、与党の共に民主党からは「チェ・スンシル関連予算と防産不正を正せばなんの問題もない」という声が出たという話もあるほどで。
 ちなみに基礎年金と子供手当だけで年間6000億円が必要となるのですが……。

 それだけ韓国人の意識の中では防衛産業というものが不正にまみれているというわけです。
 実際に装備はヘルメット、防弾ジャケットブーツ小銃グレネード弾手榴弾主力戦車救難艦掃海艇潜水艦対空砲強襲揚陸艦あたりで問題が生じています。他にも航空機では共食い整備でニコイチが日常となっているという話もあります。

 ただまあ……お笑い韓国軍にはふたつの種類があるのですよ。

 ひとつは実際に不正があったパターン。防弾ジャケット、救難艦&掃海艇なんかは典型パターンでしたね。

 もうひとつは「単純に技術不足」なもの。
 主力戦車K2のパワーパックなんてのは典型例としてあげられそうです。ドイツ製のユーロパワーパックと同等のものが作れるという前提のもので設計してしまって、何度やっても何年やっても製造できない。
 兵器製造にかぎらず、ものづくりにはそういったミスから経験を学んで次のステージに向かう……という永続性が必要となるのですが。韓国では技術者の地位が低く、現場にいたがらないので継承できないのでしょうね。

 どうもそういった「技術不足」までが、ムン・ジェイン政権では「積弊勢力の仕業で税金が浪費されている」ということになっているのです。……税金の浪費であることには間違いありませんが。
 等身大の自分を見てみれば、それほどの大した装備が作れないという現実に行き着くと思うのですけどね。

 こんなことでKF-XやK3の開発が中止になっては困るという個人的な問題もあります。
 KF-Xだけで5年は食っていける自信がありますね(笑)。

コンテナ物語もそうですが、こういう標準を作る過程というのはそれだけでも面白い。
「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》 (講談社学術文庫)
橋本毅彦
講談社
2013/8/8