先日の産経新聞に記事が掲載されたネルソンリポートによる「個人資産があるのなら移動させておくべきだ」という件。ちょっと調べておきました。
 スティーブ・ハーマンというボイス・オブ・アメリカのワシントン局長、かつて日本、および韓国で外国特派員協会の会長だったという人物によって、ネルソンリポートの文章がTwitterにリークされています。


 ざっくりと訳しましょうか。

nelsonreportB
 訳文の転載禁止を明確にしておこう。「仮定上の偶発的なものではない」なんてもう死にたくなるようなヘタな文章ですしね。意味を把握することと翻訳は異なるのだな……。
 そもそもこれがネルソンリポートの文章であるかどうかも確定していないのです。
 ネルソンリポート自体がメールサービスなので、ソースもこれ以上遡れそうにないです。隔靴掻痒。

 まあ、これがそのままの文章であったとすると、英文はなかなかの言葉の強さ。うーん。「ネルソンリポートは北東アジアにおける情報源として重用されている」とのことですが、これまで扱ったことのない話なのでなんとも傾向が取れません。
 まあ、こういうレポートがありますよ、という話として聞いておいてください。

 さて、韓国にも先日の産経新聞経由でネルソンリポートの文章が伝えられていまして。

「米国当局者、韓国から個人資産移動非公式勧告」ネルソンレポート(ニューシス・朝鮮語)

 100近いコメントがついているのでそこそこ注目されたニュースであるといえるでしょう。
 今月の下旬に予定されている在韓アメリカ人の避難訓練なんかも併せて伝えられていますね。
 でもって、もうひとつネルソンリポートを扱っているニュースを見つけまして、こちら。

「アメリカの当局者、韓国で資産移動を勧告」... 産経、ネルソンレポート引用報道(国民日報・朝鮮語)

 書いていることはニューシスと基本的に同じなのですが、注目点はここ。
登録メンバーに対してのみ電子メールで情報を送信するネルソンレポートは、米国、アジアの政治や経済ニュースの正統という評価を受けている。

しかし、この日行われた衆議院選挙を控えて、延々と北朝鮮の脅威を強調してきた日本の保守言論が、選挙当日に朝鮮半島の危機状況をさらに強調したものであるという分析が出ている。
(引用ここまで)

 「産経新聞ガー」と分析しているそうですよ。
 選挙対策で過分に北朝鮮危機を煽っているのだそうです。
 見事なくらいに当事者意識に欠けてるなぁ……。
 ネルソンリポート本体 → VOAのワシントン局長のTwitter → 産経新聞 → 韓国メディアですから転載の転載の転載。
 そりゃまあ、大元の意図も理解すらできなくなるか。

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小川和久
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2017/7/20