文政権半年、成果見えない「Jノミクス」に相次ぐ批判(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足から半年を迎え、文大統領の掲げる経済政策「Jノミクス」に対する「警報音」が至る所で鳴り響いている。雇用創出と所得主導成長を目標に掲げているが、明確な成果が出ていない上、今後の展望も明るくないというわけだ。 (中略)

 文大統領は、雇用状況版を設置して自ら管理すると表明したが、8月の新規就業者数は21万2000人で4年6か月ぶりの最小値を記録する一方、9月の失業給与(失業手当)の新規申請者は15.9%増加し、増加率は4年8か月ぶりの最高値を記録した。新規就業者が減り続け、失業者は逆に増えているわけだ。

 所得主導成長論に対する批判はまず学者の間から噴出した。ソウル大経済学部のキム・セジク教授は先月14日「文在寅政権の経済政策に関する大論争」と題する国家政策フォーラムで「所得主導の成長政策は、賃金引き上げなどを通じて消費を拡大し、短期的な成長率を上げる政策であり、長期的な成長率を引き上げるには限界がある」と批判した。次政権の初期には長期成長率が0%台まで下落する可能性があるとも警告した。 (中略)

 「Jノミクス」の樹立に関わった与党関係者の間でも批判的な見方が出ている。大統領選挙の際、文大統領のシンクタンク「国民成長」の諮問委員長を務めたパク・ソン氏(元韓国銀行総裁)は、本紙のインタビューに対し「革新成長を実現するためには労働改革、規制改革をすべき」と述べた上で「大企業が輸出によって稼いでいる状況を規制してばかりでは良くない。支援をすべきだ」と強調した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインを擁護するつもりは毛頭ないのですが、韓国経済の図体で半年くらいで具体的成果を出せっていわれてもそりゃ無理ですよね。
 ただまあ、半導体のスーパーサイクル突入で輸出増大しているだけなのに、「IMFの経済成長率予想も3.0%に!」っていう錯視状態はけっこうやばい。
 それでいきなり大統領府が記者懇談会を開催しちゃって「韓国経済は順調です」なんてアナウンスしちゃうのはさらにやばい。

 世界経済はゆったりとした回復基調に乗っていますが、韓国の場合半導体関連企業以外がそのペースに乗れていない。
 ヒュンダイ自動車の中国での販売台数が8ヶ月ぶりに10万台を超えたことがニュースになっちゃうくらい。これで「一息つけた」ということになっているのですが、数字をきっちり見てみると前年同月比で-21.5%っていう。
 まあ、これまでが5万台前後だったっていうから回復といえば回復なんでしょうが。
 アメリカでも同様にシェアが下がり続けているとのこと。
 5年前は「ヒュンダイ自動車とサムスン電子が好調なだけで錯視している。株式市場の実情は冷え切っている」なんて言いかたをされていましたが、それが半導体関連企業に移行しただけって感じですね。

 ともあれ、Jノミクスが効果を出すまで韓国人は見守るべきだと思いますよ。それが1年後なのか5年後なのかは分かりませんが。
 なにしろ所得主導成長を主張して全面的に政策展開するのは世界ではじめての試みなのですから。成果が出るまでじっくりと待たないと。
 もしかしたら、明日あたりに韓国で世界最大の金鉱脈が発見されてゴールドラッシュが起きるかもしれませんしね?

高校生のための経済学入門 (ちくま新書)
小塩隆士
筑摩書房
2002/3/19