消火活動中の器物破損、消防隊員に賠償責任はあるのか(朝鮮日報)
 最近、大韓弁護士協会が無料で法律相談を請け負う弁護士を募集した。協会所属の弁護士392人が名乗り出た。弁護士たちがこぞって「報酬はいらないから手助けしたい」と買って出たのは消防隊員たちのためだった。キム・ヒョン協会長は「国民の生命と安全を守るために、やるせない境地に立たされている消防隊員を実質的に支援しようと、多くの弁護士たちが立ち上がった」と明らかにした。

 マンションの火災現場に出動した消防隊員の任務は大きく分けて二つだ。火災を消し止めるとともに、火災が発生した階の階上に上り、周囲の住民を避難させることだ。いくら呼び鈴を押しても応答しない場合は、強制的にドアを打ち破って入らなければならない。あるいは中に人がいるかもしれないためだ。この過程でドアや財産を破損したとの理由から、消防隊員が損害賠償請求に苦しむケースがたびたび発生する。ソウル消防災難本部によると、2015年から今年6月末までに「消火活動などで発生した器物破損について弁償せよ」との請求が54件にも上った。壊れたドアを弁償するよう求めるものが43件と大部分を占めた。(中略)

昨年8月、ソウル市鍾路区のあるマンションのベランダから発生した火災を消し止めた鍾路消防隊員たちは、壊れた玄関のドアと破れたソファを弁償するよう求める家主の抗議を受け、合意を引き出すまでに筆舌に耐えがたい交渉を続けたという。

 消防活動中に消防隊員が引き起こした物的損失は、全て国家が補償する。これは、消防基本法によるものだ。救助、救急は、市や道が加入している賠償責任保険ですぐに償うことができる。しかし、火災については保険加入が許されず、国家補償が可能かどうかを裁判所が判断しなければならない。被害額が10万ウォン(約9900円)以下なら、消防隊員が請求人を訪ねて「一刻を争う状況だったため、ご理解いただきたい」と合意を引き出すケースがほとんどだ。しかし、請求人がこれを受け入れなければ、略式訴訟へと突入する。判決が下されるまで最大で6カ月かかることもある。請求人と合意する過程で精神的ストレスを訴える消防隊員は数知れない。
(引用ここまで)

 えーっと、正規の消火活動に対してであってでも即時強制の概念が適用されないんだ?
 いやぁ、韓国のことならけっこう知っているつもりでも、やっぱりなにも知らないなぁ。
 即時強制は公的な業務執行時にやむを得ない事情があれば罪そのものが認められないというもので、正当防衛と同じ考えかた。
 この場合でいえば、消防士が消火活動中に必要があって壊したものに対して損害賠償は請求できないと言うことですね。
 消防士が扉を壊して在宅かどうかを確認したときに、いちいち訴訟を起こされる可能性があるって。
 近代国家としてそれはどうなの。

 ……韓国は近代国家じゃないと言われればそれまでですが。
 いくら公務員といえども、こんな訴訟リスクを冒してまでまともな消防活動なんてやってられない。サボタージュの原因そのものじゃないですか。
 韓国の法律は日本のそれを参考にしてできているとはいえ、細かいところでは異なるものですね。

違法捜査 (ハード・サスペンス)
南英男
廣済堂出版
2015/3/20