【社説】建設中の火力発電所を天然ガスに変更させる暴力行政(朝鮮日報)
 民間企業が現在建設中の4基の石炭火力発電所について、韓国政府が突然「液化天然ガス(LNG)発電所に変更する」と発表した。韓国国内で大きな問題となっている大気汚染の原因となる微小粒子状物質「PM2.5」を減らすためだ。この4基とはまだ工事が始まっていない江原道三陟市の発電所2基と、忠清南道唐津市の発電所2基のことだ。政府は当初、今年7月の時点で工事進捗(しんちょく)率が10%に満たない新規の石炭火力発電所9基をLNG発電所に変更する方針だったが、その中ですでに工事が始まっていた5基についてはその対象から外した。電力会社のある関係者は「今回対象となった4基はまだ着工前だが、設計や部品の発注などですでに9700億ウォン(約950億円)が投入された」として激しく反発している。ところが政府は「LNGへの転換に伴う補償はしない」とまで明言している。

 韓国政府は2011年に第5次、13年に第6次の電力需給基本計画を取りまとめ、この計画に沿って発電事業者が選定され、3−4年かけて発電所建設計画を進めてきた。その計画を今回突然政府がストップし、LNGに変更するよう強要しているのだ。これでは暴力と何ら変わりがない。現政権はすでに新古里原子力発電所5号機と6号機の建設も力ずくで中断させたが、その建設にもすでに1兆5000億ウォン(約1500億円)が投入され、また中断に伴う追加の費用も1兆ウォン(約1000億円)は必要と見込まれている。

 LNG発電は1キロワット時当たりの単価が今年6月の時点で116ウォン(約11.4円)で、石炭火力発電の73ウォン(約7.2円)に比べると非常に高いが、汚染物質が少ないためあえて建設を進めるということだ。今回建設が中断されることになった石炭火力発電所4基のうち2基は東海岸の三陟市にある。汚染物質が出てもその多くは東海(日本海)に向けて排出されるため、LNGに変更しても韓国国内で大気汚染を防ぐ効果などほとんどない。

 石炭火力発電所は通常、輸入する石炭の運搬が容易な唐津や三陟など海沿いの都市に建設される。これに対してLNG発電所は電力消費の多い都市部や工業地帯周辺に建設されるのが普通だ。LNGのパイプラインが都市部を中心に整備されており、また発電に伴う廃熱をマンションなどの暖房や給湯用に活用できるからだ。しかし唐津や三陟のように大都市から離れた地域にLNG発電所を建設するとなれば、まずはパイプラインの整備を最初から始めねばならない。

 LNGは全て輸入に頼っている。今は国際相場が下がっているが、これがいつ高騰するか全く予想もつかない。政府は原発や石炭火力発電への依存度を減らしてLNG発電を増やすとしているが、LNG価格が大きく上昇すればこのような政策は国全体に大きな負担としてのし掛かってくる。ところが政府は大統領選挙の公約だったことを理由に、石炭火力発電と原発の廃棄を前後の見境なく進めようとしている。発電事業は常に政府の方針に沿って進められる。そのため企業としては次の新しい政府が今回の方針を再び見直すことも想定して計画を進めていかねばならない。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインによる「キレイナカンコク」シリーズですね。
 石炭火力と原子力発電を嫌い、LNG火力と再生可能エネルギーで代替しようというものなのですが。
 石炭火力は安価なのが長所ですが、NOxとSOxが出まくり。
 中国、韓国なので大気汚染の大きな原因となっています。韓国では鯖の塩焼きも同じくらいの原因になっているらしいですけどね。
 対してLNGは燃やして出るのは水蒸気とCO2くらいなもので、かつCO2の量も少ないという比較的キレイナ発電方法です。
 ただ、昨今の石炭火力発電の多くは脱硫、脱塵装置があって、それなりにクリーンなのですよ。
 おそらく、この4件の石炭火力発電所も以前のものに比べればはるかにクリーンであって、わざわざ基本設計をLNGに切り替えるまでもないと思うのですが。

 ただまあ、ムン・ジェインの提唱している「キレイナ韓国」は理念上のものですからね。
 あくまでも枠として石炭火力を減らし、LNG火力を増やすことが大事なのです。
 同じく左翼であるパク・ウォンスンソウル市長が「ソウル市内のすべての建物に太陽光発電パネルをつければ発電需要を充分にまかなえる」「子供たちはすべて省電力守護天使になろう」なんて話をしていました。
 これもまったく同じ考えかたで、枠さえ定めてしまえばそれで終了なのです。
 キレイナカンコク、キレイナソウルを実現するために努力しているキレイナワタクシをアピールすることが大事なだけで。
 その維持管理費と発電費用をどうするんだとか、そもそも発電費用が高騰して電気代上がるだろうとか、そういう現実はどうでもいいのです。

 この記事でも「LNG火力に転換せよ、その転換にかかる費用は関知しない」とありますが、「発電所を建設できるような大企業を我々は優遇しない」という宣言でもあるわけですね。

 ムン・ジェインの基本政策方針というものがよく理解できる話、ということでピックアップ。

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2014/9/14