【社説】韓国のデモ、死者が出るのは警察の過失なのか(朝鮮日報)
【コラム】朴槿恵被告釈放問題、文政権に対する無駄な期待(朝鮮日報)
 農業に従事する白南基(ペク・ナムギ)さんがデモ参加中に機動隊の放水を受けて死亡した2年前の事件について、検察は現職と前職の警察官4人を業務上過失致死の容疑で在宅起訴した。検察は「当時、機動隊がバスで壁を作り、放水を行った行為は違法ではなかった」としたものの「白氏の死亡は警察の過失が原因であるため、警察に責任がある」とする捜査結果を公表した。

 白氏の犠牲は痛ましく残念なことだ。しかし問題のデモは「民衆総決起大会」と銘打たれた非常に過激なもので、なおかつ都心のまん真ん中で行われたあまりにも危険なものだった。そのため捜査に当たっては、デモそのものの違法性あるいは暴力性についても同時に問題視しなければならない。(中略)しかもデモ隊は鉄製のはしごや鉄パイプなどを振り回して機動隊バスを破壊し、またこれらを使って機動隊員に暴行を加えようとした。実際に一部のデモ参加者が竹の棒を振り回して機動隊員に暴行を加える様子も目撃されている。また彼らは歩道のブロックを破壊して機動隊員に投げ付け、鉄製の空気銃に工業用ボルトを詰めて隊員らに向けて撃っていた。さらに機動隊バスの注油口をこじ開けて火を付けようとし、バスにロープを結び付けて倒そうとした。あるデモ参加者はバスの上にいた機動隊員を下に突き落とそうとした。その結果、113人の機動隊員が負傷し、50台のバスが大破した。

 凶器を持って自分を殺そうとする相手を制止する際、逆に相手が負傷、あるいは運悪く死亡するに至った場合、通常は正当防衛として処罰されない。当時もデモ隊は機動隊員の命が危険にさらされるほど非常に過激で暴力的であり、実際に現場では「死ね」などと本当に殺意を感じさせる叫び声もいくらでも聞こえた。(中略)そのような中で白さんは死亡した。残念なことだが、機動隊員が意図して白さんを殺害した可能性はほぼ考えられない。そのためいくら政権が変わったとはいえ、当時現場にいた隊員たちが突然責任を追及されることには到底納得がいかないし、また暴力デモがその根本原因だったという事実もしっかりと考慮しなければならない。
(引用ここまで)
 このコラムは「無駄な期待」だとすぐにお分かりになることだろう。裁判所の決定は世間に広く伝えられている予測通りになる可能性が高い。「朴槿恵(パク・クネ)前大統領の拘束は当然、延長されるだろう」というのが大多数の見方だ。それが正しいだとか、どんな法的根拠をもって言うかとかよりも、「現政権ではそうなるだろう」と黙認しているのだ。 (中略)

 法理だけで考えれば、朴槿恵被告の身柄に関する決定はそれほど難しくないだろう。今、裁判所が悩んでいるのは、法理以外の問題に違いない。拘束延長と釈放、どちらの決定の方が比較的後遺症が少ないか考えているのだろう。(中略)

 現政権で朴槿恵被告を釈放するのは「リスク」が大きすぎる。最近、裁判所前に数百人の「太極旗群衆」(朴槿恵支持派)が繰り出しているが、もし同被告を釈放すれば、「ろうそく群衆」(朴槿恵反対派)が再集結する公算が高い。司法は「積弊(長年の弊害)勢力」のように責め立てられ、司法改革の世論に油を注ぐ形になるだろう。担当判事はインターネット上の悪質な書き込みや個人情報暴露の対象となり、おそらく昼間でも街を歩けなくなる。このような個人的な問題も心配になってしまう。 (中略)

 裁判官も人間だから、さまざまな状況を考えざるを得ない。だからこそ悩みが深いのだ。しかし、それは法の外的要素だ。裁判官はそこまで考える必要はなく、そのような権限も与えられていない。そういう悩みや世論の顔色をうかがうのは、政治家やメディアなどで十分だ。裁判官が法の外的要因を考えれば、その瞬間、自身も気付かないうちに、いわゆる「政治判事」になるのだ。それぞれの裁判官が法の原則を貫くために悩み、そのような政治的考慮をしなくなれば、司法全体の独立が徐々に成り立っていくことだろう。

 「朴槿恵問題」は裁判所の当面の課題だが、根本的に解決するには文在寅(ムン・ジェイン)大統領が立ち上がらなければならない。文大統領が統合を打ち出しているというなら、「敗軍の将」に対する最低限の礼儀をまず見せるべきだ。 (中略)

 文大統領は、口では統合を叫びながら、行動では分裂を助長している。国内では相手側への恨みと呪いがコンクリートの壁のように固く築かれている。なぜ大統領として成功できる道をあえて避けて通るのか理解に苦しむ。
(引用ここまで)

 下のコラムはパク・クネの拘束延長が10月16日よりも決まる前に書かれたもので、まあ実際に拘束延長となりました。
 しかも次の拘束期限は半年延長されて4月16日。セウォル号が沈没してから3年となるその日なのですね。
 まあ、拘束延長を命じた裁判官の気持ちはよく分かりますわ。

 記事にあるように保釈決定したら「担当判事はインターネット上の悪質な書き込みや個人情報暴露の対象となり、おそらく昼間でも街を歩けなくなる」でしょう。
 嘘とデマで固められ、無数のろうそくで照らされた悪意の道を、顔を上げて法曹人として歩くことができるのか。
 それとも、こうして多少の後ろ指を指されはしてもなんの問題のない道を行くのか。
 そう問われて、後者を選んだのですよね。

 サムスン電子副会長のイ・ジェヨンの最初の逮捕状を却下した判事に浴びせられた悪口雑言や「息子がサムスン電子に就職している」といったデマ、プライベートを端から端までほじくり返された様子を見ていたでしょうから、こうなってもしかたないかなとは思いますが。

 そんなこんなで実質的にムン・ジェイン政権は法の支配から自由になっている。
 自由になっているどころか、操ってすらいる感がありますよね。大法院長官指名や、まだ楽韓Webでは扱っていないのですが、本来定員が9人の憲法裁判所の裁判官を8人のまま、かつ憲法裁長官を空席のままにしていることなんかもその傍証としてあげられるでしょう。

 今回のデモ中に放水銃が直撃して亡くなった事件も、「パク・クネに反抗する聖なるデモの殉職者」みたいな形にしようということなのでしょう。
 ちなみにその聖なるデモとやらはこんな様子でした。


 デモというか、単純に暴動なのですが。
 これに対抗して放水銃使ったことは「過失責任を取らなければならない」のだそうですよ。
 当時、こういった動画を撮影した人間を探し出せとか、デモを主導した連中はやってましたね。
 放水銃は空手のパンチ力並の力、ただしテコンドーのパンチはもっとすごいとかやってましたっけ。

 もちろん、加藤達也氏の出国禁止処分から名誉毀損で起訴されたこと、および無罪判決が出たことまでパク・政権がらみであったことは間違いありません。
 斯様に歴代の政権も同様に司法への介入をやってきてはいるのですけどね。
 まあ、韓国の政権というものはこういうものなのです、ということころでしょうか。

韓国人に生まれなくてよかった
武藤正敏
悟空出版
2017/6/1