【社説】韓日の外交力格差を示すトランプ大統領のアジア歴訪日程(朝鮮日報)
【社説】韓国のアマチュア4強大使に向かった潘前事務総長の苦言(中央日報)
 米国のトランプ大統領は来月5日に韓国にやって来るが、その前に日本で安倍首相とのゴルフ会談を含む2泊3日のスケジュールが組まれている。トランプ大統領と安倍首相は2月に安倍首相が訪米した際にも二人でゴルフを行い個人的な関係を深めた。この時は二人で27ホールを回り、さらに朝食、昼食、夕食全てを共にしたが、これは首脳会談の歴史では非常に珍しいことだ。今回トランプ大統領は11月6日に安倍首相と首脳会談を行い、直後に米国大統領として初めて日本の国家安全保障会議(NSC)にも出席する。安全保障問題で日米両国が完全に一体化していることを内外に示すためだ。北朝鮮によって拉致され死亡したと伝えられる横田めぐみさんの両親との面会も組まれた。日米両国はトランプ大統領の訪日を契機にさらに結束を強め、北朝鮮に対し完全に一致した態度で臨もうとしているようだ。

 これに対してトランプ大統領の韓国における2日間の日程を見ると、国会での演説以外に特に注目すべき内容はない。トランプ大統領が非武装地帯(DMZ)を訪問し、北朝鮮に警告のメッセージを送ることも検討されたが、結局は実現しなかった。(中略)

韓国大統領府はトランプ大統領の来韓が25年ぶりの国賓訪問であることと、国会演説が行われるのも24年ぶりである点を強調している。もちろんいずれも大きな意味はあるが、日本と比較すればスケジュール全体にどうしても物足りなさを感じる。米国大統領が韓国と日本を同時に訪問するにもかかわらず、そのスケジュールにここまで差がある理由は間違いなく外交力と切実さの違いであって、単に国力の差から来るものではない。

 潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長は米国、中国、日本、ロシアに派遣された韓国大使が意外な人物だったことについて「外交官は誰でもよいと考えているようだ」と評していた事実が最近報じられた。外交官たちの経験をことごとく無視し、単に自分たちと考え方が一致する人物ばかり重用する現政権の人事に対する批判だ。現在この4カ国大使の中で相手国の政策に少しでも何らかの影響力を行使できるような人物は見当たらない。外交によって国際社会を渡っていかねばならない韓国が、主要国の大使をこのように決めているようでは国益を守ることはできない。
(引用ここまで)
潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が経験不足論争に巻き込まれた4強大使の人事に向かって最近投げた苦言は真に正しい。潘前事務総長は16日の講演で外交官経歴が一度もないか、ほどんどない人事が4強大使に任命されたことに対して「外交官は誰もがしてもかまわないと考えた人事」と叱責したという。

韓国政府は去る8、9月、職業外交官の代わりに大統領選挙陣営で文在寅(ムン・ジェイン)候補を助けた親文人事を4強大使に選んだ。駐米大使に任命された西江(ソガン)大の趙潤済(チョ・ユンジェ)教授は経済学者、盧英敏(ノ・ヨンミン)駐中大使は元国会議員だ。駐日大使になった慶南(キョンナム)大の李洙勲(イ・スフン)教授は日本通ではなく、禹潤根(ウ・ユングン)新駐露大使も政治家出身だ。そのため、「アマチュア大使」「理念人事」という批判が出るのが当然だ。 (中略)

外交感覚の不足はとんでもない失敗を産む。実際に、先月末盧駐中大使はロッテなど韓国企業が中国内で苦戦を強いられているのは企業の内部事情のためだと話して波紋を呼んだ。中国内韓国企業への弾圧に肩を持ったのだから、どこの国の大使なのか納得できないところだ。

こうした中で政府は新しい公館長の3割を非外交官出身の人事で選ぼうとしているという。二国間外交と政務経験がない康京和(カン・ギョンファ)外交部長官とチョン・ウイヨン国家安保室長を二大外交指令塔に座らせただけでなく、アマチュア4強大使に公館長の3割が無経験者出身だとすれば、何よりも明らかに外交力が弱くなるだろう。だから、外交安保ラインを全面交換することを求める野党側の要求が出ているのではないだろうか。
(引用ここまで)

 いまだに韓国国内では「トランプの外交日程が日本は2泊3日だったのに、韓国は1泊2日……」という話題で盛り上がっています。
 日韓の外交力格差云々という語られかたをしていて、安倍はトランプと肩を並べるようにして

 ……いや、日本の外交力が上がったというか。以前に比べたらそりゃ上がってはいるのでしょうが。
 勝手に韓国が落ちていったというか、軍事同盟を結んでいるだけの国に好んでなっていったというか。
 米中間でふらふらすることで最大の利益を狙っていたのに、いつの間にか両方から疎まれていたというコウモリさん状態になっていたというだけの話ですよね。
 そこにさらに徹底した親北政権が誕生したのだから、自ずとこうならざるを得ないというだけ。
 
 信頼する、されないっていうのは個別の国の問題であって、日韓で比べてどうなるんだって話。
 ムン・ジェイン政権では以前も書いたように駐日、駐米、駐中、駐露大使をそれぞれ自分の腹心から選出して、恩顧人事を徹底している。外交そのものなんてどうでもいい。手駒をどれだけ政権にしっかり根付かせるかだけがムン・ジェインにとっては大事なのですよ。
 ま、別にそれは外交面だけでなく経済面においても同様なのですが。

 誰を大使に選ぶかってことはほぼイコールでその国からのメッセージなのですが、なんのメッセージにもなっていないのですよね。
 むしろ、「外交よりも恩顧人事が大事だ」という国内向けのアピールになっているっていう。

 だいたいにして今回のトランプ大統領によるアジア歴訪に関していうのであれば、予定が日本(5-7日)→韓国(7-8日)→中国(8-10日)→ベトナム(10-12日)→フィリピン(13-15日)となっている。
 すなわち韓国以外の国はすべて2泊3日ってほうに注目すべきだと思います。
 さすがにベトナム、フィリピンではAPEC、ASEAN首脳との会談がありますけど。

 これで当初いわれていたように訪日が3泊4日だったら、もうどうなっていたか(笑)。
 そのパターンも見たかったものですけどね。

日米同盟のリアリズム (文春新書)
小川和久
文藝春秋
2017/7/20