【社説】韓国経済の指標が一斉悪化、いつまで反企業実験を続けるのか(朝鮮日報)
 消費・投資・建設・生産など経済を成長させる主な要素の指標が8月中に一斉にマイナスを記録したと統計庁が発表した。8月中の小売販売が前月比1.0%減少したほか、設備投資が0.3%、建設受注は3.4%それぞれ減少した。半導体を除く工業生産増加率と製造業稼働率もマイナスだった。経済が全体的に後退しているということだ。このため、このままでは成長エンジンが完全に止まってしまうのではないかとの危機感が高まっている。

 中国の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備報復や安保リスクといった外部環境の要因も少なくなかっただろう。しかし、新政権が執ってきた一連の反成長政策がさらに悪影響を及ぼしたことも否めない。最低賃金引き上げをはじめとする労働偏向措置が企業や自営業者を委縮させた。大企業法人税引き上げや全方位的是正、フランチャイズ規制などの反企業ムードによって各企業は投資に二の足を踏んでいる。零細企業・限界企業も人材削減に踏み切っている。これでは経済が活気づくはずもない。 (中略)

遅ればせながら「革新成長」を強調した大統領の指示をきっかけに、各部処(省庁)が革新成長対策に着手したという。李洛淵(イ・ナギョン)首相も規制を「放っておけば太る中年男の腰回り」に例えながら「規制改革の非常な覚悟」を注文した。

 しかし、依然として言葉ばかりが先走りしているという印象もある。規制改革を唱えながらも、その基本である「サービス発展基本法」や「規制フリーゾーン法」については何も話がない。革新成長の必須条件である労働改革は、まだ雇用労働部(省に相当)の反改革への一方的な暴走が続いている。その重心はまだ「所得主導」と「公正な経済」という、経済以外の政治的スローガンにある。経済成長エンジンが今以上に冷えてしまう前に、経済の流れを速やかに正常化させるべきだ。
(引用ここまで)

 以前から保守系メディアは「ムン・ジェインが5年間、このままの経済政策で通したら確実に死ぬ」というようなコラムや社説が山ほど出てましたが、ここにきてムン・ジェインも少し日和ったかのようなコメントを出しています。
 いわく「革新成長と所得主導成長戦略はどちらも重要」とのこと。

文大統領「革新成長、スピード感を持って推進」(中央日報)
文大統領はこの日青瓦台(チョンワデ、大統領府)で開かれた閣議で、所得主導成長が需要の側面から成長を牽引する戦略ならば、供給の側面から成長を牽引する戦略が革新成長だと判断する」としてこのように明らかにした。文大統領が経済の「パイ」を育てるに当たり成長戦略の重要性を強調したのだ。これまで分配優先政策を重視した文大統領の経済政策方向が修正される可能性も提起される。
(引用ここまで)

 まあ、「革新成長」とか言ってますが、要するに普通の成長戦略のことっぽい。
 規制緩和等を行うのではないかという話になっています。あと「所得主導成長戦略」とやらの速度を落とすのではないかと期待されていますね。
 でもまぁ、パク・クネが提唱していてありとあらゆるところから「なにを言っているのかよく分からない」と酷評された「創造経済」とラベルが違うだけじゃないのって気もします。

 保守系メディアからは「ようやく我々の声が届いたらしい」みたいな評価になっていますが、実際にはなにをやろうとしているのかまったく不明です。
 なにしろ「革新成長」……ですからねぇ。

 左派の人間はヘタに頭のいい人間が多いせいもあるのですが、自分たちの決めたことがうまくいかないわけがないと決めてかかっている傾向が多いのです。
 ムン・ジェインがここまで強硬的に「弱者の所得を増やせばすべてがうまくいくのだ」って思い込んでいるのは、この左派特有の悪い意味での頭のよさが作用しているように感じます。
 その「頭のいい政策」をすべての人間が守り、その精神を尊べばうまくいかないわけがないという考えかたなのですが。
 彼らの想定したとおりに金と人が動いて、理想の社会を作り出す……なんて話があるわけないのですけどね。
 このくらい、ちょっとだけ投資をやるていどでも理解できそうなものですが。
 まあ、それでも「所得主導成長戦略」がどこに行き着くか見てみたいので、ムン・ジェイン政権を応援してますけどね。

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池上彰
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2017/3/25