韓経:<日本経済は走るのに韓国は…>高騰する賃金・税金に「悲鳴」を上げる韓国企業(中央日報)
政府と共に民主党は法人税の最高税率〔純利益1000億ウォン(約99億3000万円)以上の企業対象)を22%から25%に引き上げる案を推進している。日本、米国、英国、フランスなどにおける法人税の「引き下げ戦争」傾向とは反対の政策だ。 (中略)

最低賃金の引き上げによる衝撃はすでに現れている。7月、来年度の最低賃金がことしより16.4%上がった1時間当たり7530ウォンに決定されると、京紡(キョンバン)、チョンバンなどの繊維会社が海外に工場を移すと宣言した。

年間売り上げ8000億ウォン、営業利益200億ウォンを上げる電子部品企業A社の代表は「政府の方針通り、最低賃金が1万ウォンになれば人件費が150億ウォン程度増えるだろう」と話した。「勤労時間の短縮にともなう追加採用などは最初から分析さえできなくなっている」とし「工場を海外に移さなければ会社を維持することが難しいだろう」と吐露した。

強硬な労組の闘争は変わっていない。3年間、累積純損失が2兆ウォンに達する韓国GMの労組はことしだけで6回にわたってストライキをした。繰り返されるストライキに賃金が高騰したせいで本社であるゼネラルモーターズ(GM)が韓国配分物量を他の地域に移す中でも労組は依然として賃金の引き上げを要求している。

テトラパック(2007年)、ヴァレオ空調(2010年)、ギブスコリア(2012年)など強硬な労組の闘争に疲れて廃業した外国人投資企業らのようにGMも韓国を離れるほかはないという見方が出ている。(中略)

世界経済フォーラム(WEF)が昨年末発表した国家競争力評価で韓国の労使関係は138カ国中135位だった。規制環境(105位)と共に国家競争力を落とす代表的要因に挙げられた。
(引用ここまで)

 ようやく日本企業の日本回帰が投資サイクルに乗ろうとしています。安倍政権への政権交代からここまでだいぶ時間がかかってしまったのですが、当然のことで。
 民主党政権時代に放置された80円を上回るような極端な円高の中では、企業としても海外脱出せざるを得なかったというのが実情。
 そして、一度海外で工場を建設してしまえばその工場で主たる設備投資が行われます。工場自体が新しいものですからラインも増設しやすいし、最新の機械も入れやすい。数年間、海外の工場を優先して投資が行われてしまうのですね。
 たとえ日本での投資環境がよくなったとしても、通常の投資サイクルを壊してまで国内回帰を急ぐことはありません。
 工場への投資、というものはそういうものなのです。

 民主党政権ではどうも「円高であれば輸入品も値段も抑えられる=消費者の得になる」と考えていた節がありまして。
 そもそも消費者はイコールで労働者でもあるのに、その労働環境を破壊してどうやって消費しろっていうんでしょうかね。

 そんなわけで韓国でも原因は異なりますが、工場の海外脱出がはじまろうとしているわけです。
 そして、これまでもそれほどよくなかった労働環境がさらに悪化しそうな予感です。
 飲食やサービスといった国内産業であれば脱出のしようもありませんが、いまどきであればものを作るのに場所的な差異は小さなものです。
 来年、再来年、その翌年。すべてでおおよそ15%ずつの人件費上昇、すなわち3年間で人件費がおよそ1.5倍になることが見込まれているのであれば、そりゃ脱出しますわ

 しかも、現状の韓国は大きな企業であればあるほど逃げやすい状況になっている。
 大企業だけ法人税増税
 大企業だけ政府からの人件費の補助なし。
 半ば恫喝のようにして「海外脱出はやめてくれ」って言ってますが、まあ無理でしょ。

 現状の韓国からさらに工場脱出が進むわけです。
 そして労組は韓国GMのように欲張ってなにもかも失うわけですね。
 まあ、ホワイトハウスにファンクラブまでできる偉大なムン・ジェイン政権であればこの苦境もなんとかできるでしょう。がんばって!

そして誰もいなくなった (クリスティー文庫)
アガサ・クリスティ
早川書房
2010/11/1