韓国経済に「家計負債」の死角 GDP回復も危うさ (日経新聞)
 韓国経済の「危うい回復」が続いている。韓国銀行(中央銀行)が26日発表した7〜9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は、前期比1.4%増と市場予想を大きく上回った。絶好調な半導体メモリー輸出が成長率を押し上げた。17年通年では3年ぶりに3%台に乗せそうだが、家計負債の急増が一見すると堅調な景気を冷やすリスクも潜んでいる。(中略)

 懸念材料の1つが、家計負債の急増リスクだ。負債の大半が不動産融資で、首都ソウルの江南地区や釜山など大都市圏の一部地域では不動産投資が過熱。マンションや商業施設を投資目的で購入する人が、金融機関からの借り越入れを膨らませている。

 家計負債は15年から急増しはじめ、16年末時点で1566兆ウォン(約158兆円)とGDP対比で96%に達した。16年だけで139兆ウォンも増え、07〜14年の平均(60兆ウォン)に比べて2倍以上となった。海外の格付け会社や投資家も、急激な増加幅を問題視する。 (中略)

 しかし、すでに家計負債の総額は可処分所得を大きく上回り、消費の下押し要因となっている。家計負債問題を軟着陸できれば消費にはプラスとなるが、今度はマンション建設が減って建設投資が下振れする可能性もある。(中略)

 韓銀は18年の成長率を2.9%と、拡大基調を見込む。韓国野村証券の権英善(クォン・ヨンソン)専務は7〜9月期の成長率発表を受け、18年の予想を従来の2.3%から2.7%に上方修正した。ただ、「輸出が伸びても、政府の家計負債対策で建設投資が萎縮することにより相殺される」と分析。韓銀より慎重な見方を崩していない。
(引用ここまで)

 おや、これはすごい。
 日経ビジネスオンラインとかのコラムで語られているというのではなく、日経新聞本体が「韓国の経済成長は順調に見えて崖っぷち」なんて書いているとは。
 そこまで事態は切迫しているということでもあるのでしょうね。

 アメリカとの政策金利逆転も目と鼻の先。
 追随して利上げしなければ、外資が出ていくキャピタルフライトは間違いなし。
 その一方で利上げすればGDPと同レベルの家計負債が悲鳴を上げる。
 半導体だけに引っ張られている見た目だけの成長とはいえども、そこそこの経済成長をしている以上、政策金利の引き上げ圧力も少なくはないでしょう。
 進むも地獄、退くも地獄。もちろんその場に留まるのも地獄です。

 「史上最高の低金利」であったのに、7割が変動金利で借りているっていう不思議さ。
 まあ、ぱっと見でより金利が安く見えるのは変動金利であるのは想像に難くないところ。
 ただ、記事にもあるように景気牽引策の一環として不動産融資規制撤廃と低金利で家計負債は一気に増えてきたのは2015年あたりから。
 ですが、もうその頃にはアメリカの出口戦略がどうなるのかと囁かれていたのですけどね……。

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術
朝倉 智也
朝日新聞出版
2016/6/7